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2006年05月21日

遊星からの物体X

1982年(The Thing)
監督:ジョン・カーペンター
製作:デヴィッド・フォスター / ローレンス・ターマン / スチュアート・コーエン
製作総指揮:ウィルバー・スターク
原作:ジョン・W・キャンベル・Jr
脚本:ビル・・ランカスター
ストーリー
27,000時間で全人類は全て同化されてしまうだろう。

1982年、冬、南極大陸を一機のヘリコプターが犬を追いかけて飛んでいました。
機内から撃つライフルでは犬に当てることは難しく、犬はアメリカ合衆国南極観測隊第4基地内に逃げ込んでしまいました。
近くへ降りたヘリから降りた男は手榴弾を投げようとして手を滑らし、ヘリと乗務員は爆発に巻き込まれてしまいます。残された男は犬がじゃれていた隊員たちに向かっても平気で発砲!やむなく隊長のゲーリーが撃ち殺してしまうのでした。

ヘリは近くにあったノルウェーの基地のもので、8週間ほど前に設営されたばかりで隊員数は10名(内2名死亡)。おかしくなるには短すぎる時間でした。
ヘリのパイロットであるマクレディ(マック)(カート・ラッセル)たちは、すぐにノルウェー基地に飛びましたが、すでに基地からは黒煙が上がっていました。
隊員たちは全て死に、燃えたものもいったい何なのか判りませんが…何かを恐れたのでしょうか。
さらに持ち帰ったテープから南西10キロの地点で発掘された謎の物体から何かを持ち帰ったことが判明しました。地層は10万年前…つまり10万年もの昔、地球圏外から飛来したこの宇宙船らしきものを掘り出し中にあったものが目覚めてしまったというのでしょうか。

半信半疑の隊員たちでしたが、深夜、逃げてきた犬を入れていた犬小屋でそれは正体を現します。震える顔が4つに分かれ長い舌が…身体からも触手が無数に伸び周囲の犬たちを襲い始めました。
飼育係のクラークが慌てて皆を呼びましたが、マックたちが来たときには犬たちと融合した恐るべき「生きもの」の姿がありました。まるで肉塊のように見えたそれは確かに犬であり、犬以外の何かでした。マックの叫びでチャイルズの火炎放射器が唸りを上げて発射されました。紅蓮の炎の中、雄たけびを上げて「生きもの」は死んでいきました。

しかし…その死体を調査していたブレアはこの「生きもの」が相手に融合し吸収、その後は相手そのものになり見分けがつかなくなることに気付きました。しかも血液一滴でも十分生きていけるほどの生命力を持っていることを。
犬小屋で見た「生きもの」は犬に戻る前の姿だったのでしょう。
コンピュータによる試算によると人間の生息圏に行った場合75%の侵入確率で27,000時間で全人類が同化…このことを知ったブレアは隊員が殺されたことをきっかけに錯乱しヘリを壊し、通信装置まで破壊してしまいます。

孤立無援となったマックたちはブレアを監禁しますが問題はそれだけではありませんでした。残った隊員の中にはあの「生きもの」が姿を完璧に再現し何食わぬ顔をしているかもしれないのです。
疑心暗鬼にとらわれるマックたちは、血液検査により正体を探ろうとしますが…。

映画レビュー
オススメ1982年、ジョン・カーペンター監督、ジョン・W・キャンベル・Jr「影が行く」の原作です。同じ映画化されたものに1951年の「遊星よりの物体X」がありますが、こちらは同じ原作を元にしていても吸血型異星人(植物)が北極基地を襲うものとなっています。

南極基地という閉ざされた舞台に繰り広げられる正体不明の「もの」(The Thing)との戦いは、「エイリアン」級の怖さを持ちながらもそれとはまた別な怖さを出すのに成功した作品と言えるでしょう。
同じ正体不明の敵に襲われるにしても方や追い詰められる恐怖、肩や戦いつつも誰が敵なのか分からない恐怖、いつ敵になってしまっているのか判らない恐怖、なのです。
しかも観ている方にも判らなくさせる意図もあったのでしょうか、主人公であるマックが姿を消してしまうシーンまであり、嫌な予感までもが…しかも本当にこれで終わりなのか、人類は救われたのか、明確な回答を出さずにこの作品は終わりを向かえてしまいます。だからこそ…怖いのです。

クリーチャーの造型もかなり独特、もともとの造型(犬、人間)の部分を持つことを約束しなければならないながらも、これだけグロくつくったのには絶賛(笑えるのもいましたけどね)。それぞれが同じ造型でなかったのも恐怖感を煽る要素の1つだったのでしょうね。
モンスター映画としてはお勧めの1品です。

【一言いいたいコーナー】
・実際「遊星からの物体X」っていう名前からはB級ではないかという名前ですが、これだけ造型を変えたところからついた名前なのでしょうかねぇ。今となっては有名な言葉になってしまいました。
・地球に飛来する宇宙船、地球に接近中に火に包まれて落下するのですが…今までは大気圏突入の際の炎だとばかり思っていたのですが…よく観直してみるとどうみてもまだ大気圏に入っていないように思えます。つまり…たまたま地球の近くまで来たときに「生きもの」のために事故が起きて、それから地球に??(^^;
・犬の顔が裂けて何かが落ちるところは、バナナか!と友人と盛り上がった記憶が。(^^;
・ジョン・カーペンター監督とカート・ラッセルのコンビはこの1年前の「ニューヨーク1997」の方が有名かも。この時演じたスネークはカート・ラッセルのハマリ役でもありましたしね。

コメントとトラックバックをさせていただきました。
サラウンドに嵌った男のブログ(take51さん)の「最近、見た映画「遊星からの物体X」「プラネットテラー」
マープルのつぶやき(ミス・マープル
さん)の「遊星からの物体X
銀幕大帝α(ヒロ之さん)の「遊星からの物体X


posted by 白くじら at 23:16| Comment(10) | TrackBack(2) | SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
へ〜!
「遊星よりの物体X」「遊星からの物体X」2種類あったなんて、初耳でした。
これを知っただけで満足♪ありがとうございます♪

記憶があまりに遠くてどっちを観たかは忘れたなぁ〜^^;
内容もうる覚えなんだけど、ストーリーを読んでて、少しだけ思い出したくらい・・すいません〜・・
確かに映画名はB級臭いけれど、この映画を好きな人、結構いるような気がします。
Posted by ARIA at 2006年05月22日 07:57
こんにちは、ARIAさん。

「遊星より…」は1951年とものすごく古いものでモノクロです。原作に忠実なのは「遊星から…」です。ただだから駄目なのかと言うと、そうではなく、これはこれでなかなか怖い作品として仕上がっている「ようです」。

ちなみにラストシーンでは全世界への警告があるのですが、この名セリフは「未知との遭遇」の仮名にもなったほどだそうです。

とにかく少しでも思い出されてなによりでした。
Posted by 白くじら at 2006年05月22日 19:00
こんにちは^^
これは名作ですね。

この作品を初めて見た時は、僕はまだ中学生でした。
なので、この種のアン・ハッピーエンドな物語がいまいちピンと来なくて、単純に奇怪なモンスターが出るSF映画として消化していたように思います。

ところが大学に入ったころに見直してみて、あまりの面白さにびっくりでした。
メンバーの血液を採取して熱した銅線でテストするシーンなどは、分かっていても未だにドキッ!とさせられてしまいます;
あのシーンは、完全に不意打ちが成立してますよね。
Posted by はち at 2006年05月30日 01:11
こんにちは、はちさん。

子供のころに観た作品って、頭の中で想像された部分で補われてしまうので、今観ると感動するものやがっかりするものなどさまざまですよね。
この作品は今観ても十分怖かったです。

血液のチェックのシーンもどきどきものでした。
実際、血液の状態でも十分パワフルなので寄生しなくても強そうでしたが。(^^;恐るべし
Posted by 白くじら at 2006年05月30日 08:05
この映画、大好きでした。
そりゃもうビデオに撮って何度も何度も繰り返して見ましたよ。
さすがに最近では観ることもなくなりましたが、そっか、今観ても十分怖いんですね。

当時は、あのラストに残った二人のうち、「どちらか一方が同化している」とか「片方の人間が呼吸をしてない(吐く息が白くない)」とかで話題を呼んだそうですが、単にカメラ映りの作用だったとか。(^^;
個人的には、最終的にどちらかが、、、というオチでも面白かったと思うのですが。
Posted by 小夏 at 2006年11月05日 14:36
こんばんは、小夏さん。

このモンスターは一部が元の生物だったというのも怖かったところかも知れませんね。
閉鎖空間で誰が敵なのか判らない恐怖を描いた作品の中では1、2位を争いそうです。

あのラストは単にカメラ映りの作用でしたか。(^^;
今でもあのどちらか一方は同化しているのでは…と思っております。また血だけでもパワフルなのであの爆発くらいではどこかに…。
余韻を残す終わり方は好きです。
Posted by 白くじら at 2006年11月05日 18:50
ジョン・カーペンター監督ならではの青を基調とした闇のシーンと例のドンドンという音楽が印象的でした。
辺り一面雪の中とか、狭い空間での疑心暗鬼の話やラストの白人と黒人のシーンなどタラちゃんにかなり影響を与えたのでしょうね。
余韻のあるラストが気に入っています。
突然人間が変身するときのタイミングもすごかった!
Posted by ミス・マープル at 2016年03月07日 11:18
こんにちは、ミス・マープルさん。

ですねー。特にあの音楽がいいですね。ラストも、盛り上げる、盛り上げる。(^^)

なるほど、確かに効果的で印象的なシーンも多かったですね。
この頃の作品は、後発の映画にはただならぬ影響を与えているでしょうね。小鳥頭な私でも、この作品の各シーンはまだ覚えていますから、かなりの衝撃だったと思います。
人間や犬が人外のものに変形していくのと、そのタイミングは絶妙でした。
緊張して、緊張して…ほっとした特にどーんと来るのが多かったですね。(@@)

トラックバックもありがとうございました。(^^)/

Posted by 白くじら at 2016年03月07日 11:29
こんばんは!
コメント&TBありがとうございました。
めっちゃ好きです、この作品。
初めて観たときは何度、ビックリ演出に驚かされたことか^^;
クリーチャー造形は今では珍しい手作りなものですけど、また味のある気持ち悪さがあって、却ってそこがこの作品のひとつの魅力にはなってますよねぇ。
血液検査の時の緊張感といったら・・・分かっちゃいるのに今観てもドキドキしちゃいます〜。
Posted by ヒロ之 at 2016年03月07日 21:28
こんばんは、ヒロ之さん。

私もこの作品は好きな作品の1本で、☆5つです。(^^)
モンスターの造形も素晴らしいですね。元の素材をうまく恐怖に変えた作りになっていたと思います。
血液検査の緊張感もよかったですね。でもって、その場でモンスター化してしまうのに縛られて…というのも怖い話です。
久しぶりに観たくなっちゃいましたねー。

トラックバックもありがとうございました。
Posted by 白くじら at 2016年03月08日 22:01
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Excerpt: JUGEMテーマ:SF映画 一般 「遊星からの物体X」 原題:The Thing 監督:ジョン・カーペンター 1982年 アメリカ映画 109分 キャスト:カート・ラッセル  ..
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Tracked: 2016-03-07 11:15

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Excerpt: JOHN CARPENTER'S THE THING/82年/米/109分/SFホラー/劇場公開(1982/11/) −監督− ジョン・カーペンター 『ザ・ウォード/監禁病棟』 −特殊効果−..
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