2003年(BEYOND RE-ANIMATOR) 製作国:アメリカ、スペイン 監督:ブライアン・ユズナ 製作:フリオ・フェルナンデス 製作総指揮:カルロス・フェルナンデス 原作:H・P・ラヴクラフト 原案:ミゲル・テハダ=フロレス 脚本:ウディ・キース 撮影:リック・フィクター 特撮:スクリーミング・マッド・ジョージ amazon.co.jpで詳細を見る。 |
クライストチャーチ墓地の近くに住むエミリーとハワード姉弟は、突然乱入して来た男性に襲われました。
彼はギクシャクした動きでしたが、もっとも目を引いたのは顎の部分がとれているのに平気なことでした。その男性は警官たちに射殺されましたが、ときすでに遅く壁に打ちつけられたエミリーは、ハワードの目の前で帰らぬ人となってしまいました。
重要参考人としてパトカーに乗せられたのは、メガネをかけた小男でした。それを見るハワードの足元には黄色く光る液体の入った注射器が…。
13年後…医学部をトップで卒業したハワード(ジェイソン・バリー)は、アーカム重犯罪刑務所の医者を志願して刑務所へ入ってきました。しかもあの事件の後ウエスト(ジェフリー・コムズ)がここに投獄されているのを知り、診療助手として彼を任命したのです。
ちょうど発作を起こした囚人の1人が運び込まれ、右往左往する看護婦を見るに見かねたウエストが、的確に指示をするのを見たハワードは、彼がやはり医学の道では天才的であることを知ります。
残念ながらその囚人を救うことはできませんでしたが、ハワードは生と死について自分と研究をしようと話し、鞄から13年前に拾った注射器を取り出すのでした。
こんなところでは何もできないと断っていたウエストもこれには驚きつつ…13年も経っているので効果は薄れているかもしれない、と言いつつも今死んだ囚人に蘇生薬を打ちました。
痛みによる凶暴化と興奮状態はいつもの通り、叫び声に飛び込んできた看守を犠牲にしながらも、囚人は取り押さえられます。
ここにウエストは裏切ったダンに代わる、新たな相棒を見つけたのです。
やがて2人は診療所の奥の部屋で秘密の実験施設を作り、蘇生薬の作成が行われ始めました。
ウエストはこの13年間ぼーとしていた訳ではありませんでした。少ない機材ながらも、小規模の実験を繰り返していたのです。
近くの官房の囚人が飼っていたネズミをモルモットにし、電気エネルギーから作りあげた新たな極少プラズマ、これを使うことによって凶暴化した死体を、おさえるができるようになったのです。しかしそれにはまだまだ実験が必要でした。
ネズミに始まり、ハワードと恋仲になったローラ(エルザ・パタキー)が殺され(惚れた所長が嫉妬と裏切りで!)、さらにその所長もウエストが…と次々と実験台にされる周囲の人々。さらに生きた死体の騒動によって開放された囚人たちの暴動と、生き返った所長による囚人の死体化によって、刑務所は阿鼻叫喚の坩堝と化してしまうのでした。
暴動と血の海と化した所内を、元の人格と凶暴な人格を持ってしまったローラを追うハワードでしたが、そこで待っていたものは…。
1985年「死霊のしたたり」
1989年「死霊のしたたり2」
2003年「死霊のしたたり3」
またまたウエスト君が戻ってきました。
さすがに歳をとってしまいましたが「ほかには手がない!」のマッドぶりは健在です。
今回は裏切り者の優柔不断なダン君に代わって、新たな相棒が登場しますが、彼の人生もウエスト君のせいで子供のころから別の道に変ってしまったようです。
病院の舞台から刑務所に移ってしまったためか、若干死体が手に入れにくいという点があるのでしょうか、力不足な点はありますが、極少プラズマという装置により、ある程度人格を取り戻せるようになったところが、注目すべき点です。
このために生き返ったローラは、まるで善と悪の2つの人格を持ち苦しむことになります。そしてそんな彼女にしてしまったハワード君も彼女を救うためには…もうこの方法しかなかったのでしょう。
全てを実験記録としてしか見ないウエスト君と違ってまだ若いハワード君には、この世界は耐えられないものに違いありません。
今回はネズミが効果的に使われていたのですが、刑務所、ネズミとくれば思いだしてしまうのが「グリーンマイル」でしょう。
あのネズミもコミカルにずいぶん芸をしていましたが、こっちのネズミも殺されて生き返った後は、波乱万丈な(第2の)人生を送り始めます。しかもエンドロール中もナニを相手に戦いを繰り広げていました。(^^;
【一言いいたいコーナー】
・確か当初はダンが死んでゾンビ化するというストーリーでついにダンも…と思っていたのですが、最初から登場もしませんでした。あのままダンは消えてしまったということでしょうか。「裏切り者」というレッテルも貼られていたようですし。
・1作目のときには「ゾンバイオ」という名もついていましたが、やっぱり「…したたり」という言葉がピッタリなのかも。(- -;;うひゃー
コップのはらわた〜映画雑談しちゃいかんのか?〜(alai Lamaさん)の「死霊のしたたり3 〜00年代!?〜」
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