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2010年09月12日

大怪獣バラン

なにげなく住んでいる地球にも、数え切れないほどの謎が残されている。
大怪獣バラン [DVD]
1958年(Varan the Unbelievable)製作国:日本
監督:本多猪四郎原案:黒沼健
製作:田中友幸製作総指揮:
脚本:関沢新一撮影:小泉一
音楽:伊福部昭amazon.co.jpで詳細を見る。

ストーリー

モノクロ生物学研究室の杉本教授(千田是也)は中学生の夏休みの宿題から発見されたチョウに目を見張りました。このチョウはアカボシウスバシロチョウと呼ばれシベリア地方にしか生息していないのです。さっそく河田と新庄(伊藤久哉)の所員2人が現地に向かいました。その地は「日本のチベット」と呼ばれる秘境、東北、北上川の上流でした。しかし彼ら2人は山中で謎の死を遂げるのでした。

真相を解明すべく所員の魚崎(野村浩三)、カメラマンの堀口、そして新庄の妹である由利子(園田あゆみ)の3人が調査に向かうのでした。
そこは排他的でよそ者を敵視するような部落で、婆羅陀魏山神と呼ばれる神をあがめていました。ちょうど村の子供が犬を追いかけて立ち入ってはいけない場所へ走りこんだために、3人は村人の制止を振り切って奥地へと入っていきました。
そして奥地の湖で見たもの…それは中生代の怪獣バラノポーダー、通称バランだったのです。
自衛隊の攻撃も効かずバランは部落を全滅に追い込み、四肢の間にある皮膜を使うや上空に飛び立ち、東京へ向かって飛翔するのでした。

映画レビュー

まぁまぁゴジラよりも凶暴!ラドンより巨大!という触れ込みで登場したバラン。水陸だけでなくムササビのように四肢に皮膜を持ち空までも制圧する恐怖の怪獣です。実際に羽ばたくことはできないと思うのですが、かなりの距離を飛ぶようです。

秘境の部落で婆羅陀魏山神として祀られるというバラン。前半部分はまさしく「キングコング」のような感じです。実際には長老たちもバランのことを見たことがないような、なんともいえない設定で、バランの泣き声だけを神の声として恐れていたようです。なので、登場したら慌てふためき、しかもそのまま死ぬという…ちょっと情けない退場の仕方でしたねぇ。
自衛隊も登場しますが、とにかく武器が効きません。

かくして後半は東京へ向かうバランとの自衛隊との戦いがメインとなり、もはや人間ドラマはどうでもよくなっているようです。
バランとの戦いは戦闘機、船からの艦砲射撃、爆雷、戦車などバラエティに飛んではいるものの、とにかく命中率が悪すぎるようです。もっと強力な武器は?と言うより、まず命中率の悪さをなんとかしなければならないでしょう。わざと外しているのでは?とも思える酷い成績です。

バランはその後の東宝作品にも登場していたりもするのですが、扱いとしてはかなり低いです。もっと活躍して欲しい怪獣ではあるのですが、本作からしてバランの魅力を出し切っているとは思えません。折角の皮膜もほとんど使われず、暴れるといっても羽田を破壊する前に阻止されていますし、怪獣としては破壊活動が少なかったからでしょうかねぇ。一応中生の恐竜(作中では怪獣)らしいので、口からとんでもビームを発射することもありませんでしたし。(^^)

ただ、愛すべき東宝怪獣の1匹には違いありません。

【ここがいい!】
・バランは2足、4足歩行が可能なようですが、4足歩行をしているときの肩のあたり皮膚が2重になっているようで、歩くたびにそこが分かれているのがわかります。ここがなんともいえずリアルでゾッとします。この部分も含めて、怪獣の造型はよくできていると思います(どうしても後ろ足は人間が入っているのが丸判りな形ですが、2足歩行もするわけですから、ひょっとしてこれでいいのかも)。

【ここは問題かな?】
・最初の犠牲者である新庄の妹、由利子が兄のことなどお構いなしで「20世紀の謎を探る」というネタのために動いているふしが、なんだかなと思います。これはラストまで続くわけですが、なんとも薄情な妹を持ったものです。
・上記の件もあって、研究所の人たちの間でのドラマを期待するのは無理なようです。さらに後半など立ち会う必要のない魚崎たちが、トラックを運転してバランに近づくなんて…自衛隊員はいったい何をしているのでしょうか。
・自衛隊の攻撃の腕前が悪すぎ。
・戦車や船など本物が使われているシーンもあるのですが、次の瞬間、模型になったりするので画面の質の落差が激しすぎ。
・ラストの照明弾に仕掛けられていた特殊爆弾。同じもののはずなのに2発目の爆発規模が凄すぎです。これはいったい。
・杉本博士の喋り方が…生理的にダメです。(_ _) どうとでもとれるのんびり発言を聞いて、よくも何度も意見を尋ねているものです。信じられません。

【一言いいたいコーナー】
Number654・元々は、アメリカのテレビドラマ(4部作)として製作が始まっていたそうですが、劇場公開が決まり本作となったそうです。

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ラベル:映画 DVD 怪獣 東宝
posted by 白くじら at 15:10| Comment(6) | TrackBack(0) | 怪獣 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お世話様です〜^^

昔の大怪獣物は本当味がありますよね!
真に迫る演技とオドロオドロシイ内容で
未だにトラウマなものもあります。

やっぱサンダ対ガイラが至高です★
Posted by shimaneman at 2010年09月13日 10:53
ほとんど記憶にないのです(^_^;)

なんとなくマンタとか、バラゴンみたいな感じ?
セブンでいうところのミクラスやウィンダムという役どころのような…

>とにかく命中率が悪すぎるようです。もっと強力な武器は?と言うより、まず命中率の悪さをなんとかしなければならないでしょう。わざと外しているのでは?とも思える酷い成績です。

なんかすっごくおかしい! 笑いが止まらないです(^◇^)

((*`゚д゚)ゞ ぉぉ!!! 只今、東京はゲリラ豪雨中!
Posted by |―|/‐\|\/| at 2010年09月13日 20:59
こんばんは、shimanemanさん。

この頃は正義の怪獣というものもいないので、人間が知恵と勇気で攻略するタイプが多いのと、怪獣も設定がいろいろと付いているところが面白いですね。

サンダとガイラも観たいですねぇ。
子供のころに観たっきりですよ。(^^)
Posted by 白くじら at 2010年09月13日 23:13
こんばんは、|―|/‐\|\/|さん。

いやいや、マンダとバルゴンはメインで活躍している「もの」のあくまでも脇役感がありましたけど、バランはしっかりメインなのです。
の割にはその後の扱いが酷いんですけど。(>_<)

本当に攻撃が当んないんですよ。
しかもどこ攻撃しているんだ!といわんばかりの場所に飛んでいってたりします。

((*`゚д゚)ゞ ぉぉ!!! 今日は雨でしたか!!
Posted by 白くじら at 2010年09月13日 23:24
日本の秘境シリーズみたいなの想定していたのかも?
いやなんとなくなんですが、獣人雪男とかをちょっと思い出したので。
この作品凄く記憶が薄くて、「フランケンシュタイン対地底怪獣」のバラゴンとごっちゃになってたんですがソフト化されたときに観て、違うもんだと認識できるようになりました。

あと攻撃が当たらないのは東宝自衛隊のデフォルトです(苦笑)
でもTVシリーズ用に作ったのは初耳でした!
Posted by tonbori at 2010年09月25日 00:05
こんばんは、tonboriさん。

なるほど。秘境は怪獣を出しやすい場所でもありますしね。
ちなみに「日本のチベット」という偏見混じりの言い回しが問題になったらしくってカットされていたこともあったそうです。DVD版は大丈夫でしたけどね。

地底怪獣バラゴンはかなり昔観たのですが、こちらも観直したいです。
私はこっちしか観たことがなかったので大丈夫だったようです。

東宝自衛隊!訓練しろー!!(^^;
Posted by 白くじら at 2010年09月25日 22:45
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