![]() 製作国:アメリカ 監督:デヴィッド・クローネンバーグ 製作総指揮:メル・ブルックス 製作:スチュアート・コーンフェルド 原作:ジョルジュ・ランジュラン 脚本:チャールズ・エドワード・ポーグ 撮影:マーク・アーウィン 音楽:ハワード・ショア amazon.co.jpで詳細を見る。 |

合理的主義の科学者セス・ブランドル(ジェフ・ゴールドブラム)はバートック産業のパーティで、1人の女性ヴェロニカ(ジーナ・デイヴィス)に惹かれます。
彼女を家に招待し物質転送機テレポッドを得意に見せるセスでしたが、実はヴェロニカはパーティクル誌の依頼でパーティの取材に来ていたジャーナリストだったのです。まだ発表の段階ではないと記事にするのは止めるようにというセスを無視し、ヴェロニカは社に戻り編集長ステイシス・ボランズ(ジョン・ゲッツ)に説明するのですが、ボランズはよくある手品に引っかかったのだと取り合いません。
そこに彼女を追いかけてきたセスは、彼女を食事に誘い、その席でまだ生物が転送できないことと、最後には自分で転送するので本を書けばいいと勧め、とにかく今は発表しないでくれと頼み込むのでした。
こうしてセスとヴェロニカは密着取材を通して、次第に好き合うようになっていくのでした。
一方、ボランズはセスがかつて若干20歳でF32チームのリーダー、ノーベル賞候補にもなったことを知り、彼は本物だと信じるようになりますが、その一方でセスとヴェロニカが愛し合っていることに嫉妬を覚えるのでした。
彼はヴェロニカの元彼でしたが、まだまだ未練が残っていたのです。しかしヴェロニカは彼に情報を渡すことは拒否、彼は苛立ちを隠せませんでした。
やがて転送実験はヒヒを転送できるほどになりました。
転送後のヒヒの検査には数週間を要しますが、セスとヴェロニカは祝杯を上げることにするのでした。
そんなとき、届いていたパーティクル誌の郵便物に目を止めたヴェロニカは、その中身が先走ったボランズがセスのことを公表した雑誌であることに気付き、ボランズに直談判するために出て行ってしまうのでした。
彼女がボランズに会いに行ったことにセスは、裏切られた思いで酔っ払い、腹立ちまぎれに自分を使った実験をしてしまいます。そのポッド内にハエが紛れ込んでいるにも気付かず…。
こうして遺伝子レベルで細胞融合してしまったセスは、その日から肉体の異常を起こし始めます。
最初は絶好調で、SEXも何時間でも行えるほどの体力精力を持ちますが、言動、そして体がしだいに崩れ始めハエの特性を持ち始めます。彼を気遣い懸命に看病をしようとするヴェロニカを追い出し、一人建物にこもるセス…そして4週間が過ぎました。
ヴェロニカは妊娠していることに気付きます。
しかしセスのあまりの変わりように医者(デビッド・クローネンバーグ)に中絶を頼み…しかしそのことを知ったセスは病院を襲撃し彼女を奪い取ります。
コンピュータ分析をして、ポッドの転送時にハエが混じっていたことに気付いたセスは、解決方法をコンピュータに求めていたのです。
そのはじき出した方法とは!

1958年「蝿男の恐怖」
1959年「蝿男の逆襲」
1986年「ザ・フライ」
1988年「ザ・フライ2 二世誕生」


ただのリメイクに止まらず、転送機の解釈に大きな違いがありました。旧作では頭と左腕が入れ代わるという大きさに無理のある転送だったのですが、今回は遺伝子レベルで再融合してしまっています。そのために基本的な解決方法が「無い」のです。
これはコンピュータの解析能力にも大きな違いがあるようです。
テレポッドのコンピュータは妙にファジーなのです。(^^; 判らなかったらエラーを出すとかそういうところはなく、なんとかしようと頑張るのです。2つの遺伝子情報があり、困ったコンピュータは混ぜ混ぜしてしまったのです。おおっ!!
表皮がでんぐり返ったり、ステーキの肉に味に関する要素が抜けていたりと、こういう失敗は実験には付きものとはいえ面白い。
それにしてもコンピュータにはデータが蓄えられているようなので、一度解析した物質は元が無くても再合成できるような気がしますね。同じものがわらわらと。(- -;
今半はセスの壊れっぷりがなんとも凄い、この辺りはデビッド・クローネンバーグ監督ならではの演出が光っています。
それにセス役のジェフ・ゴールドブラムの、神経質そうな演技もそれに輪をかけていますね。
彼はこの役が当たり「ジュラシック・パーク」にも抜擢されたと聞きます。目が大きいところもこの役にピッタリだったかもしれません。
ちょっと嫌な存在がボランズ…「まだ未練があるのだろう」とヴェロニカにいいつつ、部屋の鍵を返せといっても返さず、ストーカーはするし、困ったおじさんです。あなたが未練たらたらでしたよ。
ラストの衝撃シーンはまぁこれはもう仕方がないですね。はい。なむなむ。
それと忘れてはならないのがヴェロニカの存在。前作同様に恋人である女性はあくまでも科学者を愛し、恐怖に耐えなんとかしようとするのですが、その結果は悲劇でしかありません。
これは悪夢のラブロマンスでもあるのかもしれません。
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これも、リメイクだったんですね・・知らなかった(汗)
最初のだっか、2だか忘れたのですが、実験の為に
犬が使われて、グチャグチャに再生されてしまい
それでも、生きてるのがありましたよね。
それを、誰だっかも忘れたのですが、天国に送ってあげるの・・・もちろん、優しさから
あの場面が、今でも、印象に残ってて・・変な所ばっかり
覚えてる私です。
犬がかわいそうなことになったのは2の方ですね。
今、レビューを上げておきました。(^^;
1と違って2ではそういう実験体としての悲惨さがある作品でしたが、どうしても子供が主人公ということで悲惨なままにはしておけなかったのでしょうか。ちょっと拍子抜けというか、まだまだ甘い部分(ちょっとご都合主義的)があったように思えます。
怖さとしては1の方が上でした。