![]() 製作国:アメリカ 監督:J・リー・トンプソン 製作:カール・フォアマン 原作:アリステア・マクリーン 脚本:カール・フォアマン 撮影:オズワルド・モリス、ジョン・ウィルコックス 音楽:ディミトリ・ティオムキン amazon.co.jpで詳細を見る。 |

1943年、第2次大戦中、英軍将兵2000人がケロス島に孤立、一週間後に全滅の危機にさらされました。
ドイツが中立トルコを味方に引き入れるための、示威作戦の目標にしたのです。ケロス島の軍事的価値は小さかったのですが、トルコとは目と鼻の先の距離、圧倒的なドイツ軍精鋭が殺到する前に、ケロス島の英国部隊は撤退するしかありませんでした。
しかし島へ向かう水路は、ナバロンの新型レーダー照準の巨大な2門の要塞砲に制圧されていたのです。
断崖絶壁に建てられ、空からの攻撃でも砲台に攻撃を加えられない、難攻不落の要塞攻略にジェンセン将は要塞唯一の死角と思われる、南の断崖絶壁からの侵入による爆破作戦を提案。
フランクリン少佐(アンソニー・クェイル)の元に、実行に必要な人員が集められました。
ドイツ語、ギリシヤ語に堪能、さらに登山の経験のあるマロリー大尉(グレゴリー・ペック)、元ギリシヤ軍大佐スタブロ(アンソニー・クイン)、爆破のプロフェッショナル、ミラー伍長(デヴィッド・ニーヴン)、機械のプロフェッショナル、ブラウン(スタンリー・ベイカー)、殺し屋のスピロ・パパディモス(ジェームズ・ダーレン)の5人とフランクリンは、漁船のふりをして嵐の夜、ナバロン島の断崖に近付きました。
荒れ狂う波の中で漁船は大破、400フィートもの登崖でついにフランクリンが落下し、骨折してしまいます。
動けなくなった彼の代わりに指揮をとることにしたマロリー一行は、セントアレキシスの遺跡の中で2人の女性と出会います。驚いたことに彼女たちはレジスタンスのマリア(イレーネ・パパス)とアンナ(ジア・スカラ)で、マリアはスピロの姉だったのです。
2人を加えた一行は、敵の襲撃をかわしながら、マンドラコスの街でフランクリンの医者を捜します。しかしなぜか病院にはすでにドイツ軍が、別行動をとっていたマロリーたちも街中で銃を使えないまま捕虜となってしまいます。
いったい何故?捕虜となった彼らはスタブロの機転で窮地を脱しますが、ここはドイツ軍のど真ん中、重症のフランクリンにあることを耳打ちし、そこへ残すことにしたマロリーたちは、要塞砲を爆破すべく決死の行動を開始するのでした。

1961年「ナバロンの要塞」
1978年「ナバロンの嵐」


この作品が少数のプロフェッショナルからなる精鋭部隊による、作戦遂行の草分け的存在にもなっているのではないでしょうか。
少数による侵入、スパイによる危機の連続、必要機材の現地調達、仲間たちの犠牲といった、今では定番となった要素がてんこ盛りです。血湧き肉踊るとはこのことです。
ストーリーは人間(仲間の周囲)の死をかなりシリアスに扱っており、そういう人間ドラマを持ち込みつつも、うまくまとめあげていのが素晴らしいと思います。
この作品の中では唯一そのシリアスを緩和するための、ミラーの存在が序盤若干浮きますが、それも中盤からは危機的状況からシリアスに転換され、ギャグをもちつつも、いい雰囲気になっていきます。この人は好きですねぇ。
前に観たときには、時と場合で言うことをアドリブでごまかす(これが面白いのだ)場面があったと思ったのですが、ちょっと少なかったかも。でも怪我をしたフランクリンに捕まったときのことも考えて、嘘の情報を与えておいたりするところなど、よくマロリーは沈着冷静ですね。ミラーに怒られますけど。
とにもかくにも戦争活劇の中でも、娯楽的大作の1つとしてオススメの作品です。
ちなみに配役は変わりましたが、続編としてマロリーとミラーの活躍する「ナバロンの嵐」という作品があります。
こちらはかなりコメディ的要素が強くなっていますが、同じように精鋭部隊による作戦で、ごまかしあいがすごくって面白いです。
若き日のハリソン・フォードが出ているのも注目!

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この作品大好きです。正確に言うとアリステア・マクリーン
の原作が大好きで、何回か読んでいまして、原作は非常に緊張感のある戦争ドラマとなっています。
映画のほうは、原作に忠実ではありますが、ハリウッド的娯楽的要素も取り込まれてい、おっしゃる通り伍長役デヴィッド・ニーヴンがこの映画のスパイス。ユーモアと機転で切り抜ける伍長役は、この人の十八番って感じです。
「ナバロンの嵐」もいいのですがやっぱりこちらの方が完成度、高いですね。たぶんハリソン・フォードがネックなんですね・・・
いいですねぇ、アリステア・マクリーン原作の作品!
原作は残念ながら読んだことはないのですが、そんなに娯楽要素はないようですね。でもあのどんでん返しの連続は目を見張ります。
ミラー伍長は好きです。
いい役でしたねぇ。ちょっととぼけたところもあるのに、それでもプロフェッショナルというのが。彼が出るとちょっとほっとしたりします。(^^; これがシリアスがだらけるのではなくいいタイミングでした。
「ナバロンの嵐」も好きです。
実は順番的にこちらを先に観たこともあるのかもしれませんが、娯楽要素が多い分ひかれてしまっているのかも。
やっぱり爆破するときには逃げなくっちゃね。