1954年(REAR WINDOW) 製作国:アメリカ 監督:アルフレッド・ヒッチコック 製作:アルフレッド・ヒッチコック 原作:コーネル・ウールリッチ 脚本:ジョン・マイケル・ヘイズ 撮影:ロバート・バークス amazon.co.jpで詳細を見る。 |
ある夏の蒸し暑い日…レース中にコースに出てしまい、事故で左足を骨折してしまったカメラマンジェフリーズ(ジェームズ・スチュワート)、通称ジェフは、今日も窓から裏庭を眺めていました。
この部屋の窓からは4つの建物に囲まれた庭と、そのアパートで住んでいる人たちの様子が窓から見えたのです。もう6週間もここに缶詰になっている彼にとっては、ここから見る人間模様だけが唯一の楽しみでした。
アートに燃える女性、夜毎男性たちがやってくるダンサー、ピアニスト、病気の妻と主人、越してきた新婚、ミス・ロンリー、最上階のベランダでなぜか互い違いに寝ている夫婦…そのちょっとした生活を見ることが、ジェフを退屈から救ってくれるのです。彼を看護しているステラは言います。「ウィンドゥ・ショッピング?」
彼の楽しみは次第にエスカレート。
双眼鏡に望遠レンズを持ち出し始め、恋人のリザ(グレイス・ケリー)とのキスの間も、考えることは住人のことばかり…しかしある日のこと、病気の妻を持つサラリーマン、ソーウォルドが深夜雨の中3度も外出を繰り返し、その後妻の姿を見かけないようになりました。
ジェフはこれは何か事件(殺人?!)が起こっているに違いないと考えます。
リザとステラもまたその話に興味を持ち、ジェフは友人のドイル刑事に連絡をするのでした。しかし…。
アルフレッド・ヒッチコック監督のサスペンスです。
場面がジェフの部屋と裏庭、そしてアパートの窓…つまりジェフの視界のみで構成され、会話も叫ばなければというかジェフの聞こえる範囲という状況でありながら、観ている者を引っ張るサスペンス仕立てはやはりヒッチコックならではでしょう。
ジェフがカメラマンであったことも、望遠レンズが使えたことと、カメラマンであるがゆえの観察力、1枚の写真に被写体の持つも全てを現すことができる彼らならではの感性の2面から攻めてくれます。
花壇のわずかな変化を捉えられるのも、ジェフならではでしょう。
ジェフたちに視線が合わないのは少し違和感がありましたが、最後のシーンにかかっていたようですね。あれはかなり怖かったです。
逆に最後のオチはかなりおちゃめだったかも。(^^;いい演出ですね。
【一言いいたいコーナー】
・ジェームス・スチュアートが「ロープ」に続き出演、グレース・ケリーも「ダイヤルMを廻せ!」に続く出演となっています。またグレース・ケリーは1954年NY批評家協会賞、女優賞を受賞しています。
・しかしジェフさん…あまりそう覗きまくるのは、今じゃ犯罪になりそうですが。それに逆に覗かれていたかもしれませんね。
・あの互い違いに寝ている夫婦…ベランダで寝ていたのは暑いからでしょうけど…なぜに互い違い??
・この映画を観るきっかけをくれた、親愛なるブログの隣人に感謝、感謝。
また、しっぶーい映画が出てきましたねー!
ヒッチコックさん、好きです。
原作者のコーネル・ウールリッチは、いい作品が多いですよね。
サスペンスなんだけど哀愁がある、っていうイメージが残ってます。
好きな作家さんの一人でした。
今となっては、覗き魔もいいところですが、こういう設定での推理モノは面白いですね。
私もヒッチコックの作品は好きで、少しずつ観直してレビューしていきたいと思っています。
そう、単なるサスペンスだけにとどまっていないところが、なんとも言えずいいですね。
謎解きだけになってしまっている、最近のものとは、やっぱり一味違いますね。