2004年(LEMONY SNICKET'S A SERIES OF UNFORTUNATE EVENTS) 製作国:アメリカ 監督:ブラッド・シルバーリング 製作総指揮:スコット・ルーディン、バリー・ソンネンフェルド、ジュリア・ピスター、アルビー・ヘクト 製作:ローリー・マクドナルド、ウォルター・F・パークス、ジム・ヴァン・ウィック 原作:レモニー・スニケットの『世にも不幸なできごと』シリーズ 脚本:ロバート・ゴードン 撮影:エマニュエル・ルベツキ 音楽:トマス・ニューマン 特撮:スティーヴン・ファングメイアー amazon.co.jpで詳細を見る。 |
ボードレール家はなに不自由のない裕福な生活をおくっていました。
長女のヴァイオレット(エミリー・ブラウニング)は発明の天才で、彼女が長い髪を後ろで結んでいるときには熱中している証拠、長男のクラウス(リアム・エイケン)は知識の塊、彼の頭の中には今まで本で読んだことが全て暗記されています。そして末っ子のサニー(カラ・ホフマン、シェルビー・ホフマン(双子で演じています))は噛むことが大好きで、どんなものにでも噛み付くかわいい女の子(まだ赤ちゃん語だが姉弟にだけは理解できる)。
ある日海辺で遊んでいた3人の元に、銀行家のミスター・ポー(ティモシー・スポール)がある知らせを持ってきます。家が火事になり両親が死んでしまったというのです。そしてこれが3姉弟妹の不幸の始まりになりました。
両親は巨額な財産を残していましたが、まだ若いヴァイオレットには財産を使うことができません。身寄りのない彼らにポーが後見人として紹介したのは、恐ろしく遠縁にあたるオラフ伯爵(ジム・キャリー)、古い洋館に住むオラフ伯爵は売れない役者で、最初から3姉弟妹の遺産目当てなのは明白。しかしポーはそういうところには無頓着で気が付かずに帰ってしまいます。
残された3姉弟妹に山のような(173項目はあったようだ)雑用を与えてこき使うオラフ伯爵。それを持ち前の知識、知恵、歯で立ち向かい解決する3姉弟妹…。
やがて正式な後見人としての手続きを済ませたオラフ伯爵は、車に彼らを閉じ込め列車事故に見せかけて殺してしまおうとします。
間一髪!罠から逃れたところにやってくるポー、彼はこのような事件にはまったく気づきませんでしたが、子供たちが運転席にいたことに、こんな危ないことをする人間には後見人になる資格はないと権利を剥奪してしまいました。
ようやくオラフ伯爵の魔の手から逃れることができた3姉弟妹は、ポーの車で次なる後見人候補の遠縁の家「爬虫類の館」へと向かいました。
しかし…オラフ伯爵の執拗な遺産への執着心は途絶えてはいなかったのです!
1999年に「ハリー・ポッター」を脅かしたのが、この作品の原作である『世にも不幸なできごと』第1巻『最悪のはじまり』でした。不吉数でもある全13巻は、上映当時8巻までが翻訳、3姉弟妹の受難はまだまだ続いているらしいです。(^^;
子供向けのオープニングがピタッと止まり一転して暗くなり、著者であるレモニー・スニケットの例のナレーションから物語は始まります。これはなかなか面白いしいい演出でした。声はジュドー・ロウが担当です。
3姉弟妹の紹介をしているうちに不幸はもう始まります。
後見人のオラフ伯爵との出会い。オラフ伯爵役のジム・キャリーはもう当たり役です。彼の演技はどれもあくが強いのですが、こういう役、マスクやバットマンでのリドラー、ケーブル・ガイなどのように切れているような役に一番似合っていると思います。
3姉弟妹は最初ほとんど喋らず、服も暗く物語は静かに進みますが、オラフ伯爵のいじめから、がぜん面白くなってきますが、やっぱりこの独特な世界観(まるでティム・バートンの世界のようで、幻想的な世界観に一役かっています)と登場人物の静かな暗さが微妙、しかし話が進むにつけ、しだいに引き付けられるようになります。
逆に怒りが湧きあがってくるのがオラフ伯爵にです。ホントにこのオヤジ、いい加減にしろよ!です。(^^;
3姉弟妹は各所でおのおのの特技を発揮していますが、中でも特筆すべきは末っ子のサニー、最初からテーブルに噛み付いてぶらーんとしたり、クラウスの投げた木の棒を空中でキャッチ(もちろん口で!)したり、ヴァイオレットの頼みで缶詰を開けたりとなかなかの活躍ぶりです。しかも大人の会話もきちんと理解しているらしく、赤ちゃん語で喋ります。これが字幕で出るのですがこれがまた面白い(「ベビー・トーク」みたいです)。
オラフ伯爵はこの子をサル扱いしていましたが、彼のと会話になっていない会話も爆笑モノでしたね。
この作品は子供たちが大人になるために自立する物語であり、そのためにこそオラフ伯爵はいるのかもしれません。
ちょっと観る人を選ぶかも知れませんが面白い作品でした。
【一言いいたいコーナー】
・著者であるレモニー・スニケットはペンネーム、ホントはダニエル・ハンドラーというサンフランシスコ在住の作家のようです。
・オープニングから物語に入る演出も見事でしたが、エンディングの切り絵のようなその後の話などもいい感じでした。これだけのことがあってもやっぱり席を立つ人がいますが、これは最後までやっぱり観ましょう。
・末っ子のサニーを演じたカラ・ホフマン、シェルビー・ホフマンの双子の女の子たちはこれがデビュー作です。
・ヴァイオレット役のエミリー・ブラウニングは「ゴーストシップ」の女の子です。向こうでは若いですがちゃんと面影があります。
・クラウス役のリアム・エイケンはこの収録の間に15センチも背が伸びたそうです。しかも序盤を最後に撮ったために背が最初は高くて、その後縮み、また伸びていくという幻想的な(^^;ことになっています。
・結婚式のシーンでダスティン・ホフマンが出ていたようなのですが…本物?
・次回作がどうなるのかは不明ですが、原作はほとんど成長していないのに逆に成長期にある主人公たち…やりたいそうですが微妙な感じらしいですね。ジム・キャリーは問題ないのであの怪演はまた観られるかも知れません。
毎日が映画日和(クマさん)の「『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』」
子育て 時々 映画(マミイさん)の「人の不幸は蜜の味?」
確かに、ダスティン・ホフマン出てたような気がします
結構、有名な人が、なにげに出てたはず。ナレーションのジュードしかり、メリル・ストリープに…。
ジム・キャリーには参ります。ちょうど「エターナルサンシャイン」と、間をあまりあけずに観たので、特にそう思った記憶があるわ。またアンタかいなっ★今度はどうすんねんって感じでしたけど。(関西弁まるだし)
物語は、ダークだけれど、面白く観た。エンドロールだっけも、凝ってましたよね。なんとなく思い出した
子供たちも、それぞれに才能ありましたね。特に末っ子♪スーパーベビーだわ。笑えました。
白くじらたちが、アメリカで知らせとキャリーを手続きしたはずだったの♪
あちこち調べてみたのですが、どうやらダスティン・ホフマンは本人のようですね。ほかにもいろいろと出ているようで、びっくりです。
ジム・キャリーは基本的に怪演パターンが同じなので、少し前に同じような出演映画を観ていると、ちょっとつらいかもしれませんね。
まぁ、とりあえずこれはその怪演が似合っていた作品でした。
物語自体も一風変わっていて、ぜひ続きが観たい作品の一つです。
実際に観たときには判らなくって、あとでパンフを読んでいて気付きました。そのあと「ゴースト・シップ」を観直したのですが、面影がありましたよ。
この作品では成長していて、あの服装からも、おっしゃるとおり妖しい魅力がありました(といっても魔女じゃないんですけどね)。(^^;
妹のサニーちゃんがかわいいのなんのって!
何でも口に入れてガジガジやってる
やんちゃな赤子がうちにもいるので
微笑ましく観ました。
(実際に変なものを口に入れられると
笑ってはいられないんですけどね〜、苦笑)
ジム・キャリーがとっても嫌な奴だったから
3人が力をあわせてがんばる姿を
心から応援できました。
私はダスティン・ホフマンはすぐに気づいたのですが
メリル・ストリープが本人だと気づくのに
かなり時間を要しました。
TBお願いいたします。
この作品は劇場へ行ってしまいました。
あのガジカジ娘は面白かったですね。
子供は小さいときには何でも口に入れちゃいますからね。なんでもLEGOの子供用のデュプロのブロックは子供の口の大きさから最小の大きさが決められているようです(なんの話だー)。
ジム・キャリーはハマの役でしたね。
あの3人の姿はまた観たいのですが、続編はどうなったのでしょうね。
早く作らないと子供の成長は早いですからねぇ。(^^;
ダスティン・ホフマンってこういう役柄すきなのでしょうか。最近では「ホリデイ」にも登場していましたし。
でもそういうところも好きなんですけどね。
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