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韓国…幼いころ両親を亡くし、兄とも生き別れになってしまったタツジは、どこをどうさまよったのか日本で韓老人に拾われ、娘とともに家族のように育てられました。
成長したタツジ(松田龍平)は、ほのかに恋心を寄せる娘のヨリ(山田優)と共に、白肉(ホルモン)の店「プルコギ」を営んでいました。
伝説の焼き技術を持つ韓老人(田村高廣)の元には、その腕に挑戦する焼肉名人たちが押しかけてきます。そんな戦いを見、自分の焼き技術を見直し修行をつづけるタツジ…しかしまだまだ焼きの道と遠く果てしがない…そして時間があれば生き別れた兄を探していました。
一方、世間では「ヤキニクバトルロワイヤル」というテレビ番組が大ヒット中。赤肉(カルピなど高級部位)で勝ち続けるのは、焼肉チェーン店「トラ王」の御曹司トラオ(ARATA)でした。しかし「トラ王」は番組で勝つだけでは物足りず、各地の焼肉店を武力で奪い始めていました。
そんな中、唯一売り上げの伸びない北九州地区…そこにこそ「プルコギ」があったのです。「プルコギ」に訪れたトラオは、なぜかケンニップの味に驚き「ヤキニクバトルロワイヤル」に出ないかと韓老人を誘うのでしたが…。


当初、ありえねぇーみたいな焼肉バトルを想像していたのですが、まったく違いました。
「ヤキニクバトルロワイヤル」というバトルはあるのですが、まじめで…実はかなり地味。確かに料理自体にハデさを求めるのもどうかとも思いますが、静かな戦いでしたね。そのためか、無意味にあおる司会(竹内力)やレポーター(前田愛)が浮きまくりです。
そもそも作っているときはともかく、料理の説明のときくらい笑って欲しいものです。この二人…本当に食べて欲しいのか、楽しさというものがまったく感じられません。これは実は全編を通してで、せめて片方だけでも熱血か普通でも良かったのですが、2人とも寡黙(ただしその理由はかなり異なる)で…盛り上がりに欠けてしまいます。
そんなやる気の感じられないタツジを救い上げているのがヨリ。彼女の明るさと、彼を包み込むように感じられる愛情にはほっとします。
しかし…こんな調子だったためか、ラストのシーンは今までのわだかまりもなく、いい感じになっていると「思って」しまいました。(^^;
【一言いいたいコーナー】
・焼肉の映画なのに、美味しそうに感じるのは高級食材の「肉料理」。もっと焼肉の美味しそうなシーンを出して欲しかったです。これでは映画を観終わって焼肉屋さんに飛び込むのは難しそうです。
・柿の隠し味は料理だけでなく、店、そして兄弟の絆にも使われていたようで、ちょっと良かったです。でも…ちょっと吊るしすぎのような気も。
・料理に対して厳しいところを見せたかったのかもしれませんが、かなり食べ物を粗末にするシーンが多かったですね。
・達人韓老人を演じられていた田村高廣さんは、この作品が遺作となったそうです。合掌。

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