映画レビュー一覧(あいう順)映画レビュー一覧(年代順)待機・予定作品B級映画を創ろう!準備中

2006年08月10日

ソイレント・グリーン

科学という魔術が水を汚染し、土壌を汚して動物や植物を殺した。

ソイレント・グリーン 特別版1973年(SOYLENT GREEN)
製作国:アメリカ
監督:リチャード・フライシャー
製作:ウォルター・セルツァー
原作:ハリー・ハリソン「人間がいっぱい」
脚本:スタンリー・R・グリーンバーグ
撮影:リチャード・H・クライン

amazon.co.jpで詳細を見る。

ストーリー
2022年ニューヨーク、人口4000万人…人口増加と環境汚染に見舞われた人類は、明日への食料をソイレント社が作っている高栄養植物食品に頼っていました。
今もTVではレッド、イエローに次ぐ、海中プランクトンで作った奇跡の高栄養食品ソイレント・グリーンを配給する、というニュースが流れていました。
街ではこのチップのような食べ物が一般的で、本物の食べ物など一部の上流階級の人間でなければ食べることはおろか見たこともないありさまでした。食料を巡っての暴動も日常茶飯事でした。

ある日、上流階級の人間が頭を鈍器で殴られて死ぬという事件が起きました。
担当になったソーン刑事(チャールトン・ヘストン)はその暮らしぶりに驚きながらも、バーボンや食べ物を押収、護衛役のタブ(チャック・コナーズ)と「家具」(部屋に付いている女性のこと、何でもしてくれるらしい)のシャール(リー・テイラー=ヤング)が怪しいと探りを入れ始めます。

やがてソーンはいつしか自分の背後に、尾行者がいることに気付きます。

一方ソーンの友人でもあり「本」(情報を集め調べる人のこと)である年とったソル(エドワード・G・ロビンソン)は、ソーンが押収したソイレント海洋調査報告(2015〜2019)全2巻を調べているうちにあることに気付き、情報交換所にいる年老いた仲間とさらに調査…その結果恐るべき事実にたどり着きます。
愕然としたソルはそのまま「ホーム」へと歩き出しました。
「ホーム」はソルを向かい入れ、彼はもう見ることのできない過去の自然や生きものの映像の中でその生涯を閉じます。追いかけてきたソーンに何事かつぶやいて…。

ソルの最期を看取ったソーンはその遺体、いやソルだけではありません。「ホーム」で死んでいった人たちの遺体がトラックに積まれて工場へ運び込まれていくのを追いかけ、その中でついに真実を知ります。
そう、ソイレント・グリーンとは…。

映画レビュー
オススメハリー・ハリソンの「人間がいっぱい」を原作とした近未来の作品です。
食糧危機を乗り切るために打ち出された施策ソイレント・グリーン。いつかはホントに起こるかもしれない、でも考えたくはない結末は、見ていてやはり空恐ろしくなります。
この時代すでに警官は堕落しており、現場から平気でいろいろなものを証拠品とも言わず押収したり、権力をかさにやりたい放題と…ヘストン扮するソーンもそんな刑事の1人でしたが、なぜか事件だけは解決させようとする辺りはやや違和感アリかな。

年老いてしまい過去を懐かしむソルはホントに物悲しい。ソーンが押収してきたバーボンやトマト、牛肉などもはや見ることのできないだろうと思っていたものを前に嬉しそうに喜ぶソル、しかし彼は人類の行く末を知り、過去に囲まれて死んでいきます。それは過去を思いだし、過去の中でしか生きられなくなった、それでも過去へは戻れない人間の悲しい運命でした(流れる曲はベートーベンの田園)。
ラストの瞬間のヘストンの叫びは果たしてあの時代の人に届いたのでしょうか。聞いていたのは彼の上司、そして上司はソイレント社と繋がっているのです。この作品では人口過多、食糧難、汚染…そしてさらには社会の一部が絶大な力を持って支配している未来をも描かれているのです。
しかしヘストンの叫びは現実に起こりえることとして私たちに届きます。届かなければならないのです。

Number149【一言いいたいコーナー】
・この作品が遺作となったソル役のエドワード・G・ロビンソンは撮っているときはもう耳がよく聞こえなかったそうです。それでもそんなことを感じさせないヘストンとやりとりはさすが名優でした。
・中盤辺りで暴動を鎮圧するためにでてきたのがブルドーザー、前部の巨大なシャベルで文字通り撤去、持ち上げては後ろに人間をおとします。まるで人間をモノ扱いをしているところもこの映画の怖さが二重になっていると思います。
・ソイレント・イエローというのは大豆から出来ていたようです。レッドはトマトかな?そのほかにもソイレント・パンだのソイレント・クズなどがあって唯一パンだけがパンの形をしていました(なんのこっちゃ)。
・シャールがやっていたゲームはアステロイド?ちょっと違うかも。

TRACKBACK
★☆カゴメのシネマ洞☆★(カゴメさん)の「★「ソイレント・グリーン」、老いと死と食う事と★」
 


ラベル:映画 DVD SF
posted by 白くじら at 22:26| Comment(2) | TrackBack(1) | SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
白くじらさん、TB、感謝です♪

おおー! この映画のレビューが拝見出来るとは!
何だか、懐かしき旧友に出会った気分であります。

>ラストの瞬間のヘストンの叫びは果たしてあの時代の人に届いたのでしょうか。

あそこまでモラルが減衰している状況下だと、
「まー、しょうがねぇんじゃねぇのぉ」になりそうで、
それも又、怖いですね…。

>シャールがやっていたゲームはアステロイド?ちょっと違うかも。

カゴメは十代前半の頃、
ボウリング場でまったく同じゲームした覚えがあるですよ。
SEGAの初めてのオリジナルアーケードゲーム「ペリスコープ」(魚雷戦のヤツ)もリアルタイムで経験してますです。(歳がバレバレ。笑)
Posted by カゴメ at 2006年08月12日 15:04
こんばんは、カゴメさん。

レビューを読ませていただきましたが、同じように子供のころに観ていますし、ひょっとして同世代??とか。(^^;

ラスト…「まー、しょうがねぇんじゃねぇのぉ」と来ると、やっぱり怖い話ですよね。
出来ればみんなに気付いて欲しいですが、それで食糧難が止まるわけでもなし…うーん、です。
そのことは闇から闇に。

「ペリスコープ」って…ひょっとして遊園地などであった潜望鏡を覗きこんで、魚雷発射すると赤い光が走って奥を進む艦を破壊する大型筐体ゲームでしょうか。
なんだかますます…。(^^;親近感がありますねぇ
Posted by 白くじら at 2006年08月12日 21:57
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

★「ソイレント・グリーン」、老いと死と食う事と★
Excerpt: 「ソイレント・グリーン」 (1973) 米 SOYLENT GREEN 監督:リチャード・フライシャー製作:ウォルター・セルツァーラッセル・サッチャー  原作:ハリー・ハリソン脚本..
Weblog: ★☆カゴメのシネマ洞☆★
Tracked: 2006-08-12 14:43
リンクシェア アフィリエイト紹介プログラム

×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。