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2010年05月15日

ウルフマン

今宵は満月、そして世界は血に染まる。
ウルフマン ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray]
2010年(THE WOLFMAN)製作国:アメリカ
監督:ジョー・ジョンストン原作:
製作:スコット・ステューバー、ベニチオ・デル・トロ、リック・ヨーン、ショーン・ダニエル製作総指揮:ビル・カラッロ、ジョナサン・モーン、ライアン、カヴァノー
脚本:アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー、デヴィット・セルフ撮影:シェリー・ジョンソン
音楽:ダニー・エルフマンamazon.co.jpで詳細を見る。

ストーリー

1891年、英国ブラック・ムーア。
舞台俳優のローレンス(ベニチオ・デル・トロ)は、兄ベンが行方不明になったという知らせに、25年ぶりにタルボット城へ帰ってきました。彼を迎えたのは、父ジョン(アンソニー・ホプキンス)と手紙を書いたベンの婚約者グエン(エミリー・ブラント)、そして無残に引き裂かれたベンの姿でした。
ベンの遺品のメダルから、流浪民キャンプへ訪れたローレンス。時は満月、突如襲ってきた凶悪な獣に流浪民は倒され、銃を手に獣と相対した彼もまた瀕死の重傷を負ってしまいます。流浪民のマレーバ(ジェラルディン・チャップリン)の手当てよってかろうじて命をつなぎとめたローレンスでしたが、次の日にはもう立てることができ、驚異的な回復力で傷跡すら消えてしまいそうでした。
ロンドンからやってきたアバライン警部(ヒューゴ・ウィーヴィング)も調査をはじめ、村はますます疑心暗鬼の様相を現し始めていました。
傷が直るにつれ悪夢にさいなまれ、グエンの白い肌に欲望を感じ始めたとき、ローレンスは自分が何か恐ろしいものに変貌しつつあることに気付きます。そして…ついに満月の日、彼は狼男へと変貌し、獣退治に出ていた村人たちを惨殺してしまうのでした。
次の日の朝、自分自身に恐れおののき血だるまとなったローレンスを、父ジョンは村人の手に引き渡してしまいます。「もっと強くならねばならない」という言葉を残して…。

ロンドンへ護送されたローレンスは幼少の頃に入っていた精神病棟へ幽閉され、徹底的な精神治療を行われます。そんな彼の前に姿を現す父ジョン…ついにローレンスは子供の頃からの悪夢の中に真実を見てしまいます。そして…次の満月の日が訪れました。

映画レビュー

ちょっとオススメ1941年「狼男」から実に69年ぶりのリメイク版ですが、あまりにも古くほとんどあらすじを忘れていますし、独自のアンソニー・ホプキンスの設定/登場によりストーリーにかなりの厚みが出ていると思います。狼男となった主人公の苦悩、グエンとの恋物語だけではなく、父と息子、父と母などの関係も浮き彫りにされ、もともと悲劇的なストーリーがこのことによってさらに悲劇度がUPしているのではないでしょうか。
父が実際に何を考えていたのかは、書ききれていないのか謎に近いですが、わが子を谷に突き落として育て上げようとしていたのかもしれませんが、母への愛情は父に勝るということで、結局、逆襲されてしまったのかもしれませんね。

特撮に関しては「狼男アメリカン」で、なんと明るい場所での変身シーンを見せ付けてくれた、リック・ベイカーが担当しているだけあって期待していたのですが、変身に関しては割と短い時間で流していたようです。ただ一度歯が変わっていくときには歯茎からも血が流れ出し、はっとしてしまいました。特撮を見せるというよりも、人間ドラマに注目して欲しいということでしょうか。
最近ではCGが多用されているために、スマート、洗練された変身が増えているようですね。「トワイライト2 ニュームーン」でも人間が狼男に変身するところがありますが実にスマートで、変身自体の恐怖というものは微塵もありませんね。どちらかというと格好よさ重視って感じでしょうか。
こちらの方が迫力の点では上ですが、ロンドンの建物の上での遠吠え、桟橋の下から見上げるロンドン橋など、観ていて絵になるシーンもきっちりあったのがよかったです。壁紙に欲しいくらいです。

予期せずモンスター化した者はほとんどの場合、悲劇的な最期を迎えてしまいます。この作品もご他聞に漏れず、そしてラストのオチもこの手の作品ではよくあるタイプのモノながらもいい感じでした。やはりオマージュを捧げているのかもしれませんね。
とにかく、王道を突っ走る作品として楽しめました。

【一言いいたいコーナー】
・暗く、昔のイギリスの森、そして町並み。やっぱりそういう場所が狼男にはよく合いますね。
・もっとも発端だった洞窟にいた少年って、いったいどうなったの?
・アバラインは切り裂きジャックを追っていた警部です。同時期にロンドンは恐怖の怪人を2人迎え入れてしまったのでしょうか。ちなみに演じていたのはヒューゴ・ウィーヴィング、「マトリクス」のエージェントスミスで有名ですね。この人は存在感がありますねぇ。生身の人間ですが頑張っています。
・狼男はRPG系などではワーフルフと呼ばれることが多く、一説では瞬間時速600キロ、実に0.5マッハをたたき出すほどの瞬発力を持っているそうで、普通の人間では叶いようがありません。この作中でもかなりの高速で動いているふしも合ったのですが、のんびり追いかけていたり逃げていたりするところも合って、よく判りません。まぁ、追いかけているときには猫がネズミをいたぶっている時と同じ感覚もあったかもしれませんけど。
Number597・狼男の弱点はもちろん銀の弾ですが、いくら再生能力に優れていても散弾で頭や心臓を吹っ飛ばしたらどうなるのでしょうか。

コメントありトラックバックです。
夫婦でシネマ(wanco&nyancoさん)の「ウルフマン
SGA屋物語紹介所(SGA屋伍一さん)の「狼男だね ジョー・ジョンストン 『ウルフマン』
★YUKAの気ままな有閑日記★(由香さん)の「ウルフマン
晴れたらいいね〜(ちゃぴちゃぴさん)の「ウルフマン
嗚呼,魅惑の映画道+Σ(hiroさん)の「No835 ウルフマン 2010年189
こわいものみたさ(とらさん)の「ウルフマン

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ラベル:映画 ホラー 狼男
posted by 白くじら at 13:23| Comment(12) | TrackBack(6) | ホラー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
白くじらさん、こんばんは&お邪魔します
狼男映画というと思い出すのは『ティーン・ウルフ』とか『ヴァン・ヘルシング』とか。現代ではどっちかといえばお笑いにしやすいような題材を、ここまで真剣に取り組んだ姿勢は評価しております
ロンドンの町並みとか、タルボット卿の住むお城なども見ていて楽しかったです。こういう一昔前のものがいっぱい出てくると、お話はイマイチでもけっこう楽しめたりして(−−;
Posted by SGA屋伍一 at 2010年05月16日 21:11
こんばんは、SGA屋伍一さん。
はじめまして、いらっしゃいませ。

「ヴァン・ヘルシング」はモンスター作品の集大成として素晴らしい作品でした(ヴァンパイアだけが妖しいというより怪しいでしたが)。同じようなゴシック系の雰囲気でよかったですねぇ。
「ティーン・ウルフ」も個人的には好きでした。(^^;

おっしゃられているとおり、最近では真正面からこういうモンスター系に取り組んだということは評価に値しますね。
やっぱり雰囲気は大事です!(^^)

トラックバックありがとうございました。
Posted by 白くじら at 2010年05月16日 21:35
白くじらさん、こんばんは。
コメとトラバ、ありがとうございました。

”歯茎から血が”、、そんなシーンがありましたか!しまった見逃してしまった(汗)。私も変身シーンをもう少しじっくり見せて欲しかったです。

しかし、絵になるシーンは多かったですね。私は、山の稜線を駆けて行く狼のシルエットなんかがとても印象に残っています。
驚きはあまりありませんでしたが、ご指摘の通り、王道を突っ走る映画で、結構楽しめました。オーソドックスなホラーを観たという感じの満足感ですね。

それでは、トラバさせて頂きますのでよろしくお願いします。
Posted by wanco at 2010年05月22日 01:28
こんにちは、wancoさん。

歯茎のシーンは、精神病院で公開変身をしたときでした。
一瞬、ボゴンと飛び出すかと思ってしまいました。(^^;
今回はあまりゆっくりではなかったので、各シーン、シーンがとびとびに数瞬写っていたので私も後でDVD観直そうと思っています。

山の稜線の駆け抜けもよかったですね!
ホラー作品ですが、絵になるところがちゃんとあるのが嬉しいです。

トラックバックありがとうございました。
Posted by 白くじら at 2010年05月22日 10:57
お邪魔します〜♪

古典的な映画の良さと現代のCGの技術が上手くマッチした作品で、とても雰囲気の良い映画でしたよね〜思いの外楽しむことが出来ました。
惜しむらくは父親の考えがよく分からなかったことで、、、その辺をもう少し丁寧に描いて欲しかったです。

デル・トロさんは狼男にピッタリでしたね(笑)
メイクなしでもいけちゃいそうでした(笑)
Posted by 由香 at 2010年05月25日 17:54
こんばんは、由香さん。

久しぶりに正統派ホラーを観た!って印象でしたね。
確かに親父様の考えは、あとでアレコレ考えても謎な部分が多かったですね。もう少し理由が公開されていればよかったと私も思います。ちょっと惜しかったですね。(^^)

デル・トロさん…狼男役者でしたねぇ。
最初は主人公にしては(失礼)…と思っていたのですが、変身するようになってからは魅力的になりました。

トラックバックありがとうございました。
Posted by 白くじら at 2010年05月27日 23:59
こんばんは〜♪

正統派という看板でしょうねぇ。
親子のドラマとしても面白いものがありました。
でも、父親の心情はちょっとわかりにくいところがありますね。
父の野獣になってしまった哀しさっていうのが、あったのかなかったのか?息子は襲えなかったというのが、ポイントなのかしら。
目線描写がローレンスのみだったからかなぁ。
狼同士の戦いもあったり、いいです。
悲劇的な結末も、よかった。
絵になる風景は、多かったです。
わたし、塔の上から月に向かって遠吠えしてるシーン好きです。
ゆがんだ精神病者への治療法や、見せ物的な公開なんかも、その当時の反映があって、いい。
トワイライトの狼族は、まんま狼だもんなぁ…。
Posted by ちゃぴちゃぴ at 2010年09月05日 01:07
こんにちは、ちゃぴちゃぴさん。

王道でしたねぇ。
最近ではこういうのは珍しいかもしれませんね。
でも、狼男同士の戦いやらもありましたし楽しめました。
お父さんの心情には計り知れないものがありました。あとで、なんだかんだと話し合えるのも面白いですが、もう少し作中で明かして欲しかったです。

私も塔の上で遠吠えをするシーンはよかったと思います。あとは川から這い上がっての、ロンドン橋を見上げるシーンかな。背景画像にいいですねぇ。

トワイライトの狼族は、そのまま狼でしたからね。(^^)
まぁ、瞬時にそこまで変身するのは格好いいですけど、こういう作品には会わなさそうですね。

トラックバックありがとうございました。
Posted by 白くじら at 2010年09月05日 14:56
こんにちは!
白くじらさんは、オリジナルも鑑賞済みなのですね。
69年ぶりのリメイクとは!
狼からみだと
やっぱり、アンダーワールドやヴァン・ヘルシング
みたいな、アクション重視のほうが楽しめてしまいます。
浅はかなのかも!
銀以外だと、心臓も再生するのでしょうかね謎です。
何発か鉛を喰らってましたが、ダメージなしには見えなかったので
銀はクリティカルヒットが望めて
それ以外は、抵抗があるみたいな位置づけなんでしょうかねー
Posted by hiro at 2010年09月12日 10:38
こんにちは、hiroさん。

オリジナルは2年くらい前に観たのですが、レビューを上げられていないです。小鳥頭なので、レビューするためにはもう一度観ないといけません。(^^;

「アンダーワールド」「ヴァン・ヘルシング」も面白かったですねぇ。
基本的にホラーが好きなので、よっぽどの駄作でなければ評価が甘くなっているかも知れません。

銀の弾は聖なる力が宿っているといわれていますし、もう一つは逆に邪悪なものを寄せ付けないという力もあるようですね。
なので狼男の場合は、ダメージというよりも「呪いが解ける」といった意味合いが強いのではないかと思います。

トラックバックありがとうございました。
Posted by 白くじら at 2010年09月12日 11:42
こんばんわ〜。

変身シーンが物足りないと感じましたね。
昔のウルフマンは、特撮でさらにもっと時間かけて変身シーンを見せてくれた気がしますが。

アンソニー・ホプキンスは、こういう悪な役が似合いますね〜。
存在感抜群です。
ま、今回ばかりは、ベニチオ・デル・トロの素で狼男みたいな姿には負けますが(笑)

応援ぽち!
Posted by とら at 2010年09月13日 20:44
こんばんは、とらさん。

今までの狼男は変身シーンを見せてなんぼ!でしたが、本作はかなり短かったようですね。それでもトワイライトの瞬時に比べると長いんですけどね。(^^)

アンソニー・ホプキンスはそこにいるだけで、なにかある!と思わせてしまいますね。ただ本当に「何か」が判らなかったのには困りましたけど。(>_<)

応援&トラックバックありがとうございました。
こちらからも、今日もポチっと行っておきますね。
Posted by 白くじら at 2010年09月13日 23:18
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