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2010年08月01日

007-2 ロシアより愛をこめて

罠にあえて挑戦するのが、英国人の気質です。
ロシアより愛をこめて (デジタルリマスター・バージョン) [DVD]
1963年(From Russia with Love)製作国:アメリカ
監督:テレンス・ヤング原作:イアン・フレミング
製作:ハリー・サルツマン、アルバート・R・ブロッコリ製作総指揮:
脚本:リチャード・メイバウム撮影:テッド・ムーア
音楽:ジョン・バリー、主題歌:マット・モンローamazon.co.jpで詳細を見る。

ストーリー

007シリーズヴェニスのチェス世界選手権に出場していたクロンスティーン(ヴラディク・シェイバル)がスペクターの基地へ呼び戻されました。彼こそスペクターのNo.5であり作戦部長だったのです。今回は元ソ連のスメルシュの局長、今やNo.3となっているローザ・クレッブ大佐(ロッテ・レーニャ)との共同作戦となりました。
目的はソ連の新型暗号解読機『レクター』…クロンスティーンが立てた作戦では、英国諜報員とソ蓮のトルコ暗号部の女性部員の力が必要でした。

クレッブ大佐は昔の地位を利用し、イスタンブールの保安局員タチアナ・ロマノフ(ダニエラ・ビアンキ)に指示を与えます。そして英国でもトルコ支局のケリム(ペドロ・アルメンダリス)からの連絡でタチアナが『レクター』を持って亡命するとの情報を得ます。M(バーナード・リー)からの指示で命令を受け、ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)は罠と知りながらもタチアナの写真を見てイスタンブール入りをするのでした。
その背後には、彼の様子を伺うスペクターの暗殺者グラント(ロバート・ショウ)の影がありました。

映画レビュー

ちょっとオススメ原作イアン・フレミングの小説では第5作にあたります。ちなみに日本での小説は『ロシアから愛をこめて』となっています。そもそも「から」と「より」の使い方は今でも曖昧ですが、「から」は距離的なものを表し「より」は比較するときに使われます。なので『ロシアから愛をこめて』の方が言い回しとしては正しいと思います。
またまたしても次の年での上映になった本作は『007 危機一発』というタイトルで公開。これまた日本語としてはおかしいのですが、「一髪」が髪の毛1本の危機を銃弾に当てはめて「一発」という洒落で水野晴郎氏が作った言葉のようです。その後いろいろな作品でも使われるようになっているようです。

さて007も2作目となり、ついに登場したのがスパイの必需品アタッシュケースです。
隠しナイフや銃弾、そして金貨など、とどめは開け方を間違ったときに噴出する催涙ガスでしょうか。007ではこうした装備品を装備主任(デスモンド・リュウェリン)(Qとはまだ呼ばれない)が逐一説明をしますが、ちゃんと全て使っているのが脚本的にも素晴らしいと思います(反面、まだ使っていなかったら今後使う場所が出てくるはず!と思ってしまうんですけどね)。

本作ではボンドというよりも敵にかなり視点が当たっていたようです。またボンドの命も敵が救ったりする場面があったり、ちょっと戦いの面においても不満が残る作品でしたが、作戦上仕方がなかったのかも知れません。
それにしても英国諜報部の地位を落とそうとして、あのテープを使おうとするとは…スペクターもなんとも情けないというか恥ずかしい作戦を立てたものですねぇ。

とは言うものの、登場したスパイグッズの数々の使い方、ロシアからイギリスと場所を変え、敵を変えとアクションのつるべ打ちの基礎となった作品としては評価すべきでしょう。

【ここがいい!】
・まずタイトルの付け方が洒落ていて、情報部でタチアナが映っている写真をマニーペニー(ロイス・マクスウェル)に返そうとしたときに、そこにサラサラとペンで書いた言葉が「ロシアより愛をこめて」なんですよね。こういう演出がなんとも言えずいいです。
・やっぱりタチアナとの会話シーンがボンドらしくっていいですね。本作では夫婦という設定で亡命するので、そういう会話も観ていて面白いところ。
・そして逆に闇の部分としてついに白ネコを抱くスペクターのボスが登場します。顔も見えませんし名前もわからず声だけですが、冷酷非情なところが明らかにされます。Noが付いていてもこの恐怖はいつまでも付いて回りそうですね。
・曲者の敵が登場するのも本作が初めてですね。グラントも非常な男として登場し、後半のオリエント急行での戦いは見所の一つです。

【ここは問題かな?】
・背後で陰のように暗躍しているグラントが、作戦上ボンドに死んでもらうわけには行かないために、隠れて助けていたりします。命を救ったこともあるのが、なんとも皮肉な話ですが、こういう裏方を一生懸命こなしているグラントには頭が下がる重いです。でもって、ボンドがちょっとなさけない…と思えちゃうんですよね。
・タチアナがもう足手まといの何ものでもないのが残念です。もう少しは活躍して欲しかったですが…これも1作目のハニー・ライダーと一緒で保安局員とはいえ、服までも事務員だったということでしょうか。

【シリーズのチェック項目】
・敵は前作「ドクター・ノオ」に引き続きスペクター、No.3とNo.5、そして白ネコを抱くボスも初めて登場。
・最初の狙っている銃口に向けて撃つシーンは立ちポーズ。
・プロローグあり。
・オープニングは曲だけですが、お気に入りです。
・エンディングも同じ曲ですが、こちらは歌詞がついています。次回作の予告があります。

【一言いいたいコーナー】
Number630・クレッブ大佐がスペクターの訓練場を説明を受けながらグラントのところまで行くシーンがあるのですが、同じ場所を後からもう一度通ったりする箇所がありました。編集ミスでしょうかね。

THE END of ロシアより愛をこめて.
But JAMES BOND will be back ゴールドフィンガー.


コメントありトラックバックです。
sailor's tale(starlessさん)の「007/ロシアより愛をこめて
子育て 時々 映画(マミイさん)の「ボンドここにあり!
映画鑑賞の記録(miriさん)の「490・007/ロシアより愛をこめて 1963,England

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posted by 白くじら at 21:05| Comment(11) | TrackBack(3) | アクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こちらへもお邪魔します。

英ソ間の陰謀と闘い。
その背後に潜むスペクターの影。
新型暗号機。
陸海空に亘る華麗なアクション。
魅力的な2代目ボンドガール、ダニエル・ビアンキ。
等々、

全シリーズの中でも、上位に入れたい第2作です。
Posted by アスカパパ at 2010年08月02日 20:04
こんばんは、アスカパパさん。
こちらにもありがとうございました。

一作目と比べるとかなりいろいろな要素が加わり、さらにうまく昇華されていたようです。少しエンターテイメントよりになりかけてきたような感じがありましたが、各所でオシャレな感じがあったことが特徴でした。
タイトルどおりな作品だったと思います。
Posted by 白くじら at 2010年08月03日 21:58
きょうナイトメアは、指示は編集しなかった。
Posted by BlogPetのナイトメア at 2010年08月06日 15:43
確かクレップ大佐ってホテルの掃除のおばちゃんかなんかに変装してつま先からナイフをカチって出す人では?
いやもう記憶がうすうすですみません(^^;
Posted by tonbori at 2010年08月08日 22:13
こんばんは、tonboriさん。

そうです!
ラストのオチみたいな感じですね。ついに自ら襲ってくるわけですが、ちょっと足が短かったかもしれません。やっぱり不意打ち用ですかねぇ。

記憶は確かですよ!(^^)
Posted by 白くじら at 2010年08月08日 22:17
いや〜、とんでもない事をやってますね。(笑)
私もWOWOWのオンエアすべて録画しましたが、いつ見るんだろうと…。
『ロシアより愛をこめて』は数年前に買ったDVDのアルティメット版で見ましたが、どーしても気になるのがラストのオリエント急行でのシーンです。
外観、内装共に、どー見てもオリエント急行には見えないんですよ。
あの路線ならV.S.O.Eの文字が刻んであるはずなのに、何処にも見当たらないし…。
私だけでしょうかね、こんな変な疑問を持つの…。
でも、この映画のロバート・ショウは、『ブレードランナー』のルトガー・ハウアーみたいに硬質な感じが、とても怖い。
クレップ大佐の例のシーンは、『スペースボール』のダーク・ヘルメット(リック・モラニス)がライトセーバーを振り回すシーンとダブって、今見ると爆笑シーンになってしまいました!
Posted by ロッカリア at 2010年08月10日 00:10
最近になって、イアンフレミングの原作のうち手に入るものを(入らないものも多いです)いくつか読んでみましたが、やはり本作の出来がピカイチのような気がします。
映画もほとんど原作に忠実ですしね。
Posted by starless at 2010年08月11日 20:25
こんにちは、ロックリアさん。

いえいえ、そんなに凄いことでは。(^^;
せっかく録画されているのでしたら、ちょうどいいので観ましょう。(^^) miriさんも10作目を録画されているようなので、観ることになっているんですよ。

オリエント急行に件に関しては、そこまでの知識がないので判りませんが、別の列車で撮影されていたのでしょうか。
私も変に細かいところが気になるタチなので、そういう疑問を持ってしまう気持ちはわかります。

007最初の暗殺者でインパクトがありましたね。
こういう殺人鬼が1話限りで姿を消すのがもったいないです。

「スペースボール」のダーク・ヘルメットのシーンは、頭を抑えられてぶんぶん振るところですね。(^^; 確かにそのシーンを彷彿とさせてくれますね。池野めだかが殴ろうとするところも同じかな。
Posted by 白くじら at 2010年08月12日 16:02
こんにちは、starlessさん。

そうなんですね!
結局のところ、私は原作を読んでいないので比較が出来ませんが、スパイモノとしては、大げさなメカも出てこないし、その分、スパイの描写やストーリーに力を入れることが出来たのかもしれませんね。

原作に忠実なのは大事なことですね。
知っているもので、誰も知らない結末とか言って変えられると「ええっ」と思ってしまいます。

トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせていただきます。
Posted by 白くじら at 2010年08月13日 08:52
白くじらさん、こんにちは。

やっと本作が観れました。
4作目まではDVDがあるので、ちょこちょこ観る事ができそうです。

オープニングの写真にサインするところはかっこよかったです。
前作よりオシャレな感じが出てました。

スペクターもいいですよね。
(どうしても「オースティンパワーズ」を思い出してしまいますが。)
先日見たスパイ映画は敵の設定があいまいで
ヒーローは敵が強大であればあるほど光り輝くものだと思いました。
謎のボス・・・・・エンドロールのキャストでボス役の名前のところは
「?」って書いてあったのを今回発見して嬉しくなりました。
芸が細かいです。
Posted by マミイ at 2010年09月04日 07:20
こんにちは、マミイさん。

おお、4作目までDVDがあるんですね。
徐々に007のスタイルが作られているので、順次観るとなかなか面白いですね。

うんうん、あの写真にサインを書き入れるのはオシャレな演出だったと思います。さすがは「愛」がタイトルに入っているだけのことはあります。

「オースティンパワーズ」も結構好きなのですが、ちょっと下ネタが多いですね。でもやっぱり007が下地にいるのでダブってしまいますね。
スペクターはいよいよボスが登場し、かなり強大な組織像で描かれてくるので、今後の戦いが気になるところ。
私もキャストのところで「?」を発見したのですが、そこがボスだったのですね。(^^)

トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせていただきます。
Posted by 白くじら at 2010年09月04日 18:40
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