SF映画って他の作品と比べると、ちょっと立ち位置が違うことが多いと思います。
一時はスペース・ファンタジーとも呼ばれたこともありましたが、実際にはサイエンス・フィクションです。つまりある程度は科学的な一面が必要です。しかしそれはドキュメンタリーではなくフィクションでなければなりません。
月世界旅行や、見知らぬ島にいた恐竜、近未来で登場するロボットたち、タイムスリップ…それらは時代に関係なく想像された科学的世界(実は結構矛盾している言葉だと思う)。
月に行くこともできなかったときに月に行くという途方もない出来事。もちろん空気だってある！
宇宙にはほかの惑星がある。そこには見たこともない生物がいるに違いない。
ひょっとしたら宇宙に行くときもスーツを着ているかもしれない。
ロボット同士のボクシングショーが開催されるかもしれない。
未来は車だって空を飛ぶぞ！
ドアだって自動化されているさ。
自分と同じクローンがいっぱいで誰が本人かわからなくなるとか。
それらは全て、その当時に生きる人が憧れや恐れから想像した世界です。
そしてその想像が本や映像になった時、時代を超えて私たちに新しい世界を見せてくれます。
：
そこで疑問があったのが、SF映画を観るとき、自分の現在を起点にして鑑賞しているのではないかと。
たとえば1980年の作品があったとして、ドラマなどだとその時代の設定ってわかったりするんですけど、SF映画の場合は、1980年当時の科学考証で同年や近未来とか2020年の未来とか想像している場合が多いので、今の時代の頭で考えては駄目でしょう。
今の未来の時代ではなく、当時の科学考証でさらに未来を感じなければならないことになります。
最近観た「リアル・スティール」の場合だと、現在考えられる科学考証や驚くべきことに1960年から2020年までの歴史的出来事が作られており、それをもとに作品が作られています。科学の進歩は目覚ましく、それであっても2020年にこの作品を再観したときには「なにこれ？ありえない」と叫ぶのか、それとも「当時はこんな想像していたんだ」と感じることができるのか…私はもうそんなに長く映画を観ていることはできないかもしないけど、できれば後者でありたいと思っています。
それが当時作られたSF映画を観る上で、制作者に対する最低限の礼儀ではないかと思っています。
これはあくまでも私自身のスタンスのことです。
まぁ、とはいうもののどうにもならない作品もあったりしますけど…要するに考証ミスってのです。(^^;
▼ よろしければ、励みになりますのでクリックをお願いいたします ▼
【関連する記事】
そうですよね〜、今の常識を忘れて映画の世界にどっぷりつかって観たいです、ＳＦは。案外それが難しい時もありますが。
「ガタカ」の直した部分読みました。確かに彼が迷惑をかけると決め付けるのは差別ですね・・・。でも、そう言ってる方はわたしと同じ様に、すでに心臓病を患っていると思い込んでいるのかも？
まあ、それすらも先入観とか偏見の結果かもしれませんけど・・・。
かえるままはSFが好きなので、（ジャンル的には一番）コメントさせてください。
「マトリックス」を観るまでは、「２００１年宇宙の旅」がずっと一番好きな映画でした。
とうに、２００１年も過ぎ、今観たら違和感も感じますが、やはり感動します。
私たちって、どんなに科学が発展しても、何百年も前に作られたシェークスピアで表現される様な世界、嫉妬や憎悪、優越感や劣等感、希望と絶望、生と死、愛と憎しみ.....まだまだ、こんなものに人生を翻弄されながら生きてますよね。
SF映画も「古きを温め新しきを知る」的な部分を感じます。
あ、B級SF映画はコメディと同じスタンスです。かえるままは。
ただ、先入観で物事をみてしまうのが人間だとすると、ついていくのがやっとなのに”２０分間まったく心音が乱れない男”など間違った印象を周りに与えると、「この危険で重要な任務を任せられるのは彼しかいない」みたいな事もあり得るワケで、会社の判断基準が間違っていようがいまいが、彼の嘘のためにこういう危険は増しますよね・・・。結果的に迷惑をかけるかかけないかより、信頼の問題かもしれません。
昔は21世紀なんて遠い未来だったんですものね。
『ターミネーター３』の時にスカイネットが反乱する年代を過ぎていたんだな
って事に驚きました。
＞今の未来の時代ではなく、当時の科学考証でさらに未来を感じなければならないことになります。
これはすっごく大事な考え方ですよね！
『SF月世界探検』も今観るとコメディみたいですが、
当時は本当に月に行くなんて夢物語だったんですものね。
でも、昔の方がエンタテイメント性が高いというか
鑑賞時のワクワク感は大きいような気がします。
今は知識も技術も豊かになりましたけど、
その分何かを失ってしまったのかもしれませんね。
結構観ているときって無意識に今と比べてしまうんでしょうね。
あとになって思い出していると、そういえば…っていうのも多いです。
考えているときりがないですけど…確かにあまりに間違った印象を与えると、逆に危険度は増してしまいそうですね。
あのシーンは相当無理をしていたようでしたからねぇ。こういうシーンがあと何回かあれば、かなり印象も変わったではないかと思います。
「古きを温め新しきを知る」…いい言葉ですね。
これは観るときのスタンスなだけで、私も昔の映画は好きでそのアイデアには脱帽するところもありますし、その積み重ねが今の映画を支えているのだと思います。今よりも筋が練られているものも多いと思います。
最近はCGなどの多用によって筋よりも魅せる作品になっているような気がしますけどね。(^^;
「ターミネーター3」がそうでしたか！
「謎の円盤UFO」なども1980年の世界でしたからねぇ。今の知識で観てしまうといろいろと問題はありますけど、今でも斬新な機械などが登場しています。
>今は知識も技術も豊かになりましたけど、
>その分何かを失ってしまったのかもしれませんね。
大いにあると思いますね。
なまじ知識がある分、素直に感動できなくなったりして…もったいない話だと思います。でも、理性ではわかっていても無意識に。(^^;;