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2006年08月06日

アイデンティティー

階段を上がっていたらまた会った。姿のない人に。

アイデンティティー コレクターズ・エディション2003年(IDENTITY)
製作国:アメリカ
監督:ジェームズ・マンゴールド
製作総指揮:スチュアート・M・ベッサー
製作:キャシー・コンラッド
脚本:マイケル・クーニー
撮影:フェドン・パパマイケル

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ストーリー
1998年5月10日、アパートの住人6人が惨殺される事件が起こりました。犯人はマルコム・リバース…しかしその死刑執行の前夜、彼の再審理が行われるという異例の出来事が起こったのです。それはいったいなぜ…。

ときを同じくして豪雨の中、元娼婦パリスが撒き散らした雑貨がきっかけでバョージの車はパンク、停車しているときに妻アリスが後ろから走ってきたエド(ジョン・キューザック)の車にはねられるという事故が次々と起こってしまいました。

豪雨のためか携帯、電話は通じず、エドはなんとか50キロ先にあるという緊急病院へ向かおうとしますが、それも豪雨のためにまるで湖のような陥没があり、やむなく彼らは近くのモーテルに集まることになりました。
さらに囚人を護送してきたという刑事ロードも加わり、モーテルには主人のラリー、3号室エド、4号室ジョージ、妻アリス、息子ティミー、6号室新婚のルーとジニー、7号室パリス、9号室女優カロライン(エドの主人)、10号室ロードと囚人の11人が集まりました。

やがて携帯を使おうとしたカロラインが、豪雨の中で惨殺されます。
エドが発見したのは洗濯機の中で回る彼女の頭、胴体はいったいどこに?さらにそこで発見されたルームキーNo10は何を意味するのか、次々と死んでいく人たちはどうして死ななければならないのか、謎を探すエドは…。

映画レビュー
オススメこの作品はアイデアが秀逸でした。
最初のタイトルが出るときまでにもヒントとなる言葉や、クレジットが消えるときの単語を合わせるとIDENTITYになるとか…そもそもこのIDENTITYの意味、そしてマルコムが解離性同一障害であることが判ります。多重人格ではというのは当然判りましたが誰がそうなのか、どうして人々が死んでいくのかは判らなかったところには脱帽です。多重人格もので同じように見せるものとして漫画ですが「ダークグリーン」の中にもありました(すっかり忘れていましたが)。

作品内には怪しいところが満載であったことも眼くらましの要因の一つでしょう。
たとえば、あまりにも偶然性の高い事故、「ファイナル・デスティネーション」「デッド・コースター」的なあり得ない関係をもって集まってくること。普通殺人には動機があるためにこれで彼らが殺されるということは無差別である可能性が高く、それではサスペンスにはなり得ないのです。
また8号室にと言われていたのになぜか9号室に入っていた女優カロライン、そしてナンバーが壊れていて6号が9号になってしまうところ、逃げ出した囚人がまたモーテルに戻ってくるところ、刑事のロードの背が血に染まっていたところ、死体が消えるところ、先住民墓地の存在…この最後の問題など「あれ、オカルト?」とまで思わざるをえません。
そしてモーテルや売春婦に関連の高いはずのマルコムの再審理が、「同時」に行われていたことが最大のポイントでした。

驚いたことにこれらの謎は2/3ほど話が進んだところで明らかにされます。これによってかなり不条理と思われた最初の事故も、ある程度理由付けされてしまうのです。

惜しむらくは決着が付いた時に、周囲の人間たちがあまりにも簡単に事件が終わったこと信じていたことです。
どうしてこれほどの人物が言ったことを信じてしまうのでしょうか。中を覗きこんだわけでもなく呟きにも似た言葉だったというのに(覗きこんだのは観ていた私たちだけだ)。
しかもあれほどひつこく出ていたルームキーの番号の決着も付いていません(そうなのです。これは殺人犯が出していたわけではないので出なければならないのです!)でした、となるとおのずと最後の場面が推測されてしまいました。

しかしこの作品は、このラストにまで持っていくストーリーが非常に巧妙(なんでもありなので反則?)になっていて、謎が判った時点で「おお、なるほど」と思いました。ラストが普通のオチだったのが残念でしたが、面白いサスペンスでした。観ていない人にはオススメですね。

【一言いいたいコーナー】
小さい時に受けた傷というものは、痛く大きいものなのだ。

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posted by 白くじら at 00:13| Comment(14) | TrackBack(8) | サスペンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは〜

これ見せてもらいましたぁ〜
白くじらさんのレビューで、かなりネタバレしてますが(笑)
私、初めからエドが鏡に映るまで、スッカリ騙されました。それまで、チョット訳が分からなかったのですが
エドの姿で、納得してしまった(汗)

どおりで、死体が、血痕も残さず、綺麗サッパリ消えてる
訳だ!・・・この映画、私、かなり楽しめました!!

ここまで、見てる側を騙せる映画は、絶対合格点です(^_^)v・・と私は思います。

トラバさせてください。
Posted by アニー at 2006年10月11日 23:00
こんばんは、アニーさん。

この作品には私も唸らせられるところが多かったです。
謎がバレルところまでは非常に楽しめました。ああでもない、こうでもないって感じでしょうか。
死体が血痕も残さずとか、実は何でもほとんどアリだったので、この作品は2度目の鑑賞が結構面白かったです。(^^;

ラストがちょっと惜しかったですが、サスペンス好きなひとにはオススメでしたね。

トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせていただきました。(_ _)
Posted by 白くじら at 2006年10月12日 00:02
こんばんは。

TBさせたいただきました。
この映画は脚本が非常によく、うまいつくりの映画でした。
なかなかおすすめの映画ですよね。
Posted by イエローストーン at 2006年12月03日 02:26
こんにちは。

ホントですね。
謎が判るまで結構考えさせられましたが、どうしても判らずやられました。
こういう映画の作り方もあるんだと唸らされしまいましたね。

トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせていただきます。
Posted by 白くじら at 2006年12月03日 09:43
白くじらさん、こんばんは。
コメント&TBありがとうございましたぁ
とても嬉しかったです!!

「アイデンティティ」最高でした。
登場人物が多いのに、キャラがかぶる事もなくスッキリ!
さすがです。

個人的には、レベッカ・デモーネイに全く気づかなかったのには残念でしたぁ
彼女って、今のハリウッドではあんな感じなんでしょうかね〜

また遊びに来ます(^^)
では、また〜
Posted by 小六 at 2007年02月11日 19:51
はじめまして、小六さん。
いらっしゃいませ。

これはなかなか秀逸な作品でしたね。
私もお気に入りの作品です。
キャラがかぶっていないのもよかったです。でもよく考えると、この条件下ではかぶってはいけないという約束もありますね。(^^;

レベッカ・デモーネイは…私も漠然と観てしまっていました。(- -;;「バックドラフト」はもうずいぶん前でしたし、うーん。

トラックバックありがとうございました。
またぜひどうぞ。(^^)/
Posted by 白くじら at 2007年02月11日 23:31
こちらにもお邪魔しました。
白くじらさんの記事は読み応えがあるので、他の所にもお邪魔したくなりました。。。(インフルエンザなんだから寝てろよ、ですよね・笑)
この映画は、TV鑑賞だったのですが、物凄く面白かったです。予想出来ない展開に、すっかり惹きこまれました。よく練られた脚本でしたね。今度はDVDで、ジックリと観たいと思っています♪
Posted by 由香 at 2007年03月25日 16:34
こんばんは、由香さん。
インフルエンザは大丈夫でしょうか。(_ _;;

そう言っていただけると嬉しいです。
別名、重箱の角つつき!ともいいますが。(^^;

この謎はわかりませんでしたねぇ。
タイトルなどから二重人格がらみということは判ったのでが、こういうオチにつながっているとは。アイデアは未だつきないという見本でしたね。
これもまた「デジャヴ」と同じで、もう一度観直したくなる作品でした。

トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせていただきます。
Posted by 白くじら at 2007年03月25日 19:13
白くじらさん こんにちは!
さすがに細かく観てますね〜
>最初のタイトルが出るときまでにもヒントとなる言葉や、クレジットが消えるときの単語を合わせるとIDENTITYになるとか
全然気づきませんでした!
深いですね〜
この映画の後に,同じ脚本家の
「リプレイ」を観ましたが,こちらは
若干まとまりが悪い感じでしたね!
Posted by hiro at 2007年07月16日 17:54
こんばんは、hiroさん。

あはは、私、サスペンスを観るときには姿勢がずいぶん違うので。(^^; 全編伏線があると思って記憶の中に残っちゃうのです。
そのくせ鳥頭なので、数日しか持ちませんが。
この作品は、そういう伏線があるにも関わらず判らなかった作品でした。(_ _)

「リプレイ」はまだ未観です。むむイマイチでしたか。
一度は何かの機会に観ておきたいですね。
Posted by 白くじら at 2007年07月16日 22:48
こんばんは^^
トラックバックとコメントありがとうございました

多重人格物であるというのは冒頭からわかるものの、白くじらさんがいわれているとおり、たくさんの伏線が、タイトルどおりであるこの作品の謎部分に到達するのを妨げる役目をしていたと思います
原住民の墓なんて、もういわくありげでしたよねー!

ただ、1つ気になることが…
ミステリーとして考えるとすれば、真犯人である彼には出来ない犯行があったと思うのですが…(精神の中だから可能 と いわれればそうなんですが…)
なかなか面白い作品でしたねー^^
Posted by ヨヨ at 2009年02月26日 19:34
こんばんは、ヨヨさん。

ですね。多重人格ということは判っても、伏線の多さとあのような見せ方をしているとは思ってもいなかったです。原住民の墓が出てきたときには推理をオカルトの領域まで広げてしまいました。(^^;

どの部分の殺人でしょう…観てからかなり経っているので細かいところが。(-o-;; これはもう一度観直さないといけないかな。
ただ、おっしゃられているとおり、精神の中だからといわれると、もうどうにもならないですけど。(^^;

トラックバックありがとうございました。
Posted by 白くじら at 2009年02月26日 22:10
こんにちは!
やられましたよ。
よくできたサスペンスものでした。
タイトルに意味があると思いながらもいかにも怪しげなレイ・リオッタに目がいって
まんまと罠にはまりました。笑
見せ方がうまいよね、

>小さい時に受けた傷というものは、痛く大きいものなのだ。

トラウマは人生にあたえる影響は強いね。
Posted by アイマック at 2010年08月23日 12:45
こんにちは、アイマックさん。

これは私もやられました。
いろいろな伏線があったので、そちらにばかり気が行っていて肝心なところが…こういう心理的描写もあるんだ。と脱帽のおもいです。まだまだ作り方には可能性がありますね。

トラウマを乗り越えるのは難しいですね。
私も1だけあるのですが…なかなか難しいですね。奥底にあるんでしょうねぇ。

トラックバックもありがとうございました。
こちらからもさせていただきます。
Posted by 白くじら at 2010年08月24日 18:45
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