1963年(PT 109) 製作国:アメリカ 監督:レスリー・H・マーティンソン 製作:ブライアン・フォイ 原作:ロバート・J・ドノヴァンの『大いなる野望』 脚本:リチャード・ブリーン 撮影:ロバート・サーティース 音楽:ウィリアム・ラヴァ、デイヴィッド・バトルフ amazon.co.jpで詳細を見る。 |
1942年8月7日、海兵隊がガダルカナル島に上陸、米国海軍はソロモン諸島の護りを任されましたが、狭い海峡を護れる艦艇は少なく、PTと呼ばれる高速で喫水が浅く魚雷を装備している艇が使われました。
その任務はまだ机上の海軍侵攻の時間を稼ぐことでした。
南太平洋のツラギ基地へ艦長として赴任して来たジョン・F・ケネディ中尉(クリフ・ロバートスン)は、PT第2隊長のクラスター大尉(グラント・ウィリアムス)にPT109に案内してもらいました。ゼロ戦の空爆を受けている基地には、現在余っている艇はこのくたびれたオンボロPT109、これのみだったのです。
カミナリ親父と呼ばれるリッチー中佐(ジェームズ・グレゴリー)は、彼に1週間で整備することができたら認めると言います。
副長のトム少尉以下、選抜された機関士ドルウィッチ、ドラウディ、砲兵ハリスらとともにエンジンを整備したり、艇を塗装したりと大変。実戦経験のないケネディに、不安がりながらも彼らは一心不乱に整備を続けます。
さらに6名の乗組員も加わり、PT109は一週間後に見事に蘇りました。
意気揚々と試運転に出発するケネディたち、ちょうど連絡のあったショアズール島の救援でも活躍ができたPT109に、リッチー中佐も満足げでした。
やがてレンドーバーでほかのPTと合流したPT109は、さらに37ミリの対戦車砲を取り付け、日本軍の移動を阻止するべく出港しますが、その深夜、PT109は日本駆逐艦の接近に気付か激突、なんと真っ二つにされてしまいます。
海に投げ出されたケネディたち13名の兵士たちの運命は!
くたびれた魚雷艇PT109が活躍する戦争映画…と思いきやちょっと違います。
本戦までにPT109を直したり、テスト航海、救助活動などでの活躍(一度は射程圏外に逃げたPT109が、燃料切れのために再び島に戻ってしまうのを待ち構える日本兵は怖い)は面白い。
人間ドラマ面も、危機に陥っても常に笑みを絶やさずポジティブ思考する艦長に、信頼を寄せていく乗組員が描かれています。ただちょっと物足りなかったのは、PT109が本戦で活躍していないことです(^^;…はっ、魚雷って撃った????
レンドーバーでなんと魚雷艇に37ミリ対戦車砲を、ボルトで付ける荒っぽさ、なんといってもこの砲の活躍が観たかったです。
これはPTに乗る魚雷艇乗りの心意気を描いた作品で、バリバリ活躍する作品ではないのです。
それでいて各処でニヤリとさせてくれるのは、演出のよさでしょうか、ラストの次のPTに乗り込む辺り、いいですねぇ。
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