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1990年、夏…ブルックリン・シガーショップを営むオーギー(ハーヴェイ・カイテル)は、ある出来事がきっかけから毎朝8時に同じ街角の写真を撮ることを日課としていました。それはもう4000枚にも達していました。
一方、シガーショップの常連である作家のポール・ベンジャミン(ウィリアム・ハート)は、数年前に銀行強盗の流れ弾で妻を亡くしたことがきっかけで、執筆が進まない状態が続いていました。そんな彼がぼーと車道に出たときに助けてくれたのが、まだ16才の黒人少年ラシード(ハロルド・ペリノー・Jr)でした。ポールをそのお礼に、ラシードを2日ほど自宅に泊めてやることにするのでした。ラシードは2日泊り、約束どおりに出て行くのでしたが、彼はポールの本棚にあるものを隠していたのです。さらに、後日ポールの元に訪れた女性から、彼が偽名を使っていたことを知るポール…ラシードはいったい何者なのだろうか。
そして次にラシードが姿を現したのは、寂れた自動車工場を営むサイラス(フォレスト・ウィテカー)の元でした。数奇な運命を経て、今、何人もの人生が絡み合おうとしていました。


選ばれたのは「RELAX TIME 」の「ユウ太」さんです。
今回はヒューマンドラマです。
最後に収録されている『オーギー・レンのクリスマス・ストーリー』を書いた作家ポール・オースターが、映画化に際して脚本を担当しています。奇しくも作中の作家であるポール・ベンジャミンが同じ『ポール』であるのは偶然ではないでしょう。
まるで、今日も、明日も、明後日も同じペースで時が流れているようです。
しかし、それは自分自身社会人となっている今でも、毎日、仕事に出て、帰って食事して寝る…その繰り返し…これでいいのだろうかと思ってしまいますが、決して同じではなく少しずつでも目標に向かっていると思いたいですね。
オーギーが撮っている4000枚の写真…それは同じ作業、いつも同じ風景でありながら、その「時」を撮り止めておりポールがふとある写真の場所で手を止める。それを見守っているオーギーの表情がとてもいいです。
さて、この作品ではそんな日常に小石が投げ入れられ、波紋が広がっていきます。その小石がラシードであり、元妻ルビーであったりし、波紋はお互いに干渉しあっていきます。この干渉がまるで推理ドラマを観ているかのように、うまく絡み合ってラストに向けて昇華されていくところがいいですね。
日常ドラマなのに目が放せない!そんな作品でした。
あのヤクザっぽい人たちのことたちも、この時代のこの区域では日常的なことなんだろうな。と思ってしまいました。
みんな限られた場所で、精一杯に生きているんだ!
ユウ太さん、紹介していただきありがとうございました。
【一言いいたいコーナー】
・この作品では非常にタバコを吸うシーンがあります。そもそも物語の中心である場所がシガーショップであるということもその要因でもありますが、それは別に、タバコを吸うことによって、その時の気分(いらいらしているとき、不安を紛らわせようとするとき、のんびりしているとき、安堵感で一服)を落ち着かせるために役に立っているようです。
いうなればオーギーは安らぎを売っているのかもしれませんね。私はタバコは吸いませんし、あの匂いも嫌いなのですが、この作品ではタバコそのものに嫌悪感を抱くようなこともありませんでした。それはホントにこの作品に登場している人たちにとって役に立っていたからなんでしょうね。

・最後に一言、この映画、語りがうまい!んですよ。(^^)
特にラストのオーギーの語りがよかったですね。自分の脳裏に光景が浮かび上がるほどでした(なので実はラストのモノクロシーンは少し微妙…でもあのおばあちゃんがオーギーの優しさに触れたと判るシーンの複雑な表情は絶妙でした)。

映画鑑賞の記録(miriさん)の「2−558 スモーク」
RELAX TIME(ユウ太さん)の「スモ−ク (再見)」
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【関連する記事】
レビューを有難う〜!
>この干渉がまるで推理ドラマを観ているかのように、うまく絡み合ってラストに向けて昇華されていくところがいいですね。
>日常ドラマなのに目が放せない!そんな作品でした。
ラストに向けて昇華されてゆく・・・仰るとおりだと思います。
温かい作品でしたね・・・私も最後まで見たいと思います。
記録の記事にリンクさせていただきますね〜!
他の方の記事も良かったら読んで差し上げてくださいネ〜!
(コメントはしんどかったら無理しないでね!)
4月は現役高校生の茶栗鼠君が選んでくれます。(茶栗鼠の映画評論)
またご連絡させてもらいますので、良かったらまたご一緒に楽しみましょうね〜!
>私はタバコは吸いませんし、あの匂いも嫌いなのですが、この作品ではタバコそのものに嫌悪感を抱くようなこともありませんでした。
わたしも同じで、いつもの嫌悪感は湧いてきませんでした。タバコ(スモーク)は象徴で、そこに描かれていたのはひととひととのつながりでしたしね。
紫煙をくゆらせながらの彼らの会話には、なんとなく引きこまれてしまいます。
この作品を観てタバコに興味を抱くひともいるみたいで、それはどうかと思いましたが・・・。
日常ドラマ系はあまり観賞してなかったのですが、これはなんだか引き込まれてしまいましたね。
日常とはいえ、いろいろな事件が起こっていて、それが見事に繋がっていくさまは観ていて面白かったです。
DVD不良で最後まで観れなかったのですね。(T T) そういうの、たまにありますけど、交換してくれるところがほとんどでした。なかったときには無料券とか(この場合はSMOKEは観れないですけど)。
次もまた楽しみですね。
よろしくお願いいたします。
同じですね。
タバコはどうも好きになれないですが…ただ、この作品の場合、そういう嫌悪感はなく、彼らの吸いっぷりになんだか安堵感のようなものを感じました。
タバコを吸う事によって、いっそう信頼感のようなものも生まれていたようですし、のんびりの楽しめる作品になっていたように思えます。(^^)
自分の所にご訪問とコメントを頂きましてありがとうございました。
少し前より、こちらのブログ様を拝見しておりましたがとても素敵だなぁと感じております。
そして今回、ご一緒する事ができてとても嬉しく思います。(^^)
白くじらさんのレビュ−も何だか温かい感じで、とても分かりやすく丁寧な記事ですね!
>この作品ではそんな日常に小石が投げ入れられ、波紋が広がっていきます。その小石がラシードであり、元妻ルビーであったりし、波紋はお互いに干渉しあっていきます。この干渉がまるで推理ドラマを観ているかのように、うまく絡み合ってラストに向けて昇華されていくところがいいですね。
まさにその通りですね!あのラストに向かって一つ一つのエピソ−ドが皆リンクしていって昇華してゆく。そうしたスト−リ−に引き込まれ後から後からと、ジワジワ心に染みてくるといった映画だったと思います。
>みんな限られた場所で、精一杯に生きているんだ!
そんな事を思わせてくれる映画ですよね!ですから疲れてしまった時や凹んだ時にまた観たくなってしまうのでしょうね。自分も忘れられない心に残った映画です。(^^)
ご一緒に鑑賞して頂きまして本当にありがとうございました。
自分もTBさせて頂きたいと思いますが上手く飛ばない事が圧倒的に多いので上手く行かなかったら大変申し訳ありません。
宜しくお願い致します。
また是非、ご一緒したいと思います。今後も宜しくどうぞ、お願い致しますね!(^^)
またお邪魔します。(^^)
はじめまして、こちらこそ、ご訪問ありがとうございました。
同じ時期に同じ映画を楽しめるのは、映画ファンとしてとても素敵なことですね。
今回の作品は、いろいろなストーリーが語られ、あるいは進んでいましたが、まるで推理小説のように最後に証約されているところがとてもよかったですね。
もちろん登場人物たちが、とてもあったかいところも泣かされます。基本的に静かな雰囲気でしたが、とても引き込まれました。
トラックバックは大丈夫でしたよ。
こちらからもよく失敗しているようで、とくにlivedoorがほとんどダメです。ただfcの場合だと99%近く成功しているのでなんだか嬉しいです。(^^)
では、またよろしくお願いいたします。