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2012年02月27日

ブラック・サンデー

新年は流血事件で始まった!
ブラック・サンデー [DVD]
1977年(Black Sunday)製作国:アメリカ
監督:ジョン・フランケンハイマー原作:トマス・ハリス
製作:ロバート・エヴァンス製作総指揮:ロバート・L・ローゼン
脚本:アーネスト・レーマン、ケネス・ロス、アイヴァン・モファット撮影:ジョン・A・アロンゾ
音楽:ジョン・ウィリアムズamazon.co.jpで詳細を見る。

ストーリー
1970年代…ベイルート。テロ組織≪黒い九月≫のアジトを襲ったカバコ少佐(ロバート・ショウ)率いるイスラエル特殊部隊は1本の犯行声明のテープを手に入れます。それは犯行前の声明であり、新年に何らかのテロ行為が行われることを示していました。少佐は突入の際に見逃してしまった女性ダーリア(マルト・ケラー)がメンバーの一人であると行方を追います。

一方ダーリアは、元アメリカ軍人であり英雄だったマイケル・J・ランダー(ブルース・ダーン)の元にいました。マイケルはベトナム戦争で大きな傷を受けており、その精神は全てのことに復讐することでした。彼とダーリアはお互い協力し、22万発のライフル・ダーツを使い、新年に行われるスーパーボウルの会場で8万人を皆殺しにする作戦を画策していたのです。
カバコフ少佐とFBIはダーリアの行く手を追い、テロを防ごうと動くのでしたが…。

映画レビュー
ちょっとオススメ実在のテロ組織名が使われ、まだアメリカでの活動が行われなかったにも関わらずアメリカの活動を描いた作品であり、日本でも1977年に公開が予定されていましたが、上映すると劇場を爆破するという脅迫で中止となったと言われている作品です。その後2006年にDVDが発売され試写会が、2011年にはついに劇場公開されました。
正直、テロ組織そのものよりも、元アメリカ軍人であり精神的に病んでしまっているアイケルの存在の方が恐ろしいと思います。かつては英雄として生きていたはずの彼が180度変わってしまい、妻を隣人をそして祖国アメリカ全てに復讐しようとしてしまう…戦争の傷跡は深く、とても平和に暮らしている私たちにはわかりません。
マイケルは登場した時からいっており、正直彼が登場すると行動が判らずかなり怖かったです。

この作品はテロかどうの、飛行船からの攻撃手段が怖いのというよりも、その根底にある戦争の傷の大きさが心をえぐります。
戦争は勝った方にも負けた方にも悲劇を降り注ぎ、人生を狂わせていくのだと思います。そしてその先には、戦争に直接か関わらなかった人たちにも…。

Number741【ここがいい!】
・マイケルが怖い、彼を演じたブルース・ダーンが怖い。この人のいっちゃっている目は本当に恐ろしい。
・グッドイヤーの飛行船の存在感が半端ではありません。最初に登場した時のスタジアムにくっきりと黒い影を落とすシーン、後半スタジアムに飛ぼうと離陸していくシーン、なんともいいです。
・テロの攻撃手段がライフル・ダーツという今回初めて聞いたものだったのですが、まさに人を殺すためだけの武器だと思いました。一度小屋で実験を行うのですが22万発の散弾と考えたら早いかもしれません。小屋が均等にハチの巣になるところを見てマイケルが嬉しそうに説明していましたが、その近くに犠牲になった人が死んでいるんですよね。でもそんなことはかれは全く気にしていません。こういう彼の1シーン、1シーンが精神的にきます。

【ここは問題かな?】
・実際、声明文というものをいつ撮るべきなのか。この作中では2ヵ月近くも前に撮っており、それさえなければテロも成功していたことでしょう。ずっとまず活動を行ってからかと思っていました。
・ラスト付近で、パイロットから外されるマイケル…飛行船に装置を付けるのも結構力任せであまりにも杜撰な計画では?まぁ、組織自体もダーリアだけだったようですし、強行するためにはどうしようもなかったのかも。ダーリア曰く、彼ならできる!このマイケルの精神状態を考えるととても細かな計画は無理そうなんですけど…しかし彼のような精神でなれば実行できないとも考えられますね。
・逃げるための導火線なら長くてもいいですけど、あの状況で端に火をつける行動が判りません。
・フットボールの試合…とても観ている状態ではありません。(^^;

【一言いいたいコーナー】
・ラスト、余韻も何も終わり方でしたけど、本当に最初から最後まで緊迫感がありましたね。
Number741そういえば、当時のカンフー映画もラスボスを倒すと唐突に終わったり、そこで何故かコケて終わったりする作品が多かったですねぇ。

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posted by 白くじら at 23:29| Comment(4) | TrackBack(0) | サスペンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この映画、公開当時まだまだ赤軍とかイスラエル問題が(今もですけど)でしたからね。爆弾事件もあったし物騒でした(今もですね(^^;
これはDVDで鑑賞済みでしたが午前10時の映画祭で劇場でも観ました。
クライマックスはやっぱり迫力がちがいましたねえ。
あとテロリストは結構二人とか小さな組織で動くことが多いです。
大勢で動くと当局に察知され易いからなんですけれど、協力者同士のつながりも無い場合もあるとか。
Posted by tonbori at 2012年02月27日 23:55
こんばんは、tonboriさん。

今も昔も確かに物騒ですね。
してみると人間という生き物はいつまで経っても同じことを繰り返しているのかな。
映画祭にも行かれていたとは…さすがです!

あの飛行船の迫力は凄かったですね。
この年代だったので、もっとチャチイのかと思ったらとんでもなかったです。こういう演出の迫力を超えるような作品はまだないかも。

ふむふむ、意外と少数で動いたりするんですね。って協力者同士でも繋がりが無かったりするんですか。やっぱりひもずる式に捕まらないためかな。
Posted by 白くじら at 2012年02月28日 00:24
読んでて「ブルースダーン」のこと「ブルースダーリン」と読めてしまって、
「ブルースウイリス」の事?かえるままの事?なんて自意識過剰な反応をしてしまった、かえるままです。

ブラックマンデーと言うと、世界恐慌勃発のスタート、ウォール街の株の大暴落を思い出しますね。こちらはブラックサンデーなんですね。

すごく面白そうですね。
是非見て見たいです。
色々と紆余曲折を経て、公開された映画なんですね〜。
教えて下さってありがとうございます。
Posted by かえるまま21 at 2012年02月28日 06:42
ブルース・ダーリンだってぇ!!(^^;

こんばんは、かえるままさん。

この映画はTUTAYAの発掘現場にありました。(^^)
古い作品はツッコミどころも多いのですが、緊迫感の上げ方とか、演出は今でもレベルが高いものが多いですよね。
機会があればどうぞ。
Posted by 白くじら at 2012年02月28日 20:42
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