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1995年の近未来…その夜、流星雨が地上に降り注ぎました。
数日後、父である林博士(声:山内雅人)が提唱している宇宙人説が学会で敗れたことをネタに同級生に絡まれたツトム(声:里見京子)。でも持ち前の明るさと信念の強さで、父を信じるツトムは同級生と喧嘩してしまいます。
今日は父が帰ってくる日、ツトムはニュータウンに棲む野良犬クイーン(声:北浜晴子)、エース(声:野沢雅子)、ジャック(声:松島みのり)、そしてお調子もので弱虫のジョーカー(声:曽我町子)を連れて家に戻りました。しかしその夜、林邸のはるか上空に飛来した円盤からサボテンのようなものが転送されてきます。それは宇宙人説を唱える博士を危険だと感じたデビル星人が送り込んだ爆弾だったのです。
動物の勘で危険を感じたクイーンたちは、サボテンをくわえると外へ飛び出していき、ツトムたちの前で爆死してしまうのでした。
悲しむツトムのために、博士は誕生日のプレゼントにサイボーグ化したクイーンたちを渡します。しかし、その機能説明中に博士は再びデビル星人に襲われてしまいます。すぐさまクイーンたちと研究所へ向かったツトムは、瀕死の父の言葉を受けデビル星人を倒すために飛び立つのでした。
今、ここに魔犬ライナーが誕生したのです。
1972年の東映まんがまつり≪へんしん大会≫で上映された作品です。
当時、仮面ライダーなどによる変身モノが人気だったため、東映まんがまつりでも変身モノと新作アニメーションとして本作を加えて公開したのです。
同時上映されたのは「仮面ライダー対じごく大使」「変身忍者嵐」「超人バロム1」「魔法使いチャッピー」「国松さまのお通りだい」です。最後の「国松さま…」は変身モノではありませんが、見習いキャプテンになるというストーリーなので『変身』と言えなくもありませんが苦しい。チャッピーも変身はしなかったかも。(^^;
ただ、残念ながら本作の人気は6作中、ブービーだったそうです。
子供のころにしっかりと観に行っていたのですが、再放送でもお目にかかったことがなく、DVDも長い間発売されず、ずーと再会するのを待っていました。
ついにDVDが発売されたので手に入れて観たのですが…何年も経つ内に相当美化されていたのか、今観るとかなり酷いデキでした。これは当時のほかの長編アニメーションと比べても雲泥の差です。
ちなみにこの上映の直後の8月に東映動画はロックアウトするくらいの体制でしたから、そういうことも影響していたのかもしれませんね。
さて、この話でのメインはやっぱりサイボーグ犬たちでしょうか。
その能力は、以下のとおりです。
クイーン、補助電子頭脳、子犬のエネルギータンク、頭部は電子冷却装置、超硬度ドリル。
エース、左目がスターライトスコープ、放射線アイ、熱線追跡カメラ。
右目はあらゆるものを溶かすプラズマ・ガン!
ジャック、口から高圧縮のジェットガスを噴射。あらゆるものを切断!粉砕。
ジョーカー、体全体が特殊プラスチックで出来ていてクジラにだって変身可能。
さらに4体ともライナー形体(変身しなくてもOK)で空を飛行し、4機合体も可能、この場合はツトムが乗り込んで操縦することもできる。
これでデビル星人もイチコロだ!!
…って林博士…子供のころは楽しみましたけど、やっぱり子供の誕生日プレゼントにとんでもない兵器を渡すのはやめましょう。しかも死ぬ間際にも銃を…やっぱり母親は必要ですね!あ、子供の目で見ないと。(- -;
でも、ヘルメットをかぶることによって、犬たちと会話ができるのはいい発明でした。東映動画では、動物が喋る作品が大半でしたし、お子さまにはやっばり良かったと思います。
とにかく…ストーリー的には行き当たりばったり感があるのと、動きの悪さ、前半だけノリのいい音楽(^^;、敵のおどろおどろしさと、かなり異彩を放っていたのではないでしょうか。
38年振りに思い出が崩壊した事件でした。(_ _) まぁ、懐かしかったですけど。
【一言いいたいコーナー】
・観ていると翼から顔出していたりしていますし、なにげに全員特殊プラスチック製なんじゃないかなと思います。
・富士山や各種メカ、敵の昆虫などの体内図解などが各種に出ています。こういうのもはやっていたころだったのかな?
・能力的には「サイボーグ009」ですが、なんとなく「レインボー戦隊ロビン」を思い出してしまいますね。
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