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メキシコ…沼地に囲まれたホローマウンテンは中が空洞であり、中には太古の生物が生きているという伝説がありました。
ホローマウンテンは『魔の山』と呼ばれ、今でも近在の人から恐れられていました。
アメリカからやってきて牧場を営んでいるジミー(ガイ・マジソン)とフェリペ(カルロス・ライバス)は3度にわたって牛を盗まれ、雇われ男と共に『魔の山』へ捜索に来ていました。一頭の牛が沼地に沈んでいるのを見たジミーは、町の実力者であるエンリケが牛泥棒をごまかすためにしたのではないかと疑います。
エンリケを雇っているドン・ペドロ(ジュリオ・ヴィラリイル)と話すために町に来たジミーは、暴れ馬に引きづられるパンチョ(マリオ・ノバロ)を助けます。ペドロの雇い人の一人であるパンチョは妻を亡くし、自棄酒を浴びる毎日でした。この事件をきっかけに、残された小さなパンチート(パスカル・ガルシア・ペナ)を心配していたペドロの娘サリタ(パトリシア・メジナ)とジミーは知り合うようになりますが、このことは2週間後にサリタと結婚する予定のエンリケをさらにいらだたせる結果となるのでした。
そんな中、ジミーに助けられた恩を返そうとパンチョは、いなくなった牛を探すために『魔の山』へ入り込むのでしたが…そこで彼を待っていたのは!
すでに死に絶えたはずの恐竜アロサウルスと、カウボーイの戦いを描いた、ちょっと変り種の作品です。同じ系列としては「恐竜グワンジ」がありますが、こちらは特撮をレイ・ハリーハウゼンが担当し、さすがの出来。年代もかなり違いますしやはり一日の長があるようです。
とはいえ、この作品でも、ストップモーションだけに限らず、パペットなども多用して当時としては結構頑張っていたのではないかと思います。
ドラマ的にも牛泥棒たちの動き、ジミーとサリタとのラブストーリーなどが盛り込まれていますが、とにかくジミーが保守的なタイプの人らしく、こういう作品では珍しいんですよね。もっと積極的に行動して欲しかったです。でも…アロサウルスのお陰で、なんだかハッピーエンドみたいになるのは逆に苦笑するしかないかも。
結局、もっとも行動的だったのは小さなパンチートだったかもしれません。(^^)
アロサウルスが実際に登場するのは後半、出てからは出ずっぱりですが、もっと早く少しでもいいので姿が現れていたらもっと楽しくなっていたのではないかと思います。
でも、昔から好きな作品の一つです。
【一言いいたいコーナー】
・TVでは「原始怪獣ドラゴン」というタイトルで放送されたこともあります。というか、私が持っているのがこのタイトルで放送されたものです。残念ながらTV枠のためにあちこちカットされているので、ジミーがいつの間にかエンリコたちに殴られていたり、馬でジミーたちのところに向かったエンリコが、気がついたら落馬してアロサウルスに襲われたりと、かなり酷いありさまです。もう少しカットする場所を考えて欲しかったです。
・そういえば作中アロサウルスをドラゴドンと呼ぶシーンなんてなかったような(もちろんドラゴンも)。どうしてこんな名前になったんでしょうねぇ。
・恐竜が全力疾走するようなシーンは、この作品が初めてで37年後の「ジュラシック・パーク」までお目にかかることはありませんでした。
・オブライエンは原作を手がけただけで、それをナッソー兄弟買取り映画化。したがって特撮に関しては、ジャック・ラヴィンとルイス・デ・ウィットたちが行っています。
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