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2010年06月06日

アバター・オブ・マーズ

遠回りこそが成功への近道である。
アバター・オブ・マーズ [DVD]
2009年(PRINCESS OF MARS)製作国:アメリカ
監督:マーク・アトキンス原作:エドガー・ライス・バローズ「火星のプリンセス」
製作:製作総指揮:デヴィッド・リマゥイー
脚本:マーク・アトキンス撮影:
音楽:クリス・ライデンハウアamazon.co.jpで詳細を見る。

ストーリー

バージニア州出身のアメリカ軍特殊部隊の兵士ジョン・カーター(アントニオ・サバト・Jr)は、僻地で1人長距離偵察の任務をこなしていましたが、現地人サルカの罠に落ち、アヘンを運搬するトラック破壊をしながらも瀕死の重傷を受けてしまいます。僻地なのになぜか軍に救い出されたカーターは手当てを受けるものの、もう朝までもたないほどの重傷でした。
そんな彼に軍は地球からはるか離れたアルファ・ケンタウリ星系の小惑星『火星216』へ念力移動し、体組織を再構築するので地表の探査をするように言います。すでに喋ることもできなかったカーターは、強制的に『火星216』へ送り込まれるのでした。

『火星216』…真っ裸で岩と砂の地で目覚めたカーターは、起き上がるなり自分の身体能力が上がっていることに気づきます。これは体組織を再構築のためなのか、それとも『火星216』の重力が小さいためなのか…彼の力は増大し、ジャンプしようものなら崖の上にでも移動できたのです。
やがて探索をする彼は、明らかに人工的な小屋のようなものを発見、その中にあったのは大きい卵でした。しかしその時、彼の背後から槍が飛んできました。慌てて見回したカーターはいつの間にか周囲を見たことのない生物たちに囲まれていることに気付きます。多勢に無勢…カーターは彼らの捕虜となりましたが、驚異的な脚力は彼らの関心を引き、生かされることになりましたが、食事一つとっても地球育ちのカーターにとっては…。
彼が捕まったのはサーク族という部族で、彼を捕まえたのはタルス・タルカスというリーダーでした。カーターは旅の中で彼の部下を投げ飛ばすこともありましたが、それは逆にタルス・タルカスを喜ばす結果となりました。彼らにとって部族の中でのし上がっていくためには相手を倒していくという掟があったからです。カーターは部下の一人を倒したことによって、捕虜でありながら彼らの中では地位が上がりつつあったのです。

そんな時、部隊は上空を飛来する船を発見。攻撃(原作から考えるにラジウムライフルらしい)を開始しました。戦闘の最中、カーターは脱出艇で逃げる女性を目撃、ついで仲間割れで倒れる夫妻を認めます。彼らはカーターと同じ人間のようでした。彼はその夫妻を救い近くの岩場に運びます。女性の方はすでに死んでいましたが男性はまだ息がありカントス・カンと名乗りました。カントス・カンは自分がポンプ工場の守衛であることと、ヘリウムのプリンセスであるデジャー・ソリス(トレイシー・ローズ)のことを頼み息を引き取るのでした。
カーターは脱出艇が墜落していることを知り、その場に向かうのでしたが、時を同じくしてタルス・タルカスの部隊もまたその地点に向かっているのでした。やむなくデジャー・ソリスとともに部隊に合流したカーターは、なんとか逃げ出す算段をめぐらせるのでしたが…。

映画レビュー

とほっ…レンタル屋さんで初めて見たときには「アバター」の便乗商品が出たかな(タイトルのアバターのロゴなんてそっくりですよね。訴えられないのかな?)と思ったのですが、手にとってみてあらすじを読んで「ジョン・カーター」や「デジャー・ソリス」の名を見てびっくり。なんと「火星のプリンセス」の実写版だったのです!
そういえば以前実写の話を聞いていたのですが、その作品とこんな出会いをするとは…しかもアバターっていったいどういう意味!?実際ジャケ写のように青くありませんし、左はカーター、右はタルス・タルカスと別人だったりもします。
※私が以前耳にしたのはディズニー作品だったらしく、こちらは今頑張って作っているそうです。ファンを失望させないように頑張って欲しいと思います。

原題は「PRINCESS OF MARS」とアバターの名なんてドコにもありません。ホントにこういうのはやめて欲しい。アバターファンだけでなく、原作ファンも敵に回していますね。
ちなみに原作の原題は「A PRINCESS OF MARS」で、「地底世界ペルシダー」「ターザン」シリーズで有名なエドガー・ライス・バローズ作火星シリーズの第1作目に当たる「火星のプリンセス」を基にしています。くしくも「アバター」のレビューのときに「火星のプリンセス」を思い出すと書きましたが、偶然にしろこんなつながり方をするとは。(^^;

ストーリー的には要所要所に原作を思い起こさせるエピソードがありますが、この波乱万丈な作品を90分程度で収めている為、かなり無理があったようです。
そもそも火星でないのはどうして!?今では火星探査も行われていますし、実際に生命体が生存していたかどうかは結論付けはされていないものの、現在で火星人をわらわらと出すのはおかしいと判断したのでしょうか。

もともとカーターはアリゾナで幽体離脱のような感じで体から抜け出し、彼の憧れの星でもある火星に引き寄せられるという現象で火星へと飛来するのですが、作中では念力移動という怪しげな名で移動方法を行います。あながち間違いではないのかもしれませんが、原作でのカーターが火星に強い憧れを抱いていたことに比べると、まったく意味がなく、さらにどうやってはるか彼方(4.37光年)の位置にある惑星で体組織の再構築を行っているのかはさっぱりです。しかも死に掛けの人間を使って…地球時間では数時間だったはず。しかも、ラストでは…いったいあなたの身体はどうなっているの!!

さて『火星216』へ到着してからは重力の問題で体が軽くなったことによるジャンプを観ることができますが、最初のジャンプから主人公はそつなくこなします。一回くらい失敗してほしいものです。その後のタマゴも剥き出し、孵化機などあろうはずがありません。(^^; それでも緑色人種(作中はそういう名称はありません。ただ反り返った牙があるくらいでしょうか、手の数の人間と同じです)のタルス・タルカスとの出会いはあり、彼との仲が旅をしている内に深まるのはいいところですね。
会話の問題は、虫を食べることで解決しています。これも物語をスピーディーにするための小道具なのでしょうね。残念ながらサークの皇帝タル・ハジュスとタルス・タルカス、そしてソラとの確執はまったく描かれないので、タルス・タルカスは単にサークの王になるだけのために戦うことに。これは彼とソラが勇猛であり繊細な感情を持っているという重要なストーリーなのに残念至極です。そういえば、サークの人たち普通に笑っていましたね(原作では彼らが笑うときは地球人のそれとはまったく意味が違うのだが、タルス・タルカスとソラだけは微妙に違っている)。

火星のプリンセス―合本版・火星シリーズ〈第1集〉 (創元SF文庫)

もう一つの大事なことはデジャー・ソリスとのラブストーリーでしょう。しかし、なんとも希薄な関係に思えます。というのもデジャー・ソリスに危険なシーンがあまりないからかもしれません。決定的なシーンがほしかったところです。
そして…大問題なのがヒーローとヒロインでしょうか。カーターはまだしもデジャー・ソリスはこの話の中では『絶世の美女』でなくてはなりません。彼女の美貌のため、ヘリウムは幾度となく隣国との戦争が起こり、兵士たちは彼女のために惜しげもなく命を捧げてきたのです。それだけのカリスマ性がなければデジャー・ソリスではないのです。
失礼ながら、もうお歳のトレーシー・ローズでは無理があったと思います。
なぜか金髪でアマゾネスのような格好をしているのもイメージが…火星の彼女たちは美女ですが、そろって芯の通った強さを持っていますが、それは決意であり、信念であり、決してアマゾネスのような格好をした強さではないんですけどね。
日本で発刊された原作本には武部本一郎氏の素晴らしいイラストが加わっているため、だれもがそのイメージでジョン・カーターやデジャー・ソリス、タルス・タルカスたちを見て、感動し、憧れていると思います。

なんだかんだと書いていますが、その辺りのB級に比べるとまだマシな方かもしれません。
ただ火星シリーズのファンから見ると「怒ほほ」レベルであることもまた事実です。

【一言いいたいコーナー】
・折角船やボードなども登場しているのですが、不必要に遠方からのシーンや主人公のアップとボード一部といったシーンばかりで、なんだかよく判らない。特撮技術の程度はかなり酷くもったいないです。
・よくわからない蜘蛛よりは、大白猿やキャロット、せめてシスでも出してほしかったです。ソートなんてまるでダチョウの大きいヤツみたいだし、まだ「アバター」で登場した馬や野犬の方が合っているんですよね。
・せっかくの火星の求婚による言葉「私の王女さま」「私の族長さま」などが、敵役だけが使っていて、実際にカーターが使うところがないのも残念なところです。
・バルスームの名前が出てきたのは嬉しかったりしました。
・カーターにジュダックの称号が!ええっ、まだ族長レベルでしょう。ジュダックが何の意味を持っているのか、作っている人は理解しているのでしょうか。(@x@)
・ディズニー版には期待しても大丈夫でしょうか。
・カーター、戻ってきたら死ぬって!!
・軍がこのシステムを実用化してしまうと…もはや火星シリーズではない!
Number606・名セリフ「まだ私は生きている!」がないですよー。(>_<)
・そういえばデジャーソリスにオヘソあったけど…オリジナル火星人って卵生だからないんじゃないのかな。(^^)

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posted by 白くじら at 18:50| Comment(7) | TrackBack(1) | SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
白くじらさんこんばんわ♪TB&コメント有難うございました♪

自分も最初からガッカリするような内容だと分かってたものの、どーもこの手の地雷映画はついつい手を出してしまうんですよねぇ・・^^;怖いもの見たさ臭いもの嗅ぎたさな人間心理といいますか、借りた時は隣に置いてた本家アバターよりも魅力的に見えてしまったのですが、フタを開けたら確かに怒ホホでしたねw
でもこれだったら原作通りのタイトルにした方が良かったんじゃないかなとも思いましたけど、自分はアバター絡みで借りた部分がやはり大きかったので、もし原題タイトルだったら見向きもしなかったでしょうね〜?
そういう意味ではこの作品はネーミングセンスの勝利かもしれません(そうやって毎回地雷を踏むわけなんですが・・)


>なぜか金髪でアマゾネスのような格好をしているのもイメージが・・

王女役のトレイシー・ローズは首から下までならなんとか我慢できますが、あの格好で腹筋が割れてたりしたら完璧アマゾネスですねwディズニー版では同じ過ちをして欲しくないものです^^;
Posted by メビウス at 2010年06月06日 21:53
こんばんは、メビウスさん。

私もB級だと判ってても地雷映画には散々手を出しては痛い目をにあっていますが、それどもときどきはっとするような作品に出会うことがあるので辞められません。(^^;
ジャケ写や煽り文句は、正直本物を越えているようなものも多いですね。

「火星のプリンセス」も古い作品ですし、知らない人も多いですから、アバターの名前がないと見向きもされないかもしれませんね。
ディズニーでは公開前にCMもバンバンされるでしょうから、そこでやっと知名度も再認識されそう。

今回の王女はやっぱりアップになるとおばさまでしたね。(>_<)
さらにアマゾネスはちょっと…。
Posted by 白くじら at 2010年06月07日 01:43
商品って…なんだろう…?
Posted by BlogPetのナイトメア at 2010年06月07日 15:14
こんにちは!
コメントありがとうございました!

火星のプリンセスは私も夢中で読んだ本なので、うううううむ・・・
デジャーソリスが・・・
若くて絶世の美女でなかったら・・・
イヤだぁあああああ!(鼻息
それに腕が二本のタルスタルカスなんてヤだー!(泣
タルスタルカス大好きだったのですよ。
馬もね!
後、ちっちゃな動物いませんでしたっけ??
ペットみたいな存在の?
うろ覚えなので、他の作品とごっちゃにしているかも・・・
怖いもの見たさで、レンタルリストに登録・・・
どうしようかしらヽ(;´Д`)ノ

武部本一郎氏のイラストは本当に良かったですよね(泣

しかし、なんで今頃火星のプリンセスなんだろう?
こちらの作品も2009年作成なんですね。
特撮、と言うよりCGの技術が進んできたので、今なら作れる!と思ったのかしら?
このシリーズを思い出したと言う事は・・・
怒ほほにもディズニーの関係者の中にも、火星のプリンセスファンがいたのに違いない!
怒ほほに提案した人は大泣きしているのではないかしら?^^;
そう思えば、怒ほほも少しは許せr・・・

ディズニー作品の方は期待します!
不安だけど・・・
でも、絶対に白くじらさんが突っ込みを入れた所は作品の要所要所だから原作どおりにして欲しいですけどね!
笑いの表情の意味が地球人と違う、なんて、絶対外して欲しくない^^;
今の世の中でこそアッピールして欲しい観点ですしね。
所変われば品変わる!ってね。(´・ω・`)
Posted by 葉山猫 at 2010年06月08日 11:45
おはようございます、葉山猫さん。

やっぱり火星ファンには声をかけないといけないと思いまして!(^^)
デジャー・ソリスは憧れの人でしたし、タルス・タルカスもあの凶暴な容姿があって繊細な感情、勇猛果敢なところのギャップがとてもよかったのに…思えば、この小説の登場人物って、敵であってもみんな魅力的な人物ばかりでしたからね。
カントス・カンの扱いなんて酷いものでした…っていうかシリーズ化(ならないか)したらどうするんだーって感じです。

ちゃっちゃな動物というのはウーラのことですよね。
キャロットという火星の犬(実際には足がいっぱい、口もワニのようですが忠誠心は何ものにも劣らない)でした。残念ながらカーターとの出会いは描かれていませんでした。(>_<)

今はリメイクなども多いですし、脚本家が不足しているんでしょうかね。
火星ファンはあちこちにいると思いますので、いつか映像化したいと思うのも無理からぬことかもしれないですが、ファンならきちっと原作で大事なところは押さえておいてほしいですね。

ディズニー作は私も期待はしているのですが、その反面恐いというのもまた事実です。
シリーズも多いので、頑張って作って続編も…と。(^^)
Posted by 白くじら at 2010年06月10日 08:18
こんにちは。
アバター・オブ・マーズのレビューを書いた関係でTBさせていただきました。
自分は火星のプリンセスという原作があることを知らずにこの映画をとったクチですが、自分からしてみれば「火星のプリンセス」を知る良いキッカケになりましたね。
便乗タイトルから、このような情報が得られるとは思っても見ませんでした。
Posted by ヨタ at 2010年06月19日 08:55
こんにちは、ヨタさん。はじめまして。

「火星のプリンセス」を知らずに観ると、アルバトロス配給の中ではそこそこ良い部類に入ったかもしれませんね。
火星シリーズはSF超大作の冒険活劇で、なかなか映像化は難しそうですが、今ディズニーで作成中とのことです。

私も最初は「アバター」の便乗作品かと思ったのですが(いや、まぁそうなんですけどね)手にとってびっくりしてしまいました。

トラックバックありがとうございました。
Posted by 白くじら at 2010年06月19日 11:01
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