![]()
|

1962年夏、カリフォルニア…ビーチのサーフー内はマット(ジャン・マイケル・ビンセント)、ジャック(ウィリアム・カット)、リロイ(ゲイリー・ビジー)、3人の時代を迎えていました。彼らはサーファンに興じたり、桟橋でボード作りに店を構えるベア(サム・メルヴィル)といろいろな話をしたり、ジャックの家でハメを外したパーティをしたり、その日を自由気ままに生きていました。
しかしそんな周囲で時代は移り行き、マットとペギーとの間には新しい命が宿り、1965年には召集令状も…酒に溺れ自分の生き方を見失ってしまうマット、北でサーフィンを始めるリロイ、そして誰もが逃れようとする徴兵検査の中、ジャックもまたベトナム戦争へと赴任していくのでした。
そして1974年…ベアが待ち望んでいた大波が姿を現します。その名は伝説の≪ビッグ・ウェンズデー≫。
波の高さが15フィート以上にもなる大波でした。マットはベア特製のボートを持ちいつものビーチへ…多くのサーファーたちが波に飲み込まれて行く中、マットはジャック、リロイと再会します。
今、彼ら3人はボードに乗り、巨大な≪ビッグ・ウェンズテー≫に向かって進み始めるのでした。


選ばれたのは発案者でもある映画鑑賞の記録のmiriさんです。
この作品は、かなり昔におそらくTV放送されていたものをチラ見程度だったために、いい鑑賞の機会となりました。ありがとうございます。
この作品では、3人の若者がサーフィンを通じて友情を深めるストーリーとなっていますが、10年以上もの年月の流れの生き様を追っています。
1962年…3人はただサーフィンを興じ、周囲から見ればバカ騒ぎをしているだけの生活を送っており、でもただそれだけが楽しい。しかし無常にも時は流れて行き、彼らはそれだけでは生きていけなくなります。それは父親になること、国のために尽くすこと、そして生活。人間は独りでは生きていくことはできず、世間のしがらみが彼らにとって足かせとなり、悩むことになります。
やがて「陸に上がり」サーフィンをすることも少なくなりながらも、何かのけじめとしてサーフィンのシーンが入る演出はとてもいい。ジャックが戦場へ赴くとき、そして帰ってきたときに、まずはサーフィンをすることによって、たとえ独りであっても彼らは一つの糸で結ばれていたのでしょう。
この作品はサーフィンを通してですが、なにもサーフィンだけでなく現実世界でも「オンラインゲーム」「サークル」など、一緒に同じ時代を生きていても、様々な理由からいつしか遠縁になることがあります。それは悲しいことでもありますが、逆に別の新しいことに挑戦していることかもしれません。出会いは偶然でありながらも、別れは必ず起こるものです。しかし、その時、その時代で起こった出来事は永遠に思い出として残り、再び出会うことがあれば、きっと笑っていることと思います。
ちょっと脱線してしまいましたが、そして1974年、離れ離れになった彼らは再び出会います。
作中、ベアが子供たちに「いつまでもサーフィンを続ける者はいない」と言うセリフがあり、その言葉のとおり、三人は次第にビーチから離れつつありましたが、彼らは再び集まります(ちなみに一番続けていたのはベアだったかも。(^^;)。
それもかつてない≪ビッグ・ウェンズデー≫を前にして。離れ離れになり、連絡もつかなかったとしても、やはり彼らはサーフィンという世界でつながっていたのです。この出会い、そして≪ビッグ・ウェンズデー≫に向かう姿は感動モノでした。
【一言いいたいコーナー】
・男女間では恋愛、友情というものの受け取り方は違うと思います。彼ら3人はたとえ喧嘩をしていても、離れ離れになっていても、。出会えば笑って判りあえましたが、ジャックとサリーはそうは行きません。何年もいなかったジャックをサリーはどんな気持ちで想っていたのか。別れの日にサリーを探すジャックの声が闇に消えていったのがなんとも物悲しい。
・サーフィンを興じている姿はとても格好いい。しかし、危険があることもまた事実で、ラストの大波は迫力と共にホントに危険であるとの実感もわきました。
・1960年代でしょうか。各所で流れる曲が懐かしかったです。(^^)/
・中盤で影を落としている戦争。どんな戦争もそうですが、その時代の人に大きな傷跡を残しています。残された人の方がつらい、でもそれを乗り越えていかなければならない。
・1978年モノの作品と言うことで、どこか荒削りのシーンも多い。サーフィンのシーンも海上すれすれから撮影しているため、レンズに飛沫がかかり、サーファーの顔がボケてしまうところもありますが、逆にそういう効果的に見せるチャレンジなどを感じてノスタルジーに浸っちゃいますね。(^^)


嗚呼,魅惑の映画道+Σ(hiroさん)の「No767 ビッグ・ウェンズデー 2010年121」
映画鑑賞の記録(miriさん)の「6月の「ブログ DE ロードショー」の感想」
忘却エンドロール(宵乃さん)の「映画「ビッグ・ウェンズデー」再見」
▼ よろしければ、クリックをお願いいたします ▼


【関連する記事】
早くに鑑賞・レビューを有難うございます☆
今気付きまして、申し訳ありません。
>出会いは偶然でありながらも、別れは必ず起こるものです。しかし、その時、その時代で起こった出来事は永遠に思い出として残り、再び出会うことがあれば、きっと笑っていることと思います。
私は、出会いも別れも、「偶然」ではなく「意味のある偶然・必然」だと思っています。この文章は素晴らしいですね!
白くじらさんは、封切り時にはご覧にならなかったのですね?
それでも私たちの世代にとっては、忘れられない作品ですよね〜!
現代の技術的には色々な意味で粗い作品でしたが、当時は先端だったと思うのですが・・・。
では、来月、どうぞ宜しくお願いいたします☆
明日の私の記事に、白くじらさんが次回の主催者と言う事をのせさせてもらいますね〜!
いい作品のご紹介をありがとうございました。
私も先程まで、まだ記事の確認や加筆、修正をしていたので大丈夫ですよ。(^^)
なるほど、出会いの意味のある偶然によってという考えも素敵です。となると「ブログ DE ロードショー」で集った人たちとの出会いもみんながそれぞれに何かの役目を背負っているのかも知れませんね。
封切の時には残念ながら観ていませんが、そういう青春群像は好きですし、聞きなれた音楽を聞いていると嬉しくなりますね。
技術に関しては、やはり当時としては水準以上だと思います。映画をレビューするときには時代考えないと今の技術に比べるほけにはいかないですよね。なので、なんとなく懐かしい気分だっただけです。(^^) とはいうものの、私は昔の作品も頻繁に観ているのであまり気にならないですけど。その時、その時代でいいものを見せてくれるといいと思います。
来月がひたひたと迫ってきていますね。
私が選んだ作品がmiriさんのときのように観ていただけるといいのですが。(^^;;
ですよね〜。前半の馬鹿騒ぎの時はあれだったけど、こういうシーンはとても素敵でした。サーフィンが人生と密接な関係にあり、そのサーフィンによって3人は繋がっているんですね。こんな絆に憧れてしまいます。
あと、何気にベアの人生に目がいってしまうかも・・・。
みたいなアウトロー的な若者がスポーツを通してカリスマになる
ような感じかと思ったのですが、この映画の3人は
謙虚だし伝説に胡座をかいてないように見えて好感でした。
ビッグウエンズデー到来シーンがやはり良かったです。
どうみても本物臭い波にみえたのですがどうなんでしょうかね?
飲み込まれたら溺れそうな程の高波にみえましたけど(笑)
こういうシーンでサーファーにあこがれた人は多かったのではないでしょうか。
ある種のスポースが生活と密着している人って実際にいらっしゃいますし、その世界で生活をしている人同士の絆ってステキだなと思います。おそらく自分自ら同じ世界に飛び込まない限り、判らない世界だと思いますけどね。(^^)
ベアさんもこの12年の間は、波乱万丈でしたね。
伝説に胡坐をちょっとかいていたのは、序盤のボードを借りるシーンくらいでしたね。あとは実に謙虚です。
逆にサーファーの記録映画を観たときに、すでに自分は過去の人になっていることを実感してしまうシーンはなんとも言えませんでした。
うーん、あの波は本物のような気がしますが…ただ各地でロケをしていたので、あの場所であったかどうかは判りませんけど。実際カメラマンも命がけだったのでは。
今だったら安易に絶対にCGで作りそうですが…。(^^;