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大勢の人々に見送られてロンドンからニューヨークに向かう豪華客船ブリタニック号、その船を持つソブリン海運の専務ボーターの元に電話が入りました。
男の名前はジャガーノート、彼はブリタニック号にアマトール爆薬7000ポンド、7つのドラムカン型爆弾を仕掛けたと話し始めます。要求額は50万ポンド、すでに時限装置が働き夜明けには爆発、爆弾は動かそうとしても解体しようとしても爆発すると…そしてこの話が嘘ではない証拠に、デモンストレーションとして小規模な爆発を起こすのでした。
ボーターはすぐさまお金を払うことにしようとしましたが、政府はそれを拒否。
過去の事件からテロリストには屈せずという信念をもって、不敗のチャンピオンの異名を持つファロン少佐(リチャード・ハリス)率いる爆弾処理班をブリタニック号に向かわせ、警察には過去の記録を調べさせ爆弾に携わった人間の洗い出しを始めるのでした。
おりしも北太西洋航路は暴風雨の圏内に入り、連絡を受けた船長(オマー・シャリフ)は受け入れのために救命ボートを下ろしますが、隊員の1名が力つき流されてしまいます。
まずはドラムカンに横に小さな穴を開ける作業から始まりました。当然振動感知装置も入っていると考えられるため、船の振動よりは低く、そしてゆっくりと…しかし自動解体装置が動く中、その中に閉じ込められてしまった客とポーターがいたためにドアが開き、慌ててしまった隊員が爆発を起こさせてしまいました。
横手からは無理と考えたファロンは正攻法、正面のネジ止めされている箇所から解体を始めることに…解体手順は、リーダーのファロンが先導して解体を始め、続いて第1助手のチャーリー(デヴィッド・ヘミングス)が、そして残りの人間が後に続きます。もしファロンが爆死するとあとをチャーリーが引き継ぐことになるのです。手順はロンドンに連絡され控えられて解体作業が開始されるのでしたが…。


さすがtonboriさん、渋いところを持ってきますねぇ。(^^)
この作品はパニック映画ですが、人がパニックになるところを描くというよりも、爆弾処理班の緊迫感を前面に押し出している作品で、他の作品とは一線を画しているでしょう。サスペンス映画かな。作業自体は地味といってもいいと思いますが、そこにあるのは製作者と解体者、プロとプロとの静かな戦いなのです。解体者は負けると即、死が待っています。その駆け引きが面白いと思います。
解体処理班は数人いますが、前面に出てくるのはリチャード・ハリス演じるファロン少佐、そしてその片腕と言うべきチャーリーです。この2人は死の危険をどうやって克服しているのでしょう。お互いの信頼感は非常に高く、傍で仕事をしていても平然としていますが、実際普通の人だと生きた心地がしないでしょう。
それにしても政府がテロには屈しないところも大事ですが、そのために1200人の命を危険にさらすのもどうかと…こういう場面ではネゴシエイターが登場するものですが、当時はそういう存在はいなかったのでしょうかね。かなり荒っぽい対応だったと思います。(^^)

・やっぱりなんと言っても解体シーン。最初にネジを回すところから好きです。ネジの部分がアップになるところなんてたまらなくいいですねぇ。それにコードをニッパーでパチンと切るところ…実際に間違っていたらパチンがこの世で聞く最後の音なのかも。この音も素晴らしくいいです。今まで蓄積した知恵を振り絞って罠を回避していくのは緊迫感アリです。
・テロに屈しないと言うだけの政府に対して、ソブリン海運の専務ボーターの人命第一主義。こういう対比があってこそのラスト近くのボーターの叫び。政府のお偉方にも何かドン!と罰を与えて欲しいものです。
・ドラムカン内部から覗き込んでいるリチャード・ハリスの顔が見える構図がいい。
【ここは問題かな?】
・太った船内乗務員スカートの場を盛り上げようとする行動があまりにも多く、以前観たときには鼻についたのですが、今観直すと彼も大変だったんだなぁと思います。でもやっぱりシーンが多すぎかな。(^^;
・とても1200人も人がいたようには思えませんでしたが…。
・なにげに周囲の人間の描写がさっぱりしすぎかも。子供の母親もしかり、あのポーターさんの死に様はかわいそうですが…そのままラストまでスルーしていましたねぇ。
・ラストでもし間違っていた場合…あの状況だと、全員間違ったコードを切って大爆発だったと思うのですが。(^^; やっぱりちゃんと切る前には言わないとね。最後でプロらしからぬ行動だったと思います。
【一言いいたいコーナー】
・ラストで衝撃信管があることがわかりましたが、これは線を間違ったらそこで初めて機能するのでしょうか。でなければあれでは少しの揺れでも触れてしまいそうですよね。のわりにはそっと元に戻していたし…判らない。
・今でこそ解体シーンにつきものの「赤」「青」のコード。生と死を分かつシチュエーションですが、最初にコレを描いたのがやはりこの作品だったようです。その後の作品、「リーサル・ウエポン3」「アルマゲドン」(もあった?)「パトレイバーOVA2話目」などでも数多く使われています。
・私が劇場で観たときには、地下鉄のパニック映画の傑作「サブウェイ・パニック」と2本立てでした。両方ともパニック映画で、しかも両方とも傑作って驚きます。


web-tonbori堂ブログ(tonboriさん)の「今、この作品を観るという事「ジャガーノート」」
映画鑑賞の記録(miriさん)の「「ブログ DE ロードショー」 次回のお知らせ等 / 今回の作品の感想文」
子育て 時々 映画(マミイさん)の「選択のプレッシャー」
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【関連する記事】
ちょうどこの時期に観るにはちょうどいいかなの1本で選んでみました(^^;
でも太った宴会部長さんは他の方には結構うけていたようです。
何かをくすぐるのかもしれませんね(笑)
バニスター夫人にも手を握ってもらったりもしてましたし。
ラスト確かにそうですがあそこは犯人との心理の読み合いを優先したんだということでご勘弁を(苦笑)
>・ドラムカン内部から覗き込んでいるリチャード・ハリスの顔が見える構図がいい。
この映画は、この部分だけで、当時きっと最先端で衝撃的だったのでは?と思います。元祖って良いですね〜!
>・太った船内乗務員スカートの場を盛り上げようとする行動があまりにも多く、以前観たときには鼻についたのですが、今観直すと彼も大変だったんだなぁと思います。でもやっぱりシーンが多すぎかな。(^^;
あの人はあれくらい露出で良かったような気がします。
>・なにげに周囲の人間の描写がさっぱりしすぎかも。
そうですよね〜。特に女性が描けていないです。あのバカな男の子の事以外でも、何と言うか女性に対する目線のほぼない、ひどく男性目線の70年代の映画でした。
中高生の頃、この映画を「男の子が見る映画」と決めつけていたのですが、それはきっと正しかったのでしょうね〜。でも多分若い時に初見していたら、母親の気持ちとか分からないし、女性目線全然気にせず楽しめたような気はします。
今回もご鑑賞と記事を有難うございました☆
この記事をいつもの記録にリンクさせて頂きますね〜。
明日から投票ですので、またどちらかがお誘いに参りま〜す♪
20回目おめでとうと書いてくださり、本当に有難う〜♪
爆弾処理のシーンはいいですよね。ああいうプロの仕事を見ると燃えます。パチンと切る音も緊張が高まって最高です!
>ラストでもし間違っていた場合…あの状況だと、全員間違ったコードを切って大爆発だったと思うのですが。
これ私も思いました(今まで忘れてたけど。笑)
他の処理班のひとたちをあまり映していなかったし、ファロンと亡くなった部下以外はほんとにいたのかなぁという気すらします。
犯人がどうやってあんなに爆弾を設置したかもわからないし、最初っから爆弾1,2個にしときゃよかったのに。
すみません、ちょっと時間がなくって、コメントやトラックバックは帰ったらさせていただきますね。
miriさん、ブログDEロードショー画像は「お借りしましたー」でいいですよ。(^^)
>miriさん、ブログDEロードショー画像は「お借りしましたー」でいいですよ。(^^)
本当にありがとうございます☆
右枠外のチャットのところにも書いてくださり、有難う〜!
では、お言葉に甘えて、お借りいたしま〜す♪
ところで、今日から「次回のブログDEロードショーの作品」を、皆で選ぶ投票が始まりました。
1日に1回、ご投票して頂けます。
是非、お願いいたします。
詳しくはこちらで〜!
http://saisenseisuki.blog97.fc2.com/
http://anoken.blog18.fc2.com/
大傑作じゃないですか。
爆弾解体シーンは伝説的ですよね。
『ジャガーノート』を知らずに、爆弾映画を語るな、とゆーぐらいだし。
同時期に色々パニックもんがあったけど、コレと『パニック・イン・スタジアム』は地味だけど、スリラー演出がうまくて大好きでしたね。
↑のチケット画像、かっこいいです!
見た瞬間に「おぉ!」と思わず声が出ました。
>・やっぱりなんと言っても解体シーン。最初にネジを回すところから好きです。
本当にネジ1本でも間違えたら確実にジ・エンドですから
その緊張感はただならぬものがありましたね。
こんな状況でも乗客はパニックにならないし、
解体には異様なほどの緊張感があるし、
シブくて見ごたえのある映画でした。
チョイスお疲れさまでした。
私も一度選びましたが、悩みますよねぇ。(^^)
私も後で皆さんのをレビューを読んでみて、結構カルト映画だったと思っていたので気に入られている方が多かったことにビックリするとともに嬉しかったです。緊迫感のある作品ではいい緩急が付けられてよかったのかもしれませんね。
ラストでのツッコミはヤボというものかもしれませんねぇ。
でも、全体を通して昔から好きな作品です。
トラックバックさせていただきます。
ドラムカン内部の構図は画期的だったと思います。ぞくっとしますね。(^^)
>あの人はあれくらい露出で良かったような気がします。
あはは、そうでしたか。
緊張感が途切れるのと、いい緩和になるのとのギリギリの境目でしたねぇ。
>何と言うか女性に対する目線のほぼない、ひどく男性目線の70年代の映画でした。
なるほど。どうしても作品自体が、解体作業に重きを置いていたようですからね。私ももう少し周囲の人間の話と後の余韻が欲しかったところです。
ほぼ同じ年の私とmiriさんでも、男女間の温度差はあるでしょうしね。(^^)
投票のコメントもありがとうございました。
さっそく投票させていただきましたが、これは12時間に1度できるのですね。
それにしても、こういう投票にも画像が作っておけばよかったかな。(^^;
トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせていただきます。
本当ですね。あのパチンという音には緊張感があったと思います。
まぁ、ラストのシーンはツッ込むと実も蓋もなさそうですが…確かに他の処理班の人間はほとんど出てきませんでしたけど、ラストをパチンと切っていたので、一応付いていっていたようですね。その穴埋めの航海士さんも。(^^)
爆弾の仕掛け方法に関してはさらっと流してましたね。
入るより出る方がチェックが厳しいらしいですが…あのドラムカン1人ではちょっと無理でしょうし。(^^;;
そういえば、ジャガーノートも仕掛けを少しずつでも変えていたらよかったのに…とも思えますが、絶対の自信をもっていたんでしょうねぇ。
新旧共にコメントしていただき、ありがとうございます。
>爆弾解体シーンは伝説的ですよね。
>『ジャガーノート』を知らずに、爆弾映画を語るな、とゆーぐらいだし。
まさにその通りですね。
あとの作品に多大な影響を残していますねぇ。
なかなかこの緊迫感を超える作品を作るのは難しそうです。
「パニック・イン・スタジアム」のよく出来た作品でしたねぇ。
無差別殺人の恐ろしさは、この作品がよく描かれていたと思います。
最近リメイクがあったようですが、どうだったんでしょうねぇ。
今回のチケットは、当時のジャガーノートのチラシから作成しました。
丁度リチャードハリスのUPがあって、そのシーンが気に入っていたので使ってみましたが、格好いいようでよかったです。ありがとうございます。
乗客はたしかにほとんどパニックになっていなかったようで…嵐で逃げることも出来ず…なにげにキャアキャア言っているよりもリアルだったのかも。
解体作業は緊迫感があってよかったですね。
トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせていただきました。
ご連絡と非公開コメントを有難うございました☆
ちょうど今日が告知日でして、今回はお誘いしないように決めていたのですが、
ご連絡を頂けたので、お誘いさせて頂きますね〜。
他の件は、メールでお返事させて頂きます。
ご無理のないようにお過ごしくださいませ〜(ペコリ)
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今月も「ブログ DE ロードショー」 のご案内に参りました。
作品名は「オール・アバウト・マイ・マザー」1999年・スペイン製作作品です。
「陽面着陸計画」のなるはさんが選んでくださいました。
日程は9月23日(金)〜25日(日)です。
もしご都合が良かったら、是非、ご一緒に楽しみましょう〜☆
詳しい事はこちらで宜しくお願いいたします。
http://saisenseisuki.blog97.fc2.com/blog-entry-1745.html
気を使っていただき、ありがとうございます。
また、お誘いありがとうございます。
引越しが26日なので、今回は観賞はできてもレビューは復帰時になりそうです。
よろしくお願いいたします。