1985年(RE-ANIMATOR) 製作国:アメリカ 監督:スチュアート・ゴードン 製作総指揮:ブライアン・ユズナ 製作:マイケル・エイベリー 原作:H・P・ラヴクラフト「死体蘇生者ハーバート・ウエスト」 脚本:スチュアート・ゴードン 撮影:マック・アールバー 音楽:リチャード・バンド 特撮:アンソニー・ダブリン amazon.co.jpで詳細を見る。 |
スイスの医学校121号室で叫びが上がりました。
踏み込んだ警備員と女性教員(?)が見たものは、倒れたグルーバー博士に何か薬を打っていたウエスト(ジェフリー・コムズ)…慌てて立ち上がるウエストの後ろで叫びを上げるグルーバー博士。博士はそのまま血を噴出し絶命してしまいます。
「殺したのね」と言う女性教員にウエストは悪びれることもなく言いました。
「違う、生き返らせたのだ!」
場所は変ってマサチューセッツのミスカトニック医学校…医学生のダン(ブルース・アボット)は心臓の止まった患者に人口マッサージを施しますが、そのかいもなく患者は死んでしまいます。
どうしてもそれを認めたくないダンは頑としてマッサージをしようとしますが、女先生に「見切りをつけるのも大事」と諭されてしまいます。
患者を死体安置所に運んだダンとそこで実験を行っていたヒル博士(デイヴィッド・ゲール)に、学長であるアラン((ロバート・A・バーンズ))が一人の小男を連れてやってきました。
彼の名はハーバート・ウエスト。
グルーバー博士の下にいたということを聴いた瞬間、ヒル博士の眉が顰められました。彼はグルーバー博士の実験の成果を模倣していたのです。そのことを知っているウエストはヒルに「貴方の学説は遅れるている」「中途半端に模倣するからだ」と嘲笑するのでした。
ウエストはちょうど同居人を捜していたダンのところに転がり込むと、地下室を使って実験に打ち込み始めます。
ダンとその恋人である学長の娘メグ(バーバラ・クランプトン)は、少しずつウエストのことを不気味に感じ始めます。その発端は猫のルフェスが彼の冷蔵庫で見つかったことからでした。
死んでいたのだというウエストでしたが…その夜、ダンは猫の叫び声を耳にして飛び起きます。地下室で見たのはなんと死んだはずのルフェス!ルフェスはダンのことも判らず飛びかかってきた挙句…。
再び死んだルフェスを蘇生薬でまたしても蘇らしたウエストは、ダンに研究を手伝うように頼みます。学長の娘と付き合っているという秘密保持と、何より死を打ち破る可能性を見たダンは、ウエストに協力することを約束しました。
彼らは学校の死体安置所で人間を使っての実験を始めましたが、間の悪いことに学長に発見されます。しかし学長は暴れる生ける死体に殺され、ウエストは活きが悪かったから失敗したのだと、学長をも蘇生薬で生き返らせてしまいます。それでも暴れ始めた復活学長!やってきたメグのおかげで、まだ理性がわずかでもあったのかその場にうずくまったところを捕まえますが、学長がいったいどうなったのを知るものはウエストとダンのみでした。
その夜、ウエストを怪しんだヒルは地下室へと姿を見せ、死体を蘇生させる薬を自分のモノにしようとウエストに詰め寄ります。
ウエストはヒルが顕微鏡で実験の成果を興奮して見ている隙に、そこにあったスコップでヒルを一撃、床に倒れたヒルの首に突き立てて切断してしまいます。そして何を思ったのか頭部と胴体に蘇生薬を打ち、その成果を待ちます。
やがて息を吹き返したヒルの頭部を見て、嬉しそうにメモを取り始めるウエスト…しかしその背後には首のない胴体が迫っているのでした。
頭部を切り離されたヒルは、ウエストの実験資料をすべて奪い、さらに兼ねてから想いを寄せていたメグをさらってしまうのでした。
ダンとウエストはメグと資料を奪い返そうと病院へ潜りこみますが、そこにはヒルが開発したレーザードリルでロボトミー手術を受けた、死体たちが待ち構えているのでした!
1985年「死霊のしたたり」
1989年「死霊のしたたり2」
2003年「死霊のしたたり3」
なんとも言えないタイトルがついているのですが、この映画はなかなかの傑作なのです。
この作品の主人公はダンよりもやはりウエストなのでしょうか。マッドサイエンティストと呼んでも誰も文句を言わないであろう彼は、実験のためには平気であらゆるものを犠牲にしますが、こんな彼について行くダンの人生は、ここに大きく狂ってしまったことでしょう。
この作品で大きな役目を占めるのが蘇生薬です。
蛍光塗料でも入っているかのように暗闇でもぼぅと光って不気味です。この薬は蘇生はしますが、怪我などが治るわけではありません。しかも生き返るときには痛みもあるらしくもう大暴れです。
ヒルが冷静なのが不思議なのですが、彼は最初から狂っていたのかもしれません。
ヒルが生き返ってからはギャグに走っています。
あの身体になってもメグを欲しがる辺り、やっぱり…。(^^;彼はもう1人の主人公ですね。
ダンがウエストに叫んでいましたが、ホントに「ウエスト、もう辞めてくれ!!」でしたが、ラストはこの数年後の「ペットセメタリー」的な終わり方をするのでした。
どんな結果が待っていようと愛するものとは別れられない、それが人間なのです。
まるで「サイコ」に似た音楽にのって始まる生と死の物語は、悲惨な結果と共に幕を閉じようとしますが…その後、大ヒットに伴い2、3作と繋がっていくのでした。
こわいものみたさ(とら次郎さん)の「死霊のしたたり」
いやいやえん(makiさん)の「死霊のしたたり」
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なんともいえない表情と、
ヒル教授の大胆すぎる演技に呆然唖然ですよね〜
前半がちょっと長いけど、後半は腸がまきつくとことかも
「でかっ」とつっこみいれてました(笑)
ウエストくんあってのしたたりでしたねぇ。
それに敵対するヒルも凄かったです。まさに2大巨頭でしたね。
首を切ってからの異常ぶりには脱帽です。
あはは、腸は長かったですかね。私も今観るとツッコミそうです。(^^;