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1990年メーン州デリー、ある嵐の夜、母親が少し目をはなした間に三輪車に乗っていたローリーが殺害されました。これで続けて6人目の子供が失踪か死亡したことになりました。現場にいた図書館員のマイク(ティム・リイド)は、現場であるはずのない写真を発見。一連の事件が「あいつ」の仕業であることを確信します。
マイクはかつての仲間であり今は各地で成功をおさめている6人、脚本家ビル(ジョナサン・ブランディス)、建築家ベン(ジョン・リッター)、デザイナーベヴァリー[ベヴ](アネット・オトゥール)、過保護なエディー(デニス・クリストファー)、俳優リッチー(ハリー・アンダーソン)、そしてスタン(リチャード・マシュー)に連絡をとり、約束どおり集まるよう伝えるのでした。
1960年、ビル(ジョナサン・ブランディス)たちはまだ学生、いじめっ子のヘンリーにいじめられつつ、一人、また一人と仲間になり、いつしかその人数は7人、『弱虫クラブ』となずけられ、7人集まればヘンリーとも向かい合うことができ、楽しい夏をすごしていたのですが、町はいじめになぜか見てみぬふり、さらに彼らにしか見えないペニーワイズと呼ばれる道化師によって、恐怖のどん底へ叩き込まれるのでした。
彼らは意を決してペニーワイズと戦うべく下水道に乗り込みなんとか奴を倒します。そして再び奴(イット)が現れたとき、また集まることを約束して…。
そして今、その約束のときが訪れたのです。
ビルたちは再びデリーに…しかし、そのときすでに第1の悲劇が起こっていたのです。
スティーヴン・キングのホラーです。
30年前の子供時代に体験した恐怖が再び…というストーリーなので、前半はマイクが連絡をとり、各々が過去を再現しながら話が進みます。なのでほとんどが子供自体、そしてなんとかイットを倒し、復活したら約束をするというところまでが前半。
この部分は、子供たちの出会い、そして各々の恐怖とイットとの関わり、お互いが助け合い信頼しあう部分がとても巧みで、よくできているサスペンスとなっています。
後半はいよいよデリーでイットとの戦いとなるわけですが、子供時代の必死さに比べると大人になった時の方が必死感が少々物足りないような気がします。
みんなで出会うまではまだ良かったのですが、子供たちが連続して殺されているというのに、そして自分たちはその原因を知っているにもかかわらず、のんきに料理を食べているところはどうかと思いますけど…こういうところがあると、この手の作品では緊張の糸が切れてしまって。
イットの恐怖も前半よりもダウンしているような…ヘンリーはもういらなかったような。(^^;
ただ、相変わらず子供時代と今の光景を合わせているところはいい演出です。
そして問題のラストシーンです。
ここでイットの正体が○○だったとなり、ほとんどの人がずっこけてしまうわけですが…実際にホントの正体が○○であったかどうかは微妙で、イットはそのときの相手の恐怖の対象に具現化することができるために、ビルたちの恐怖の対象が○○であったとも考えられるわけです。
とはいうものの、あの時点で○○が出てきたときには、何か違う映画を観ていたのか!?というほどの衝撃であったことには間違いありません。
キングの作品のラストではこういうタイプのものが多くて、その部分を受け入れられるのどうかで作品の評価が決まりそうです。
同じタイプのものとして私が受け入れられたのは「マングラー」「ラングリアーズ」といったところでしょうか。
この作品の最大の恐怖は、子供時代などに観てしまうと高確率でピエロが恐怖の対象になってしまうことでしょう。
私も未だに怖いです。
そんなときには、この言葉を…。
ラッキー7!!
【一言いいたいコーナー】
・ふわふわ…という言葉は、ラストのあの糸で吊り上げられているシーンをさしているのでしょうか。いっぱいぶら下がっていましたしね。
・ペニーワイズは、実在する連続殺人犯であるジョン・ゲイシーからきているとのこと。
・ビルの彼女であるオードラ役がオリヴィア・ハッセーでした。記憶にあるのは「ロミオとジュリエット」「ナイル殺人事件」といったところでしょうか。当時とはかなり変わっていてすぐにはわかりませんでした。(^^;
・実は「水爆と深海の怪物」もタイトルが「IT」なので、レンタル屋さんで、間違ってこれが入っているときもあります。借りるときには中を確認しておきましょう。(@_@)
映画偏り放題(umetramanさん)の「映画『イット』 ・・・ピエロがイットで邪悪な殺人鬼なんだそうです」
こわいものみたさ(とら次郎さん)の「IT」
いやいやえん(makiさん)の「IT」
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お邪魔します^^
なるほど!あのラストはイットがビル達の恐怖の対象に化けていたということですか。たしかにビルはキング自身を投影したキャラなので、キングの大嫌いなアレの姿に化けた・・・みたいな(笑;)。
「水爆と深海の怪物」の原題も「IT」でしたか。これはレンタル屋キラーなタイトルですね(笑)。
同じくピエロを題材にした「キラークラウン」てのがあるのですが、ご覧になりましたか?こちらはピエロでもピロ型宇宙人なのですが(笑)。
TBさせて頂きました♪大丈夫かな??
なるほど、なるほど、キング自体○○が大嫌いなのですね。
といってもほとんどの人がアレは嫌いなような気もしますね。(^^;
「水爆と深海の怪物」は実際に何度か入れ間違っていたことがあって驚きました。せっかくなので入れなおしたこともあったのですが、結局また入れ違っていたり。(- -;
「キラークラウン」は聞いたことはありますが、まだ観たことがないです。
う、宇宙人の話ですか!ピエロで???
トラックバックありがとうございました。
大丈夫でした。
うわ、なつかしー。
実は原作があまりに長いので、途中でギブアップ。(ハードカバー上下)
そしたらビデオがでてたんでみました。笑
子供時代の描き方は良かった気がする。
ラストは忘れてしまったなぁ。
確かにピエロって道化者、心を隠してるようで恐いね。
そうそう、オリヴィア・ハッセー出てました!
原作も結構長いのですね。(@_@)
大人がオタオタとするよりは、子供たちが力を合わせて恐怖に立ち向かうほうが、やっぱり観ていてのめり込んでしまいますね。
ラストは、最終の恐怖の対象のようでした。
なるほど、ピエロって自分自身を隠しておどけていますし、自分自身、心を隠しているという意味では、ピエロの存在は意味深ですね!
オリヴィア・ハッセーは最初わからず、どこかで見たことがけど…?
っていう感じでした。(^^;;; ははは
私もこれはまだ若い頃も観ていますが、やっぱりピエロが怖かったですねぇ。今までのホラーとは一線を画していると思います。
キングモノは普通の人間ではなく実は「なにか」が正体というのが多いですけど、それがしっかり姿を表すところも特徴かも。
オリヴィア・ハッセーには後になってわかりました。(^^;
「IT」はピエロというか、恐怖の対象のことなんだろうとは思いますが、作中はピエロの姿が多かったですね。実際はなんなのかよくわかりません。ラストのも正体ではなく、恐怖なのかもしれませんし。