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ニューヨーク、第一級殺人事件の裁判が3日間に渡って行われました。
被告の少年の運命は12人の陪審員に委ねられ、彼らは別室での検討に入りました。
彼ら陪審員は郵便で通告された市民たちで、株のブローカー(No.4:アーミン・ミューラー=スタール)、宅配便の社長(No.3:ジョージ・C・スコット)、はやく終わらせて野球観戦に行きたがっているセールスマン(No.7:トニー・ダンザ)、時計屋(No.11:エドワード・ジェームズ・オルモス)など様々な人間たちがいました。
12人はそれぞれの番号の席に付き、学校のフットボールコーチをしている男性(No.1:コートニー・B・ヴァンス)を議長に、まず決を取ることにしました。
おそらく誰もが有罪に決定されるであろう結果は、1票の無罪によってこの部屋を議論の場と変えました。
無罪としたのは建築家の男(No.8:ジャック・レモン)でした。
彼は言います。
話し合いましょう。
評決には12人全員の意思統一が必要でした。
こうして1対11の無謀にも思える議論が始まるのでした。

1957年「十二人の怒れる男」
1957年「十二人の怒れる男(再)」
1997年「12人の怒れる男 評決の行方」


ただ連続して観たのはちょっと失敗だったかもしれません。
この作品はよくある解釈を変えた困ったリメイク作品では、微妙な違いはあってもほぼ内容が同じだったのです。
というわけで、次にどういうセリフが来るのかわかっているので、内容ではなく演技の部分にどうしても集中してしまい、逆にアラが目立ちました。
たとえば、No4の汗の伏線が活かされていないとか、No.12の眼鏡は頭にかけてるだけ?とか。(- -;
とはいうものの、No8であるジャック・レモンとNo3のジョージ・C・スコットの鬼気迫る討論はやっぱりいい。
この作品でも同じように事件の回想シーンなどはなく、会話にのみ事件の内容が分かる仕組みになっています。
こういう見せ方のために、観客は一人一人の会話に集中させられ、気が付いたら一気に観ているんだなぁ、と改めて感じました。
先にオリジナルの方を観ていなかったら、こちらはこちらでいい作品と感じたかもしれません。
ちょっと残念なことをしたと思います。←私が。(^^;

・時代の変化だと思いますが、前回は全員白人男性だったのですが、今回は4人までが黒人となっています。タイトルが「…男」となっている以上、女性は入っていませんが、代わりに判事(裁判長?)が女性でした。このことによって、より各人が特徴づけられたようです。私はオリジナルでも何度も観ているためか、人の区別がつかないということはありませんでしたけど。(^^;
・カメラワークは酷いけど、老人の15秒検証のシーンはいい感じでした。ただ、ちょっと長かったですけど。
【ここは問題かな?】
・おそらくリアルにするためかも知れませんがカメラワークのブレが酷いです。こういうカメラワークでごまかすのはやめてほしい。
・同じようにカメラワークですが、とにかく歩き回る人が多く、しかも向こうの方で喋ることもあり、一瞬、今の誰の言葉?と思うところも多々ありました。オリジナル部分はそうそうのがなく、歩いていもそこにいる人にセリフが移っているのと、アップで喋っていることが多いのでインパクトも感じられました。
・打ちのめされて別のところに座ってしまうNo10ですが、前回はそれでも無罪にしましたが、今回はまったく反省もなく、いわば野球好きのNo7と同じような理由で無罪にしてしまうとは…これもキャラが重なっていてしかも、陪審員というものに暗い影を残しています。
・音楽がありません。(@@); 効果音は入れてほしかったです。No8がみんなを諭すシーンもないですし…なんだか、本当に喧々囂々と議論していただけのような気がしないでもないです。
・2名ほど名前で呼ぶところがあって違和感がありまくりでした。本人もこんなところで名前を言うなんて…と。
【一言いいたいコーナー】
・ラストシーンはかなり違っていて、オリジナルが雨が上がり裁判所の外で解放感と共に清々しく終わるのに対して、こちらは裁判所で暗いまま終わります。かなり後味が悪かったと思います。ちなみに両端にエレベータがあるシーンでNo8とNo9のおじいちゃん(実はおじいちゃんが多いのですが)が名乗りあうのですが、同時にエレベータが付いたときに左右に分かれます…って同じエレベーターに乗ったら?と思いました。あれでは同時に1階に着いて苦笑いするんじゃないでしょうか。(^^;

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【関連する記事】
私はこちらは一度だけ観たことがあって
また観たいなぁと思っていたのですが、
そうですよね。ほとんど同じ内容でしたよね。
じゃあ、今は観なくていいかな。笑
>って同じエレベーターに乗ったら?と思いました。あれでは同時に1階に着いて苦笑いするんじゃないでしょうか。(^^;
1階でばったり再会する場面を想像したら笑ってしまいました。
確かにちょっぴり気まずいですよね。
これは観たことがないんですよね。もしかしたら、オンエアがあってもリメイクと気付かなかったのかも!
タイトルに拘って男性だけにするよりは、タイトル自体変えて女性も入れる方が自然な気がしました。最初から”名作のリメイク”を売りにするつもりというのはちょっと・・・。
>あれでは同時に1階に着いて苦笑いするんじゃないでしょうか。(^^;
なんか妙なところで抜けてるみたいですね(笑)
でも、ジャック・レモンなら一度は観てみたいです。
きっと今観ると同じような言い回しなので、どうしても比較してしまうでしょうね。(^^;;
ラストは…実はもうツッコまなかったのですが「陪審員席へ」と促されていて、その場面が終了しているのか、それとも今から行くのかわからないんですけど(No3がトボトボ歩いているので後者かも…でも判事がずっと待っているのかな?)、いずれにしても同じ場所にはいきそうです。
まぁ、気まずいと思います。(^^)
名作のリメイクは難しいですねぇ。
名前だけで話題にはなりますけど、実際に観ると…というのが多いです。
舞台では女性が登場したものもあるらしく、タイトルも「12人の怒れる陪審員」とか変えられているそうです。(^^)
ちょっとあのラストはないなーって感想です。
せっかくの雨があがって…という解放感や清々しさもなく、ちょっと後味が悪かったと思います。
リメイクは白黒から、カラーになってるので、見やすいのかな?
その分アラも目立つのかもしれませんね。
なるほど〜・・・
やっぱり、今回見た映画が、いかに名作だったかよ〜く、分かりました。
それぞれの演技が素晴らしかったですよね。
正直、映画だと言うことを忘れてしまいました。(o^^o)
こちらには、黒人がいるんですね。女性判事も?
そうですねぇ、それに丁度観たときでしたから、余計にここが違うなぁ、ここが活かされてないなぁ。とアラが目立ってて。
特にラストは。(^^;
黒人が4人いたんですけど…初観だったので、実は最初は区別がつきにくかったです。女性判事は、陪審員に入れることができなかったために(怒れる男ですから)起用したのかも。
やっぱりオリジナルがいいですよねぇ。