|
1800年代…7人の吸血鬼を祀る由緒ある(えっ、由緒!?)寺の住職カーは、7人が永い眠りに付き村人たちが寺に見向きもしなくなったため、トラシルバニアで糞印されていた吸血鬼の王ドラキュラ伯爵に救いを求めました。
しかしもとより人間の頼みなど聞かないドラキュラ伯爵(ジョン・フォーブス・ロバートソン)は、逆にカーの肉体をわがものとしそのまま7人の吸血鬼が眠るという地に行くのでした。
そして現代。
重慶の大学にある古文書を読むために、大学で講義をしていた人類学教授のヴァン・ヘルゼン≪ヘルシング≫(ピーター・カッシング)は数十年前の7人の吸血鬼伝説の話をし、実際にこの伝説が真実であることを力説しますが、誰も真剣には取り合ってくれません。
しかし、その中で唯一教授の言葉を一字一句聞き逃さないように見ていた青年がいました。彼は深夜、教授のもとを尋ね、自分が伝説に登場する吸血鬼の1人を倒したという農夫シ・テェエネンを祖父とする、シ・チェン(デビッド・チャン)であることを話し、その証拠に黄金のコウモリの装飾品を見せるのでした。
チェンの村ピン・クエインは今でも残った吸血鬼たちの脅威にさらされており、助けて欲しいというのです。
時を同じくしてヘルゼンの息子であるレイランド(R・スチュワート)は、会席で知り合ったスェーデンの金持ち娘ベネッサ(ジュリー・エーゲ)を送る途中、この町の顔役に目を付けられ、襲われたところをチェンの兄弟に救われていました。
ピン・クエインまでの旅費は旅に同行するという条件でベネッサが受け持ちました。女性に…と渋い顔の教授でしたが、彼女の一度言い出したら聞かない性格と、チェンの私たちが守りますという言葉にしぶしぶ了承するのでした。
こうして、ヘルゼン教授、その息子のレイランド、ベネッサ、そしてチェンたち7人の兄妹たちはピン・クエインへと旅立つのでした。
チェンの言葉通り、待ち外れて襲い掛かってきたならず者を、圧倒的な武術で退ける7人のドラゴンたち。しかし、6人の吸血鬼たちは、ならず者たちなど比べようのない強敵だったのです!
この映画はハマー・プロが香港のショー・ブラザーズとが合作で作った最後(らしい)のドラキュラ映画です。
ヴァンパイアとカンフーを融合させたものとしては「ツインズ・エフェクト」が傑作でしたが、この作品もなかなかどうして古いながら楽しめます。また日本向けにはDVD化はされておらず、私もTV放送を録画したものしか持っていません。カットもされているのかもしれません。
ストーリー的には「七人の侍」にも似ていて、凄腕拳法7兄妹(素手、コンビの剣、短剣、弓、斧、とげ棍棒)が活躍するのですが、雇われてではなく、元々その村の出身だったりするんですけどね。(^^)
そこに加わるのがドラキュラと何度か戦った(出合った)というヴァン・ヘルゼンです。教授役はやっぱりピーター・カッシングが演じるのが一番似合っています。これでドラキュラがクリストファー・リーならもう言うことはないのですが、残念ながらリーはこのハマー作品の前作である「新ドラキュラ・悪魔の儀式」を最後にドラキュラ約を引退されていたようです。
元々はドラキュラは登場せず、教授が7兄妹と力を合わせて吸血鬼たちを退治する話しだったそうですが、香港サイドからドラキュラも出して欲しいと要望され、急遽絡むことになったそうです。おかけで、最初と最後にドラキュラがいたりするのですが、明らかな付けたし風です。そもそも設定的には蘇ってから100年間中国の吸血鬼たちの地に行っていたはずなのに、教授が何度も出会っているといっていたり。(- -;
あとは教授の息子、これは当時の作品群の中でも珍しい設定でしたね。最後の1人がお金持ちで好奇心旺盛というお嬢様です。兄妹以外の3人は基本的には戦闘には不向きで、兄妹たちが守るはずなのですが…なにしろ戦闘好きの兄妹です。戦いに入ると没頭してよわよわ教授たちがピンチでも知らぬ顔。金持ち娘は馬を任せても逃がすわ、最後には吸血鬼と化して襲ってるわ、なんともはや。
でもお約束が多くってなんだか好きですね。
特撮や効果、カンフーの殺陣、テンポのよい流れなどは当時としてはいい感じだと思います。いろいろと問題は多い作品ですが(^^)観る機会があれば、ぜひ観ていただきたい一品です。
【一言いいたいコーナー】
・お嬢様のお陰で資金が手に入って馬も買ったはずなのに数頭、歩いて行くのか!と思った矢先に町外れの戦いで逃がしてしまうという。ええぃ、歩け、歩け!!
・あれ、ドラキュラは?というほど出番のない方。最後にふっふっふっと出てきましたが教授が…本当に吸血鬼を支配する闇の王なのでしょうか。(^^)
・数多くのドラキュラ作品を世に送り出してきたハマー・プロでしたが、その作品のしばらく後、その活動を静かに停止するのでした。
【関連する記事】
この映画、TVオンエアで観た記憶あります。
ただ、ビデオ・テープに録ったかどうか…。DVDになっていない作品は、今や観る術がないですよね。
『霊幻道士』もDVDになってないですもんね。(TVシリーズはなってるのに…)LDで先日観ましたが、今見ても面白かったですよ。
そうですね。DVDにして欲しい作品は結構多くあってDVD化されるまではTVの再放送を待つしか方法がありませんが、昔観た作品ってあまり再放送されなくなっていますよね。残念なことです。
「霊幻道士」も観たいですねぇ。
ビデオなら出ているんですが、これも置いているところはほとんどなくなってしまいました。
先日はご訪問ありがとうございました。
実は「はじめまして」ではないとのことで恐縮です。
さて、いきなりこの映画の記事があるとはとても懐かしい思いです。私もテレビで放映されたものしか見ていませんし、遥か昔なので記憶もまばらですが、もしかして女吸血鬼と恋仲?にある男性が共に串刺しになって果てるというシーンありましたでしょうか?勘違いしてるかもしれませんが・・・。
こういう昔懐かしい映画って意外と見直したいものですね〜。なんだか嬉しい気分になりましたよ。
さてさて、誠にすまないことに遅れて訪問させていただきましたが、楽しい映画ブログを開かれているようですね。私はここ1〜2年は帰宅後に育児や家事を手伝うようになって以前のように時間がなく、今のところ週一回の更新(完全に自己満足)のほかは、白くじらさんのように訪問をしていただいた方がいないとこちらから出向く事もなく・・・という状態になっております。
こんなんでもよろしければ、また遊びにいらして下さいませ!今後もよろしくお願いいたします!
コチラでは初めまして。
この作品に反応されるとは!
串刺しシーンはあります。チェンと金髪娘が恋仲のような感じになるのですが、最終決戦のときに金髪娘は噛まれてしまい、割と早いのですが吸血鬼化しチェンに噛み付くのです。で、助からないことを悟ったチェンはそのまま自ら串刺しに…と。
昔の作品は観たいものが多いのですが、DVD化されていないものが多いのが悲しいところですね。
私も週末の更新することが多いので、似たようなものかと思います。(^^;
今後ともよろしくお願いいたします。
やっぱり!串刺しはあったか!やはりあの映画か〜。吸血鬼とカンフーという組み合わせが当時すごく新鮮で(ガキだったくせに)、これはなかなか好きになった映画でした。
東洋(香港)だとカンフーになっちゃうんでしょうかね(笑)拳でやりあうというのがある意味衝撃だったんです。同じようにエイリアン2では、あいつら相手に機関銃の弾を食らわすってやつで、こちらも「おー!エイリアンに鉛弾が効くのか!」と衝撃を受けたもんです(笑)考えてみると、これは実にアメリカらしい発想かも。もしエイリアンを香港でやったら、カンフーで戦ってくれるかもしれないと思うと、なんだか面白くなってしまいました(爆)
こちらにもありがとうございます。
確かに吸血鬼とカンフの組み合わせは当時画期的だったと思います。
吸血鬼たちはほとんどゾンビ状態でしたけどね。(^^;
カンフーって何でも相手にできそうな気がしますし、エイリアンが香港に出現してカンフーだ戦うのって観てみたいですね。
手刀でエイリアンの腹を貫いたときには…とんでもないことになりそうです。
誰か作ってくれないかな。(^^)