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ポラリス16発も搭載した原潜レンジャー、そして同じく核ミサイルを搭載した原潜ポチョムキンが航海途上で姿を消しました。
英国ではオーストリア・アルプスで仕事をしていた007ことジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)を呼び戻し、ソ蓮でも女スパイであるトリプルX、アニヤ・アマソワ(バーバラ・バック)に調査指令が下りました。しかし、アマソアの恋人であったボルゾフ(マイケル・ビリングトン)が、オーストリアでボンドに倒されてたことを彼女はまだ知りませんでした。
2人は原潜を追跡できるというシステムのマイクロチップを求めてカイロへ飛びます。一方、西側の大資産家であるカール・ストロンバーグ(クルト・ユルゲンス)は、流出したマイクロチップを奪回するべくシンドアと恐るべき金属の歯を持つジョーズ(リチャード・キール)に派遣するのでした。
3つ巴で始まった争奪戦は、M(バーナード・リー)とソ連のゴゴール将軍(ウォルター・ゴテル)の指示により、ボンドとアマソワは協力し調査に当たるのでした。次第に打ち解けあう二人でしたが、ふとしたことからボンドがボルゾフを殺害したことが判り、アマソワは「任務が終わったら貴方を殺す」と言い放ちます。
そして今、2人が乗る潜水艦に、ストロンバーグの海運タンカーが巨大な『口』を開け迫りくるのでした!
イアン・フレミングの小説9作目にして、映画化10作目記念ということで巨額の金額が投じられたようです。
007では普段から女性との駆け引きが絡んできますが、本作はタイトルに愛が掲げられているだけあって、ほかのシリーズ作品よりも2人の触れ合いが多く演出されているようでした。
英ソという相反する組織のスパイ・エリートであるため、お互いのプライドがぶつかる前半、そして協力している過程…エジプトのMの部屋で、お互いが言い合いながらストロングバーグ海運へたどり着くくだりは面白いですね。このまま2人が組んでいくと最強なのでは?とも思ってしまいました。
「私を愛したスパイ」というのは、いったい誰を指していたのでしょう。
やはり「アマソワを愛したボンド」なのでしょうか。それとも「ボンドを愛したアマソワ」…そして「アマソワを愛したボルゾフ」…ボンドはいつも女性と見れば…ですから急に愛したと言ってもなかなか本気かどうかはわかりません。どちらかというとやはり恋人を殺されたアマソワが、どうボンドに接していくのかというところが見所の一つになるのでしょうけど、序盤でボンドのことを知らなかったときには恋人の復讐に燃える女スパイとも思えたのですが、犯人が英国諜報部員ということだけで、007とは判っていなかったことがこの復讐劇に水を差していたと思います。アマソワがボンドが犯人であることを知ったのは、ボンドと知り合ってかなり後であり、すでにボンドの人柄もわかっているし『スパイは任務のためにいつ死ぬかわからない』…こういう割り切りがアマソワの中に芽生えていたのではないかと思います。
ラストの救命ボートで拳銃を向け、ボンドのボトルのコルク音で思わず笑ってしまうところはいい演出ではありましたが、アマソワにとってはこういう場面を犯人がボンドとわかった時点で求めていたのかもしれない…と思いました。
【ここがいい!】
・原潜拿捕の手段がかなり大掛かり。とはいえ実は「007は二度死ぬ」の宇宙船拿捕と同じ方法でちょっと笑ってしまいましたが、「007は二度死ぬ」は1967年だったので実に10年前のネタなんですよね。続けて観ていなければあまり気にならないかもしれません。ただ、原潜の場合、ぼーとしていないで逃げ出す方法はいろいろとあったようにも思いますけど…。(^^;
・タンカー内での銃撃戦は圧巻。本当にどれだけ巨大なタンカーだったのでしょうか。
・殺し屋の中でも特異な存在のジョーズ…その金属の歯は何でも噛み切れる反面、殺害もその歯を使って噛み殺すのがなんとも可笑しいけれど面白いこういう殺し屋が登場するところが、ただのスパイ作品ではなく007ならではなのかもしれません。このジョーズは不死身っぷりを買われたのか、次回作でも登場しますが…なんともはやのキャラに成り下がっているのが悲しいです。
【ここは問題かな?】
・プロローグでオーストリアのアルプスからダイブするシーンがあり、ここは一発勝負で落下したそうです。凄い迫力と緊迫感の中、開いたパラシュートに英国マークが!なんともにくい演出ですが、本当はここまで自意識過剰というのはスパイとしてはダメなのではないかと思います。そう堂々と英国のスパイだ!と言っては…。(^^) ただ、こういう演出がエンターテイメントには必要であるというのも理解できますけどね。実はほかのシリーズ作品にもちょくちょく出てきます。
・敵の要塞でもある海洋研究所アトランティスが、のっぺりとしたデザインなのであまり巨大ではないように思えてしまいます。実際にはあの足の1つに船などが着く大きさから察するにかなりの大きさだと思いのですが…演出的にもったいないですねぇ。
【シリーズのチェック項目】
・西側の大資本家、海洋研究所アトランティスを持つカール・ストロンバーグ。
・銃口に向けて撃つシーンは片膝を曲げての左手を添えての片手撃ちポーズ。
・プロローグあり。雪山からのダイブが凄い!
・オープニングは歌詞アリです。
・エンディングは歌詞アリで、次回作の予告もあります。ただし実はエンディングでの予告は「For Your Eyes Only」となっていましたが、同年公開の「スター・ウォーズ」のヒットにより、先に「ムーンレイカー」が公開されるようになったのです。つまり「ムーンレイカー」を予告している作品はなく、逆に「ユア・アイズ・オンリー」を予告している作品は2作あるということです。(^^)
【一言いいたいコーナー】
・今回は珍しくMの部屋(?)が英国ではなくエジプトにあったのには驚きました。入ったときに「マニーペニー何してんの?」でした。(^^;
・砂漠のシーンで「アラビアのロレンス」の曲が流れたのは嬉しかったりして。
・この翌年の「ナバロンの嵐」では、バーバラ・バックとリチャード・キールが出演、「スター・ウォーズ」で一躍有名になったハリソン・フォードも一緒ですね。
THE END of 私を愛したスパイ.
But JAMES BOND will be back ムーンレイカー.
今回はmiriさんと、観賞日をお約束をしてでの観賞です。こうすると同じ日に観られて、いわば「ブログDEロードショー」の縮小版というかデート版みたいでいいですね。(^^)
というわけで、miriさんの記事はコチラです。
映画鑑賞の記録(miriさん)の「2−740 007/私を愛したスパイ」
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同じ映画を見たはずなのに、何この素晴らしいレビューは!?
私の感想文、小学生並みで失礼いたしました。
>敵の要塞でもある海洋研究所アトランティスが、のっぺりとしたデザイン>なのであまり巨大ではないように思えてしまいます
そうでしょうか?私にはご立派な要塞に見えてしまったのですけど・・・
サメに食べられる(連想)シーンなんて、今はNGでしょうから
映画にとっては良い時代だったなぁ・・・と思いました。
今回は、本当に有難うございました☆
お付き合い、ありがとうございました。
まぁ、私の記事はいらん情報もまで書いてあるので、量的に多いだけですよ。(^^;
アトランティスの形などは好きなのですが、おそらく1ショットで収まっていて、浮上するときの波とかとかからそう思ったのではないかと思います。おそらく今ならもっと細部にまで拘るはずなので、巨大に見えるのでしょうけど。
あっさりサメに喰わしてしまうのは恐ろしいですねぇ。
昔から海でなんといっても恐いのはサメです。なにげにほかの作品でもサメに食わせるシーンがあったりして、この頃の海モノでは定番だったのかな?(^^;
トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせていただきました。