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フランスでスペクターNo.6ジャック・ブヴァール大佐(イニシャルが同じJ.B)を倒したジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)は、NATO空軍基地に近い保養所で休んでいました。
その保養所にはスペクターNo.2隻眼のラーゴ(アドルフォ・チェリ)が計画した、作戦準備のためにリッペ伯爵の姿もありました。マッサージ中に伯爵の左手首に秘密結社トングの符号を認めたボンドは彼を怪しみますが、計画は着々と進んでおり、NATOのタヴァル少佐に整形手術で化けたアンジェロがまんまと潜入、原爆2基搭載したヴァルカン爆撃機は訓練飛行中、高度1万3千メートルで消息を絶ってしまうのでした。
英国情報部は00要員9名を召集し暗号名「サンダーボール」を発令!
療養所でタヴァル少佐が死んでいたことを知っていたボンドは、バハマ諸島のナッソーへ飛び、少佐の妹であるドミノ(クローディーヌ・オージェ)との接触を図るのでしたが…。
イアン・フレミングの長編小説では第8作、映画としては4作目となります。
もともと1作目としての話が上がっていただけあって、いろいろな面でのアクションがあり、中でも後半の水中戦は圧巻です。敵もスペクターN.2というボスに次ぐ地位の者が相手で、このラーゴという人物は自分でも前線に出るほど好戦的で、こういう人間がNo.2にいること自体、彼自身の頭だけではなく身体能力の高さを表しています。隻眼を隠すアイパッチも凄みを与えていました。
【ここがいい!】
・なんといっても見所はタイトルバックにもなっている水中戦なんでしょうね。ボンド1人ではなく、多人数対多人数で、普通ならなんだか判らないようになりそうなところを、ウェットスーツの色で分けられており、観ていてもどちらが敵でどちらが味方なのか判りやすいようになっていました。1人でも敵が潜入していると大変なことになりそうですけど(実際にボンドがそういう先入方法をとっているところも別シーンでありました)。俳優の顔が見えないのには困ってしまいます。(^^;
・「ゴールドフィンガー」でも後半、核の話が出てきますが、今回は実際にミサイルとして登場し、それを使っての脅迫はここまでのシリーズとしては最大級の事件となるでしょう。スペクター側も英国情報部もメンバー総出演(?)ですし、大規模なことがわかる演出が多いです。もっとも主人公ということで、結局活躍するのはボンドだけですが…いつか他の00要員も少しは活躍して欲しいな。と思ってしまいます。
【ここは問題かな?】
・ストーリー的に水中シーンが多く、少しわかりにくいシーンもあります。やはり表情などがつけにくいからでしょうか。
・真っ赤なウェットスーツは目立つと思いますけどねぇ。
【シリーズのチェック項目】
・敵はスペクターNo.2。
・最初の狙っている銃口に向けて撃つシーンは片膝を曲げてのポーズ。
・プロローグあり。
・オープニングは歌詞アリの曲。あまり記憶に残っていませんでした。
・エンディングは銃を撃つときと同じ曲です。次回作の予告はありません。
【一言いいたいコーナー】
・演習で本物の原爆ミサイルを搭載するのはやめてください!
・007シリーズの本来の1作目として予定されていたのが本作です。制作費などいろいろな問題があったようですね。
・非常事態ということで00要員が9名召集されました。一言も発せず顔が確認できるのは数名のみ…しかもこのシーン以外には出ないという…うーん、残念です。
・ちなみにスペクターも報告会があってNoを持つ者が大勢出ていたり、その場で処刑されていたりします。(^^; No.1は相変わらず名前も出ず、白猫をかわいがっているだけです。
・序盤で登場するロケット・ベルトは実際に装置であり、本当に撮影中でも飛んだらしいです。でもボンドがアップになっているときは特撮っぽかったですし、やっぱりこういうのはスタントかな。
THE END of サンダーボール作戦.
But JAMES BOND will be back 007は二度死ぬ.
アスカ・スタジオ(アスカパパさん)の「007/サンダーボール作戦(第4作)」
sailor's tale(starlessさん)の「007/サンダーボール作戦」
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白くじらさんのレビュー、興味深く拝読しました。
この第4作が、もともと1作目としての候補だったとは知りませんでした。貴重な知識情報を得ました。ありがとうございます。
>俳優の顔が見えないのには困ってしまいます。(^^;
確かにそうでしたね。私も同じ思いでした。
>・ちなみにスペクターも報告会があってNoを持つ者が大勢出ていたり、
>その場で処刑されていたりします。
確か、あっと驚く処刑でしたね。声を立てる間もない一瞬の…。
印象に残っています。
>・序盤で登場するロケット・ベルトは実際に装置であり、
>本当に撮影中でも飛んだらしいです。
あれは本当に飛んでいると信じたいです。
水の中なので特徴を出すのが難しいんでしょうね。基本的に顔のUPを出しておいてから行動に移るような演出でしたね。(^^)
処刑はスペクターの冷酷さが出ているシーンですが、こういう組織内で、よく悪いことをするように人物が出てくるものですね。恐ろしすぎます。でもなにげにNo.1は物事をちゃんと把握して、正当に評価しているのも驚くところですが、そうでなければ下のものは付いてこないでしょうけど。
あのロケット・ベルトでショーン・コネリーが飛んだかどうかは判りませんが、少なくとも「誰か」は飛んだようですよ。
水中スクーターや水中銃での撃ち合い。
当時のアクションとしては斬新だったなっていう感じでしたが、
やはり物珍しさだけでスピード感にかけたのかもしれませんね。
それまでにも水中戦は観たことがあったのですが、これほどの多人数で、これほどの時間と言うのはこの作品ぐらいでした。
水の中でスピード感を出すのは難しいでしょうけど、いろいろなシチュエーションがあって面白かったです。
ちょっと離れてしまうと、誰が誰だかわかんなくなっちゃいますけど…でも実際にはボンドとラーゴさえ判ればいいとも言えますけど。(^^;
作り手はそうとう苦労したようですが。
あの多人数での戦いは圧巻でしたね。
ただ、どうしても水中戦は俊敏さに欠けるところがあるので、もう少し短めにしても良かったのではないかと思いました。
確かにあのシーンを作るのは大変でしょうけど…。(_ _)
トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせていただきます。