|
アルバニア沖…漁船にカモフラージュしていた英国電子監視船セント・ジョージ号が網にかかった機雷のために爆発炎上し沈没してしまいました。
この船には潜水艦からの弾道ミサイルを誘導するATACと呼ばれる機器が積まれており、乗組員は突然の爆発と浸水に装置を破壊することができなかったのです。
調査を依頼した海洋学者のパブロックは妻と共に、娘メリナ(キャロル・ブーケ)も目前で銃撃され死んでしまいます。
英国情報部は007ことジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)にギリシアで捕まっている犯人を調査するように命じます。しかしその前には犯人を仇として狙うルリナの姿と謎の大富豪クリスタトス(ジュリアン・グローバー)の影が…。
一方、クレムリンではATACを船からの引き上げ専門業者から購入するべくKGBが動き始めるのでした。
イアン・フレミング原作、映画としては第12作目となります。
前作「ムーンレイカー」でついに宇宙にまで飛び出て「ドッキング」までしていた007でしたが、さすがにやりすぎ感があったのか、この作品では原点回帰という内容になっています。
特殊兵器、秘密兵器もほとんどなく、純粋(何をもって?)なスパイ映画となっています。若干地味な印象もありますが、情報合戦やスキーアクション、ロッククライミングなどアクションが減ったわけではありません。
それにしても、前2作でソ連とは共同戦線を結んでいたというのに、今回は完全なる敵役です。
とはいうものの、ラストのATACの行方以後は2者の関係は…とどのつまり争うべきものがあれば争うし、なければお互いを尊敬しあう間柄なのでしょうか。
スパイ合戦には憎しみというものは存在せず、任務、命令のみで動くということでしょう。ある意味、シリアスであり、冷酷なところでもあります。
【ここがいい!】
・原点回帰により、肉体を使ったアクションが多いもの、また007の魅力の一つです。
・作戦指令(情報)書にかかっていた帯に書かれているのが「For Your Eyes Only」。これは原作の邦題「読後焼却すべし」というスパイ特有の言い回しですが、それとは別に007らしく「あなただけに見て欲しい」という意味もあるようです。
【ここは問題かな?】
・やっぱりちょっと地味感はありかもしれません。(^^;
【シリーズのチェック項目】
・敵は謎の大富豪クリスタトス。
・最初の狙っている銃口に向けて撃つシーンは片膝を曲げての両手撃ちポーズ。
・プロローグあり。スペクターとの最後の戦いがあります。
・オープニングは歌詞アリです。
・エンディングも歌詞アリで、次回作の予告もあります。
【一言いいたいコーナー】
・M役であったバーナード・リーが前作で亡くなったために、今作ではMは登場しません。
・オープニングを歌っているシーナ・イーストンですが、タイトルバックにもその姿を登場させています。これは007史上初めてなのではないでしょうか。
・監督ジョン・グレンのシンボルは鳩なんだそうです。彼の007作品には鳩が飛ぶそうで、今作では崖から飛んでいます。
THE END of ユア・アイズ・オンリー.
But JAMES BOND will be back オントパシー.
▼ よろしければ、クリックをお願いいたします ▼
【関連する記事】