製作国:イギリス
監督:ケヴィン・コナー
製作:ジョン・ダーク、ミルトン・サボツキー
原作:エドガー・ライス・バロウズ
脚本:ミルトン・サボツキー
音楽:マイク・ヴィッカーズ
地底世界ペルシダーの映画化。
実業家のデビッド・イネス(ダグ・マクルーア)は友人でもある老学者ペリー(ピーター・カッシング)の設計のもと「鉄のモグラ」を作成します。
原作の説明によると先端部には巨大なドリルを持ち側面についたコンベアのようなもので掘った土を背後に捨てる設計のようです。
今日は「鉄のモグラ」の試運転の日、発射準備のできた「鉄のモグラ」の前には雄雄しくそびえる山がありました。
この山を貫き、向こう側へ行くつもりなのです。
観客たちの声援の中、出発した「鉄のモグラ」は最初からドリルの衝撃や、思ったより速度が速かったとか、コントロールが効かないなどトラブル続きでとうとう2人は気絶してしまいます(お〜い)。
やっとのことで気付いたデビッドたちは上昇していることに気付き…やがて先端部分が外にでました。
さっそく出てきた2人は妙にピンク色した空、茂っている草木からここが巨大な洞窟にある地下世界ではないかと…空の明るさはマグマではないかと考えるのでした。つまりここでは夜がないのです。
しかし彼らにそうノンキに分析をしている時間はありませんでした。巨大な鳥に似た生物が姿を現したのです。
2人はこの生物から逃げる時に、運悪く人間狩りをしていた獣人のようなサゴス族に捕まります。
捕まっていた人間は全員原始人のようでした。鎖に繋がれ連行されている内にディア(キャロライン・マンロー)と呼ばれる美しい女性と、ガークというおじいさんと知り合いになりましたが、ひょんなことからディアがフージャと呼ばれる男に、乱暴されそうになるのをデビッドが助けます。
それを境になぜかディアとガークたちの態度がよそよそしくなり、ついに次の休憩時にフージャとディアが姿を消してしまいます。
最初はしぶっていたガークも、デビッドたちがペルシダーの人間ではないことに気付き話をしてくれました。
それによるとこの世界では、女のために男が戦った場合、女は勝った男のものになるというのです。
あの時デビッドがディアを自分のものにするか、解放することを宣言すればよかったと…しかし沈黙は彼女を侮辱する結果となったのです。
愕然としながらもどうすることもできず彼らは、メーハー族の街(ほとんど洞窟)に足を進めるのでした。
メーハーとは古代の翼竜の一種で、テレパシーでサゴス族や人間を操ることのできる種族のことです。
事実上ペルシダーの支配者でもありました。捕まった人間はここで奴隷となるか彼らの食事となるのです。
1976年公開、SF作家エドカー・ライス・バロウズの地底世界ペルシダー第1作目の映画化です。
葉山猫さんの葉山の密林ブログでバロウズ作品が取り上げられていたので、レビューに取り上げてみました。地底世界、ターザン、火星シリーズなどで知られるバロウズ作品の中でも、地球空洞説に基づいたペルシダーは彼の代表作の1つ…なのですが…。
原作を知っていると1度は観たい映画かもしれませんが…生物は恐竜でもなく強いていえば怪獣の部類です。しかもストップモーションではなくぬいぐるによる特撮です。こういうのは日本の方がうまいですね。
ほぼ原作に沿ってはいるものの、感情移入をする前にいろいろなことが起こりすぎです。
ディアを付け狙っているジューバルなど強いらしいのですが、そういう見せ場がないので…またフージャはラストでの大事なシーンがあるのですが、途中でそんなに狡猾なこともなく死んでしまうし…ちょっとというか…かなりどうかな、という感想です。
珍しいところではヘルシング役者として有名なピーター・カッシングが学者のペリー役をしていて、これまた珍しくギャグというかボケを連発しているところでしょうか。こういう彼はあまり見れないかも。
【一言いいたいコーナー】
・原作では空はマグマではなく何か明るいものがあるという設定で、そもそも巨大な洞窟ではなく地球空洞説(北極、南極に穴がある)だったので、地平線もないのです。見上げれば土地が続きやがてもやの中に消えて行くという…。また訳のわからない生物ではなく、恐竜たちが住んでいるのです。
・バロウズ作品ではペルシダーもターザンも同時期の話とされているために、ペルシダーへターザンがやってくる「地底世界のターザン」という本もあります。
葉山の密林(葉山猫さんの)「類猿人ターザン −記憶に残る本 6」
葉山の密林(葉山猫さんの)「ヒューストン、ヒューストン」