|
1943年イギリス、第8航空軍に所属しているバズ・リクソン大尉(スティーヴ・マックィーン)と同室のボーランド中尉(ロバート・ワグナー)は、B-17重爆撃機のパイロットです。ボーランドにとってバズは憧れのヒーローであり、自分の目標の人でもありました。
しかし戦争が生きがいのバズは凄腕であることを鼻にかけ、今日の爆撃も命令違反を犯し危険を冒して爆撃…基地の上層部はそんなバズにいらだちながらも、腕の立つ彼を外すことができないでいました。
命令違反の夜、将校クラブで2人は知り合いを待つダフネ(シャーリー・アン・フィールド)と女性と出会います。しかし彼女の待つ人は今日の爆撃で帰らぬ人となっていました。ボーランドと彼女はその後も会うようになり、お互い惹かれ始めますが、バズはボーランドではなく自分こそが彼女に相応しいと考えていました。
バズの傍若無人な態度はそれからも留まることを知らず、ビラ撒きが嫌だといっては基地を低空飛行、部隊では健全だったリンク中尉を別の隊に追いやり、運の悪いことにリンチの載った『アッシャー家』は蜂の巣となり帰らぬ人となるのでした。
バズの態度に疑問を持っていたボーランドとの間には、次第に溝が広がり、ついにダフネを巡って…。
そんな時、ドイツ内陸1080Km地点ライプツィヒにある、最大規模の合成燃料の精製所を爆撃する作戦が決行されます。
かつてない距離と敵の防衛網…B-17重爆撃機の大編隊は一路ライプツィヒへと大空に舞うのでした。
ほとんど戦争狂と言っていも過言ではない爆撃機の機長が主人公である異色作で、その機長バズをスティーヴ・マックィーンが演じています。彼は爆撃機ですが凄腕でカリスマも持っていますが、自分本位で勝手でわがままです。さらに物事を全て自分に都合の良いように捻じ曲げてしまう天才です。
そしてもう1人の主人公と言うべきボーランドを演じているのがロバート・ワグナー、彼はバズとは正反対の人間で、戦争は嫌いですし25回の出撃をこなして早くアメリカへ帰ろうとしています。
こういう場合、どうしてもボーランドへ感情移入してしまうため、バズの行動を認めるようなことはとてもできません。しかしバズの荒々しい生き方は認められなくても、そういう人間を演じたスティーヴ・マックィーンは評価されるべきでしょう。
彼とボーランドがラストで和解できたかどうかははっきりとはわかりませんが、少なくともダフネを通して、自分自身の考えが少しでも間違っていたことには気付けたのではないかと思います。
【ここがいい!】
・B-17重爆撃機出撃のシーンは圧倒感もありなかなかです。特に小雨の中タイヤが「ねとり」と動き出すシーン、そして見上げるように移動していく辺りが素晴らしい。
・バズが機関士をするところがあり、ここもまた自分勝手なところですが、汽笛を鳴らしたりするところがとても楽しそう。なんだかホッとしてしまうシーンです。
・爆撃機に『ザ・ボディ』『アッシャー家』『アラババボイン』と名づけているところなどが、くすぐりますね。ただ、このチーム単位ではほとんど描かれませんけど。
【ここは問題かな?】
・戦闘シーンも見せ場の1つですが、敵機の映像が遠方過ぎて判りづらいところが多かったと思います。あそこは使いまわしのファイルムかな。
・結局のところ何が言いたかったのかよく判らない。(^^;; 戦いに没頭してしまった男の、戦争の悲劇の1つと捉えればいいのでしょうか。
【一言いいたいコーナー】
・この爆撃機には上下に1門ずつ、前部に2門、さらに両脇からも狙撃手がいました。パイロットが2人で、残り5人では全てを担当することは無理なようです。爆撃手もいましたしね。いったいどうなっていたのでしょう。
・重爆を行うときに操縦桿を爆弾を落とす人に委ねるというのは初めて知りました。
・スティーヴ・マックィーンはこの映画で認められ「大脱走」へと続いていったそうです。でも同じ年に公開されていますね。(@o@)
或る日の出来事(ボー・BJ・ジングルズさん)の「「戦う翼」」
▼ よろしければ、クリックをお願いいたします ▼
【関連する記事】
びっくり&うれしい。あ、とほほーになってる!
あはは、うーん。
もうほとんど覚えていないのですが、やっぱり主人公であるスティーヴ・マックィーンに感情移入できなかったところが問題だったのかもしれません。
でもそういうキャラが演じられることも、逆の意味で素晴らしいとは思います。(^^;
トラックバックもありがとうございました。