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1845年、カナダ北西部ノースウエスト準州…病弱なジェームズ(トロイ・シヴァン)は、突如自宅へ乗り込んできた友人のビクター(マイケル=ジェームス・オルセン)の父トーマス・ローガン(アーロン・ジェフリー)が、自分の父親を殺害するのを目撃してしまいます。湧き上がる激情がジェームズはミュータント能力を発現!手(こぶし)から生えた爪でビクターの父を刺してしまいます。しかしなんということか絶命寸前のローガンの口から、自分が本当は彼の息子であったことを知らされます。
外へ飛び出たジェームズを、ビクターが追い捉まえ、言います。「自分たち兄弟はお互いを守らなければならない」と。
その後ジェームズ(ヒュー・ジャックマン)とビクター(リーヴ・シュレイバー)は戦場に身を置きました。激しい戦いの中で何度も死ぬはずだった2人でしたが、しかしビクターもまたミュータント能力を持っており、2人は不死身とも言うべき再生能力と攻撃力で、南北戦争、第一次、第二次世界大戦と戦うことに。しかし次第に凶暴さが全面に出てきたビクターは、ベトナム戦争で村の女性に暴行を働き、さらに上官を殺害し、2人は軍に捕らえられ処刑されてしまうのでした。
銃弾などでは死なない2人の前にあわられたのはストライカー少佐(ダニー・ヒューストン)でした。彼は2人を自分の特殊部隊に組み込み、活動を始めましたがラゴスでの任務の際にストライカーの非道さに、ジェームズはチームを脱退してしまうのでした。
そして6年後…カナディアン・ロッキー。
ローガンと名を変え、ケイラ(リン・コリンズ)と幸せな暮らしをしていたジェームスの元へ、ストライカー大佐(昇進!)とゼロ(ダニエル・ヘニー)が姿を現します。かつてのチームの仲間であったカタナ使いのデッドプール:ウェイド(ライアン・レイノルズ)、ボルト:ブラッドリー(ドミニク・モナハン)が続けざまに殺害されたというのです。仲間に戻ることを拒否したローガンでしたが、ビクターがケイラを殺害してしまいます。さらにビクターとの戦いに敗れたローガンはついにストライカーと協力しビクターを倒すことを決意するのでした。
5億ドルをかけた改造手術を施し、かつてラゴスで手に入れた隕石から精製されたアダマンチウムで骨格を再生成、ついにここに不死身の超人ウルヴァリン(ウエポンX)が誕生するのでしたが…。
「X-MEN」シリーズの主人公であるウルヴァリンの誕生秘話です。
一瞬、超人部隊に「ゼロ」と呼ばれるガン使いがいたので、彼に関する話かとも思ったのですが…強いことは強かったですが、あくまでも脇役であり、ビギンズの意味合いでゼロなのでしょうね。
彼の爪の秘密、記憶喪失の謎、さらには若き日のサイクロップス(ティム・ポーコック)との出会い(実際には助けたミュータントの一人であり、2人は特に意識はしていないようです)、チャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュワート)がミュータントたちを集めるところなど、いろいろなことが判明したことが、「X-MEN」という世界の奥行きを深めるようで満足の作品でした。
時代はなんと1845年から、不死性を持つジェームズとビクターにとっては外見はそう歳を重ねるということもないようですが、もう100歳以上の年齢なんです。その生活は能力を隠してこそこそと住むというよりも、争いの中でこそ生きている実感を噛み締めていたのでしょうか。恐らくは好戦的なビクターに感化されていたような気はしますけど。この戦争時代はほとんどオープニングの中で走馬灯のように語られていき、やがて彼らはその特異性から特殊部隊に組み込まれます。
この部隊には彼らと同じような能力を持つ者も多く一種の「X-MEN」に近いものがありました。ゼロに関しては銃の扱いに長けているだけかと思いましたが、身体能力も高いためミュータントっぽいところもありました。カタナ使いのウェイドは恐るべき動体視力と身体能力を持ち、撃たれた弾丸を2つに切断し、その切断された弾丸で2人の敵を倒すほどです。最終ウエポンであるXIに組み込まれた(というよりもベース)のでやはり彼もミュータントだったのでしょう。
ラゴス襲撃の際が仮らの魅力を演出しているところですが、若干短い感はあります。ここはもう少し彼らの凄さとジェームズとの絡みを見せ付けてくれればよかったのに、と思えるところです。
それにしても何度も人を信じては裏切られてしまうウルヴァリン…粗野に見えても彼は心の奥底では人を信じていたいという気持ちがあったのでしょう。裏切りではありませんが、彼を絶望のふちから救ってくれたハドソン夫妻のくだりがとてもよかっだけに、ゼロに対する怒りは血の涙を流してもおかしくない!しかし無常にもその心すら最後の弾丸によって撃ち砕かれることに。彼が記憶を失っていることは「X-MEN」でも判っていたことですが、その過程においてこんなにも悲しい結末が待っていたとは…彼が記憶を取り戻したときにいったいどうなってしまうのか(実は「X-MEN3」はまだ観てなかったりします)。
そして舞台は15年後「X-MEN」へと続きます。
最後になりましたが、強敵ウエポンXIとの戦いにおいて「背中を合わせるんだ!」はよかったです。
あのオープニングでの言葉がここで鮮やかに昇華した瞬間でした。
【一言いいたいコーナー】
・元々手(こぶし)から爪が生えているのには驚きましたが改造後は生えません。これは骨格自体をアダマンチウムに置き換えたので、生えなくなったという認識でいいのかな。代わりにアダマンチウム製の爪が飛び出しますけど。これは生えるというより飛び出していますよね。
・ビクターはセイバートゥースということでしたが「X-MEN」に登場している同名のキャラとは違いますよね。能力名のことなのでしょうか。ウルヴァリンもそうですが、不死身性といい爪が伸びたり牙があるところをみると、元々は狼男の一種に見えてしまいます。
・続編も決定したとかで今度は日本が舞台だとか。同じマーベルヒーローは世界観も同じなことが多いので、「スパイダーマン」「ハルク」たちとの競演も観たいものです。ちなみに今回登場したカタナ使いのウェイド「デッドプール」のスピンオフ作品も製作決定だそうです。
・このあまり姿が出ないウェイド役がライアン・レイノルズです。奇しくも先日鑑賞した「あなたは私のムコになる」に登場していたのですぐに判りました。
・スタッフロールになった後にも、前半とラストにちょっとしたオチがありますので観ておきましょう。
・未公開シーンに別のエンディグがありましたけど…本当に未公開でよかったと思います。(^^;
web-tonbori堂ブログ(tonboriさん)の「ローガンの秘密「ウルヴァリン X-MEN ZERO」」
夫婦でシネマ(wanco&nyancoさん)の「ウルヴァリン:X−MEN ZERO」
晴れたらいいね〜(ちゃぴちゃぴさん)の「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」
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もっとも映画の2には繋がるようにしているみたいですが(笑)
「背中を合わせるんだ」はこういう作品の常套ではありますがやっぱりカッコいいですね。
ややっ、アメコミのX-MENは知らなかったのですが、映画用に書き下ろしたストーリーでしたか。
2で登場したストライカーがようやく繋がりました。ちゃんとドコまでも歩いていって欲しかったです。(^^; まぁ、この話でもラストでは…でしたけど。
「背中」はよかったですねぇ。敵も一人なのに負けていないし…上と下は?とか思ってしまいました。(^^;
コメとトラバ、ありがとうございました。
「デットプール」が映画化されるとなると、スピンオフのスピンオフになってしまいますね。Xメンシリーズはどこまでも広がって行きそうです。
マーベルの映画は「アイアンマン2」もそこそこ面白かったし、これからも楽しみです。
ウェイドは「ムコになる」に出ていたあの男でしたか!
今の今まで気づきませんでした。役によって随分変わるのですね。
マーベルヒーローたちは横のつながりが凄いですね。でもそういうのは嫌いじゃないので、いろいろな場所や仲間と活躍を続けていって欲しいと思います。
「アイアンマン2」も観られましたか。あれも面白そうですね。なんとか終了までに行きたいものです。(>_<)
ウェイドは出番がほんの少しでしたから。(^^;
でも、ちょうど「あなたは私のムコになる」を観たばかりだったのですぐに判ってしまいました。
なんとなくウェイドとゼロが同じような雰囲気だったりするんですよね。性格は随分と違っていたようですけど。
トラックバックありがとうございました。
?
あの爪は、骨をアダマンチウムにしたんだから、
改造後に手から鋭い爪が生えてくる時は、その爪はアダマンチウム製なんだな、と勝手に納得しました☆
それよりも気になったのは〜、このポスターでもあるように
「拳の3センチくらい下」から爪が生えてくる時と
「拳の先っちょ」から生えてくるときがありますよね?(いままでコッチだと思ってた)
あれはどういう違い?
元々は「3センチくらい下から」で、それが改造後「先っちょから」に変化したの?
もうレンタル返却しちゃったので確認不能・・・(´д`)
私も実際問題よく判りません。
改造前は、骨だったので「拳の先っちょ」だと思うんです。
でも改造後は骨がアダマンチウムになっていたのですが、最初の手のレントゲン写真のようなものが写っていたときには、爪が骨を押しのけて、その間からニュっと出てきていたようです。つまり骨と骨の間から出てきていたので、生えているような感じではないんです。
私ももう手元にはないので確認できません。(^^;;