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1940年代…度重なる覆面犯罪に同様に仮面をかぶった(例外あり)8人の自警団が結成、その名を『ミニッツメン』といいました。彼らは犯罪者と戦い撲滅していきましたが、やがて報復にあい倒れたり、事故で死んだり、病院に入れられ…いつしか消えていきました。
そして彼らの後継としてあわられたのが、実際に超能力を持つDr.マンハッタンを始めとする6人で構成されたヒーロー組織『ウォッチメン』。しかし情け容赦のないメンバーコメディアンの事件もあったのか、大統領ニクソンは仮面自警団を禁止するキーン条例によって、ヒーロー活動を禁止してしまうのでした。
最初の自警団結成から40年以上も時が…。
いまだ政府の工作員をして働いていたコメディアン(ジェフリー・ディーン・モーガン)は、何者かの攻撃を受けました。その身体能力はコメディアンのそれを遥かに上回り、彼は殴られた挙句ビルから落下して死んでしまうのでした。
『ウォッチメン』の中で唯一仮面をとらず、非合法に行動していたロールシャッハ(ジャッキー・アール・ヘイリー)はこの事件を何者かのヒーロー狩りではないかと考え、かつての仲間であるDr.マンハッタンことジョン(ビリー・クラダップ)、ミス・ジュピターのローリー(マリン・アッカーマン)、ナイトオウルのダニエル(パトリック・ウィルソン)、オジマンディアスのヴェイト(マシュー・グッド)に警告しますが、仕事、そして性格柄、敵の多かったコメディアンにそれほど真剣に動くようなことはありませんでした。
しかし、一人で調査を続けていたロールシャッハは、昔の宿敵であったモーロック殺人の濡れ衣をかけられてしまいます。かつて自分が捕らえた凶悪犯たちのいる刑務所に投獄されたロールシャッハに、ついにダニエル、ローリーたちが動き出すのでしたが…。
そんな中、世界情勢はさらに悪化の一歩をたどり、ついに核戦争が目前に迫っていたのです。


予備知識なく観ましたが、ほかのヒーローモノのように明るいと思っていたら、まったく違っていました。それはプロローグのコメディアン殺害後のオープニングに、ヒーロー組織の結成から崩壊、そして『ウォッチメン』の再結成までに流れる時代背景が全てを物語っていたのかも。
固有名詞が同じなので地球の話かと思っていたのですが、どうやら似通った世界での話でした。とはいえほとんど同じような気もしますが、当時の社会風刺の取り入れ、ヒーローのありようを、そしてヒーローとはいえ個人の人間、人間であるが故の苦しみや悲しみ、そして喜びがリアルに描かれています(彼らの昔話は本当に物悲しい)。仲間をレイプしようとするコメディアンの行動、そしてその後の結果などまさにその代表格かも。
そして『ウオッチメン』が目指す最終目標「平和」とは…。
こういう結末は、かの手塚治虫氏の作品1965年「W3(ワンダースリー)」でも同じ手法が取られていましたが、そうでもしなければ世界平和が実現しないというのは、あまりにも悲しい。しかも1965年、そして1985年…文明は成長しつつも結論が同じとは…やはり人間は業の深い生き物なのかもしれない。
「俺は妥協はしたくない!」と言う言葉が印象的。
【一言いいたいコーナー】
・この世界にあってDrマンハッタンはあまりにも特異、それが合うか合わないかは感性の問題でしょうけど。
・ロールシャッハの仮面の模様はいったいどうなっていたのでしょうか。彼の心情をそのまま表しているかのようでした。
・全編をロールシャッハの手記を通して語られる以上、想像できたオチですが、その前の「平和」からの一連の流れに驚いてしまいすっかり忘れていました。(^^;


ORGANIC STONE(ptdさん)の「最高のプラクティカル・ジョーク:ウオッチメン(2009)」
Movie☆Diary(こまさん)の「ウォッチメン」
旧作をねらえ!in TSUTAYA【わさぴょんの映画鑑賞日記】(わさぴょんさん)の「「ウォッチメン」・・・81点」
子育て 時々 映画(マミイさん)の「真実は知らせるべきか」
【関連する記事】
この映画は名作でした。
後味は悪いですね。
でも見終わってすぐは「ひどい映画を見てしまった」と。
誘った友人に「ごめんね〜こんな映画に誘って」と謝るくらいで。
でも、しばらくすると、いい映画だと思うようになりました。
ロールシャッハが本当にかっこいいですよね。
2回目は見たくないなあ・・
TBさせていただきます!
確かに後味はかなり悪いのですが、後からいろいろと考えさせられる味のある作品ではないかと思いました。
自分の信念を貫き通したロールシャッハは格好良かったですね。
孤高の存在です。
ふふ、仰るとおり、2回目はちょっと疲れるかもしれませんね。
トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせていただきます。
痛快な作品でした。
スーパーヒーローたちのヒューマン描写が素晴らしかったなぁ。
欲情して犯そうとしたり、支配欲や暴力に酔って、自分勝手に堕落している辺りが人間的すぎて素晴らしかったです。
ザック・スナイダー監督ならではの気合のバイオレンスが、センス光っていてナイスでした。
今年最高傑作の一本です。
僕の中では、『グラン・トリノ』『トランスフォーマー・リベンジ』と並んでますね。
お久しぶりです。
私も作品自体は好きになったのですが、ラストのロールシャッハの件はやはりやるせないものを感じてしまいました。ただその後の手記の扱いでかなりやわらげられたのも事実です。
ヒーローたちも人間臭く、オールマイティでないところがとてもいいですね。
バイオレンスも凄かったです。
『グラン・トリノ』『トランスフォーマー・リベンジ』ふむふむ、こちらも観てみないと!
ちょっとずれているけれど、私たちの知識でそのずれ具合がちゃんと理解できる程度のずれなところがなかなか上手いですよね。
映像的にも優れていたし、多少の説明不足も『ふくみ』に感じられてしまうぐらい、語りもよかったです。
気合い入れてつくったということですよね。
本当ですねぇ、私は最初はヒーローはいるけど普通にリアルな世界かと思っていました。(^^; 次第になんだかおかしいぞって感じですが、ある程度理解できるところがミソなんでしょうね。
なんとも考えさせられる作品で、単に正義を守っているだけのヒーローモノより遥かによかったと思います。
この世界は、似てるようで実は違う、『ライラの冒険』みたいなパラレルワールドでのお話。
ロールシャッハの信念は間違ってないと思うけど、
もし妥協してたら、とか、手記が闇に葬られてたら、とか、終わってから色々考えた・・・。
それで訪れる平和。それはメデタシメデタシか?
逆に、あのラストの示唆する「平和を壊す行為」→戦争勃発。それはメデタシメデタシなのか?
その戦争をうまく回避するのが一番いいんでしょうね。難しいけど。
と書いてて、「時計じかけのオレンジ」を思い出しちゃいました☆
そうですね。万人には受けないでしょうけど、私には合っていたようです。
ロールシャッハの信念には敬服しますね。本来はこちらでのハッピーエンドが今までのヒーローモノの流れでしたが逆に…こういう結末にしなければならなかったほど人類は病んでいるのかと。しかし一縷の望みは手記にあったのかもしれません。一度平和を壊してなお、本当の平和を目指す…難しいですけど。
「時計じかけのオレンジ」も恐かった思いがありますね。
もうかなり昔に観たので細部を覚えていないです。(>_<)
「アンダーワールド」よりも更に暗く複雑なお話でした。
しかも、長かったし・・・160分越えはキツかったです(>_<)
私はロールシャッハの行動にイラついてしまったんです。
(まあ、アレが最速で最大限に結果が出ると信じての行動なのでしょうが。)
私たちっていつも、何かが起こってから
裏にある真実を知る事が多いじゃないですか。
(現在の原発問題にしてもそうです。)
なぜにもっと早く知らしめてくれないのか・・・と。
観終わった後にあれこれと考えさせられる映画でしたね。
頭が疲れてしまうので、当分観たくないです^^;
一応ヒーローモノで一瞬「Mr.インクレディブル」?とか思ったのですが、はるかに暗かったです。(^^;
人間、悪いことは言いたがらないんですよね。
で最後の最後に暴露された時にはもうどうにもならない状態だったりして…ヒーローで一番怖いのは自分が正義だと信じて行動してしまう人間ですね。
終わった後でアレコレ考えられる映画は好きですが、いかんせん暗く、あまりにも人間臭い作品でした。
トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせていただきました。