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2009年03月03日

戦慄!プルトニウム人間

もうこれ以上、大きくなりたくない!!!
1957年(THE AMAZING COLOSSAL MAN)製作国:アメリカ
監督:バート・I・ゴードン原作:
製作:バート・I・ゴードン製作総指揮:
脚本:バート・I・ゴードン、マーク・ハンナ撮影:ジョセフ・バイロック
音楽:アルバート・グラッサー

ストーリー
ネバダ州、デザート・ロック。今ここでプルトニウムの核実験が行われていました。
しかし時間になっても爆発が起こらず、マニング大佐(グレン・ランガン)たちは待機状態に…そのとき、民間のプロペラ機が上空に接近、しかも失速して墜落してしまいます。マニング大佐は部下の手を振り切り、生存者を救うために塹壕の中から飛び出て墜落機へ走っていきました。
爆発が起こったのはまさにその瞬間でした!

奇跡的に生存が確認されたマニング大佐でしたが、被爆し全身に3度の火傷を負いまもなく死ぬだろうと言われるのでしたが、なんということか翌朝には新しい皮膚が形成されているではありませんか。
ほっと一安心の婚約者キャロル…しかし大佐はすぐさま陸軍ネバダ・リハビリセンターへ移されてしまうのでした。
心配になったキャロルは大佐の居場所を突き止め、病室へ入るのでしたが、そこで彼女が見たものは巨大化したかつての婚約者の姿でした。
一日に3メートルは成長している大佐の身体は、心臓だけがその成長に追いつかず身体に負担をかけはじめていました。さらに不安と苛立ちで精神的にも耐えられなくなった彼はついに軍を脱走してしまいます。

一方、医師たちの必死の研究で元に戻せる方法をつきとめたキャロルたちでしたが、大佐はすでにラスベガスに現れ町はパニックと化すのでした。

関連リンクです。
1957年「戦慄!プルトニウム人間
1958年「巨人獣 プルトニウム人間の逆襲

映画レビュー
まぁまぁモノクロ作品です。
巨大化モノの走りとなった作品で、そのアイデアには賞賛を贈るべきでしょう。
原因はプルトニウムの核爆発ですが、核実験に対する警告の意味があるのかというと、あまり突っ込みもありませんし、巨大化の原因に持ってきただけといった感が強いです。それだけでも十分なのかもしれませんが。

巨大化モノで人間というものは珍しく、ほかの小動物たちはなんでもかんでも巨大化しています。小動物とはいえそれぞれ特徴があり、キバ、ツメ、ハネ、糸、唾液など巨大化すれば恐怖の対象となるものがあるのですが、人間に至っては武器というものがあまりありません。しいて言えば知恵なのかもしれませんが、マニング大佐の頭は精神的に疲れているのかもういっちゃってます。(@_@) なんでもできる手は万能ですが、破壊面にはあまり使えません。さらに分厚い体毛があるわけでもなく、銃を撃たれると痛い、実は巨人になっても弱かったりするんですよね。(^^;
こういうところからあまり人間を巨大化するような作品はないのかもしれません。

この作品では巨人が大暴れするのを楽しむようなものではなく、実験の被害者となり自分の姿に苦悩するマニング大佐、そして彼がどんな姿になろうとも心配してやまない婚約者キャロルの人間ドラマなのかも知れません。
軍も問題があれば大佐を殺そうとしていましたが、少しでも可能性があればそちらを優先していて、いまどきの作品でよく出てくる頭の固い人はいません。まずはなんとかして助けようとしていたようです。それだけに自暴自棄になっていく大佐が悲しすぎる。この苦悩は巨大化した人でなければ判らないでしょうね。

特撮のなどは今の技術から見るとトンデモ…ですが、いろいろと細かいところにもこだわっていて、少しずつ成長するにしたがって周囲の本や電話、椅子などの大きさも変えていったようです。豆粒のようになった本を一生懸命めくっているところは必見!?(^^;

当時は巨大な人間が闊歩するだけでも十分驚いたため、後に続編「巨人獣 プルトニウム人間の逆襲」が作られています。

【一言いいたいコーナー】
・巨人モノとしては「ミクロキッズ2 ジャイアントベビー」があります。コメディですが、これまたラスベガスが舞台になっていて、今考えるとオマージュだったのでしょうか。このほかといえばTVドラマで「巨人の惑星」という作品もありました。これは主人公たち以外はみなさん大きいです。
・「巨人の星」はちょっと違いますねぇ。
Number524・1970年に漫画「巨人獣 -ザ・パラノイド-」という作品もあります。昔読んだこともありましたがなんだか悲惨だったような気がします。ちょっと調べてみましたが、かなり後味の悪いラストだったとか。
ラベル:映画 モンスター
posted by 白くじら at 18:37| Comment(2) | TrackBack(0) | モンスター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは!

こういう昔のSF映画って、よく昼過ぎのテレビで流れてましたね。
でも、これは観たことがないです。文献から作品の存在は知ってましたが、なかなかチャンスに恵まれなかったようです(笑;)。
核による巨大化は「ゴジラ」とどっちが先なんでしょう?当時は放射能が何でも生み出すみたいな扱われ方していて、今では考えられない時代でしたね。やっぱ核戦争への恐れがあったのかな。

そういえば、女性が巨大化する作品もありましたね。ジャイアントウーマンだったかな。これのダリル・ハンナ主演のリメイク作品がDVDで売ってたのですが、500円でした。しまった!買っとけばよかった!!(笑)
Posted by umetraman at 2009年03月03日 21:24
こんばんは、umetramanさん。

こういう昔の作品にコメントがあると嬉しくなります。(^^)
そうなんです、昔はいろいろとSF作品が放送されていたのですが、最近はもう昔の作品など流してくれないようで残念です。よく夜中にも「シネマ大好き」っていうコーナーで懐かしの…とか特集をしていたり、あったらまた撮り貯めしておくのに。

「ゴジラ」は1954年ですからコジラの方が前ですね。
ただそのさらに1年前に「原子怪獣現わる」という恐竜が核実験で蘇る作品が作られていて「ゴジラ」はこの作品を参考に…という話があります。
この時代には恐竜だけでなく蟻やバッタなども巨大化したりして、核戦争への警告/反省が盛り込まれていたようですね。
やはり映画はその時代を反映しているものなんですねぇ。

おお、女性の巨大化の作品も最近レンタル屋かWEBで観ましたね。
一度観ておかなければ!(^^)
Posted by 白くじら at 2009年03月03日 22:56
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