![]() 製作国:アメリカ 監督:M・ナイト・シャマラン 製作:M・ナイト・シャマラン、サム・マーサー、バリー・メンデル 撮影:タク・フジモト 音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード amazon.co.jpで詳細を見る。 |

ニューヨーク、セントラルパーク、8:33分、その現象は始まりました。
一陣のそよ風が起こったとき、人々は歩みを止め後ろに歩き出します。そして、その時点で考えられる行為を持って自殺してしまうのです。その現象は次第に広がり、セントラルパークから3ブロック先の工事現場では、作業員が次々と落下死をしてしまいました。
セントラルパークで何らかの毒ガスを使ったテロが行われたのでしょうか…フェラデルフィアの高校の先生であるエリオット(マーク・ウォールバーグ)は、妻のマルマと共に、同じ数学教師のジュリアンの家族たちとその地を離れようとしますが、列車は先の連絡が取れないことを理由にフィルバートで停止してしまいます。
その間にも「現象」は拡大し、ジュリアンは出発時間に間に合わなかった妻の身を案じて、娘をエリオットに託し、引き返すことに。恐らくは戻ってこられないであろうその場所へ。
残されたエリオットたちは、「現象」の起こっていない場所へ脱出しようと、先を急ごうとしますが「現象」は彼らを包み込むように迫りつつあったのです。


作中では、テロを始めとしていろいろな原因が飛び交いますが、序盤の木々を揺らす風、その直前の人々の会話から、植物からの攻撃という線が一番あっていたように思われます。
ホントの理由というものは誰にもわからないのかもしれませんが、B級映画には往々にして原因不明のまま、そしくは原因があってもとても納得できないことがあります。この作品でもおそらくコレでは?という理由で締めくくられているのでOKかな、と思いました。(^^; 別の地でのオチもあったことですし。
主人公たちがいろいろと原因を探って行きますが、全てが間違っているのか、それとも微妙に狂っているのか、そしてきっかけを与えてくれる人は次々といなくなっていきます。
こういう部分は「CUBE」に近いところがありますが、あそこまでの人間の壊れようはここにはありません。
とにかく、即席理論にしたがって逃げるのです!
間違っていてもすぐ修正、また逃げるのです!
残念ながら惜しいところは、登場人物の心情が希薄なところでしょうか。最後の一言で書いておきますが、頭の中で補完しつつ観るようになってしまいました。(^^; それといろいろな人たちが登場するのに、あっさりといなくなってしまうところですね。少しずつその接点が3人に影響は与えるものの…うーん、早くない?
この作品では無数の人が死んでしまいますが、血がドバーと出てくるような死に方ではなく、もう淡々と死んでしまいます。その瞬間は出来るだけ抑えられた(あるにはあるんですけど)つくりになっていましたが、それでも、ビルの屋上から次々と飛び出すシーンなどは、血だるまのゾンビなどより遥かに怖いと思いました。
静かに襲ってくる死の危険性は怖いですねぇ。
あの風と共に、人々が停止していまう演出がとてもいいです(バックはなんとも言えませんけど)。
【一言いいたいコーナー】
・妻アルマとの関係。当初はジュリアンからの情報になるために、ホントかウソかも判らず、一方通行の性格付けになってしまいますが、ストーリーが進むにつれ、エリオットとの関係が徐々に明らかになってきます。不仲にはなっていたようですが、完全にエリオットのことが嫌いでもなく、そんな彼女にエリオットも最後の一線を越えられないような関係。そのためにアルマはジョーイとパフェを…ってこれはそのままパフェではなく、言うまでもなく浮気ということでしょうね。そのことを後悔しエリオットに話したことは自分の心をさらけ出し、ようやく心が通じ始めたのでしょうか。
・ジュリアンの決心。娘を託すときに、手をとろうとするアルマにきつい一言を浴びせる彼。すでに死を悟っていたのかも知れませんが、彼の言葉には娘を受け取るにはそれなりの覚悟が必要だということを示しています。その時点でのアルマにはその手をとることができず、逆にまだ何もわかってもいなかったのかも。1%より少ない可能性?それでも彼は愛する妻を救うために戻らなければならない。それはまだアルマには理解できない夫婦愛だったのかも知れませんね。
・孤独なおばあさん。世間から孤立している人間というのは、こういう逃避行モノにはちょくちょく出てくることがある役どころですが、結構躾に厳しい人でした。それにしても食事中おばあさんに注意をされた娘などの光景から、「あのおばあさん気持ち悪い」とは…とても招待された客の言葉とは思えないような。(@_@) 朝、おばあさんがベッドの女の子の人形を寝かせていたことに気づいたエリオットなど「キ○ガイ」という言葉まで!状況から察するに、一人娘が家を出てから帰ってこない/死んでしまった。が、それを信じず人形を娘と思って暮らしているというようなことは考えられなかったのかなと思ってしまいました。
・9:27の停止。エリオットやアルマたちがちょうどその時点で…となりますが、彼らは物騒なことなど考えていませんでしたし、木々もそのことに対して毒を撒かなかったと考えたかったのですが、どうなのでしょうねぇ。ちょうどその時間が、というのはあまりにも出来すぎ?(^^;
・人数の問題。この現象が植物からの攻撃だとすると、大勢いたときにはその中の誰が物騒なことを考えても、その一団を攻撃目標にしたのではないでしょうか。つまり少数だと襲われる確率は減るものの、たとえ1人でも物騒なことを考えると、やはり攻撃はされてしまうのです。


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不気味に自殺していくのは、凄く前半でよかったんですけど…。
シャマラン監督だから、どうのっていう期待は最早なかったんですが、怖さもしまりがなくなってるし、背景ドラマも薄いなぁ…と。
たしかにB級としてみると、上等な方。
(^▽^) ハッハッハ
そうですねぇ。自分でこんなに補完しながら観なければならないのは、逆に言えば中途半端と言うことですから。(^^;;
実は私、当時の映画からは離れていたのかチラシもなく、シャラマン監督などとはまったく知らず、そのまま「あ、新作だ」と借りてみたのでした。何も考えで観たほうが十分面白かったかと。あははは。
トラックバックありがとうございました。
ただ、何がどうした・・と言うのでは無く
感情の無い人形のようにパタパタと死に逝く
人間達の絵には、ゾッとしました。
理由も、対処方も分からないまま
逃げまどう人間達・・・その部分では
私も一緒に逃げ惑ってたような気がします。
そう思うと、結構面白かったです(-^□^-)
不気味な死に方がよかっただけに、なんとも残念な作品でしたねぇ。
私は原因などは、このままでもいいかなって思っている口なので、あまり気になりませんでしたので、そのまま楽しめたりして。(^^;
トラックバックありがとうございました。
ハプニングだったとしか言えません。
最後に出てくるイカれたおばさんが好きです。
あれこそハプニングな出会いですよね。
人生ハプニングの連続ですね。(^^;
この作品は、そんなハプニングを大規模で行ったらどうなるのか!を実現したのかも…えっ?
おばあさんと出あった事が、娘さんにとってはハプニングだったかも、そして、それはおばあさんにとってもハプニングだったかもしれませんね。(- -;;
映画レビューの数凄いですね〜!
この映画は、シャラマン監督の中ではまだ分かりやすい作品だったかな?
でも、賛否両論そうな映画でした。
終わりはちょっと拍子抜けかな。
どんでん返しみたいな感じも期待しましたが、ハプニングは終わらないってな感じで終わらせましたね。
私的には、可も無く不可もなくでした。
では、また遊びに来ますので、今後ともよろしくお願いします〜!
いらっしゃいませ、ご来訪ありがとうございます。
変わった映画のレビューが多いかもしれませんが、今後ともよろしくお願いいたします。(^^)
その作品は、賛否両論とはいえ、ほとんどの方が意味不明の部分が多いと言われているようですね。でもB級と思ってみると結構これがまた。(^^;
ハプニングはまたまだこれから本格的に開始されそうですね。
いわば序章に過ぎなかったのかも。(@_@;;
この監督の作品は、いつも尻すぼみなんですよね。
今回も中途半端で、監督らしい作品でしたが、楽しめました♪
ところで、HN白くじらさんって、サイト名を声に出してみると「モビー・ディック」、なんと白鯨でしたか!とても洒落てますね!驚きました。
では、これからもどうぞよろしくです☆
B級としてみると結構極上なんですけど、やっぱり監督には期待が大きいのかもしれませんね。謎が全てそのままで終わっているので中途半端感が大きくなるのかも。
大当たりです。
最初は、映画辞書というイメージにしようかと思ったのですが、英語にすると、あれ、どこかで聞いたことがと。(^^; 昔はこのHNではなかったのですが、このブログ用に白鯨となりました。
こちらこそ、よろしくお願いいたします。
トラックバックもありがとうございました。
私は襲ってくるモノの正体が謎という設定が
すごくいいなぁと思って観てました。
(結局B級好きって事なんですね、笑。)
正体がわからないから、対策のたてようがなく
とてつもない不安に襲われるのだと思います。
実は私、植物説も本当は違うのではないかと思っています。
あんな林の中を逃げても襲われる人とそうでない人がいましたから。
人数説にしても、最初の発生だってベンチに座っている2人組の一人だったし。
(公園内の人間を1グループと判断されたのかもしれませんが。)
とはいえ、じゃあ何が原因なんだ?・・・と聞かれても答えられないのですが。
何が正しいか本当はわかっていないのに、したり顔でそれが正解だと解説するマスコミなどに対する
監督の風刺、皮肉があるのかなと思ってます。
私はビジュアルも含めて、シャマラン監督が好きなので
結構ひいき目でみてしまいます。(笑)
(今回は声の出演だけで寂しかったです。)
TBも送らせてくださ〜い。
B級好きさん、いらっしゃいませ。(^^)
私は植物説が一番すっきりしているのではと思います。
植物(林)の中にあっても物騒なことを考えていなければ教われなかったのでは…そして独りであったとしても、そういうことを考えるとやはり襲われると。そのときに近くにいたら同様におそわれるのでしょう。
結局人数は確率の問題であって、多ければ確率が上がるだけで0にはならないんですよね。
といろいろ言ったところで、実際には監督自体が最終的な原因をこちらに伝えていないのでホントのことは結局わからないんですよね。(^^;
でもそれでいいのではないかと思ったりも…とどのつまり、作品を観終わってこれほど議論ができること自体、面白いですから。
監督の皮肉っていうのはありそう。(^^)
トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせていただきました。
僕も、白くじらさんと同じ説なのでうれしいです。
人数と怒りの確率。これには気づきませんでしたよ。物騒思考仮説を補完する有力な論拠ですね。
とは言え、色々と仮説が考えられるのが、この映画の優れているところで、白黒はっきりつける映画が多い中、ひさしぶりに観終わった後も長く楽しめました。
理系の人間としては、科学教師のエリオットに親近感が湧いたりして。。
奥さんのアルマもラストシーンが可愛かったです。
お久しぶりです。
私も嬉しいです。
この作品は、そろそろ明確な回答がないためにいろいろな憶測が飛び回っているためか、なかなか同じ意見にめぐり合えることがありません。(^^)
でもあれこれ議論ができるのは映画好きとしては楽しいところでもありますね。
私もどちらかと言うと数値人間なので、あれこれ考えるのは好きです。
奥さんはこの旅でずいぶんと変わってしまいましたね(変わりすぎと意見もチラホラ)。でもOK!!
トラックバックありがとうございました。
奥さんのパフェの話、そのまま素直に受け止めてましたよ。なんてうぶな二人だろうと(笑)
まあ、ただのすれ違いだろうが浮気だろうが、あの状況でお互いを信じられたんだから愛し合ってたってことですよね。
>一人娘が家を出てから帰ってこない/死んでしまった。が、それを信じず人形を娘と思って暮らしている
おぉ、それだ!
人形の件はあまり深く考えてませんでした。そういう哀しい過去があったとなれば納得です。あの家族が来なければ生き延びたかもしれないと可哀想に思っていたけど、それで娘に会えたならそれはそれで救いかも。
植物の攻撃の解釈はわたしも同じです。序盤は大人数で危険思想なひとがいてもおかしくないし、襲われていたグループは少人数でも攻撃的な人がいましたもんね。
色んな解釈ができる中、同じ考えの方がいると嬉しいです♪
そうですね。
とにかくその時の気持ちは、お互いを信じていたんでしょうね。(^^)
植物の解釈がおおむねあってそうな感じですね。
私もこういう観終わった後であれこれ考えたり話し合ったりすることができる映画は好きです。2人で観た後話し合えるのは、本当に同じ時間、世界を共有しているんだなぁ、って思ってしまいます。(^^)/
トラックバックありがとうございました。