1969年(MACKENNA'S GOLD) 製作国:アメリカ 監督:J・リー・トンプソン 製作:カール・フォアマン 原作:ウィル・ヘンリー 脚色:カール・フォアマン 撮影:ジョー・マクドナルド 音楽:クインシー・ジョーンズ amazon.co.jpで詳細を見る。 |

南西部には1000年前からアパッチ族の伝説がありました。
誰も知らない谷にアパッチ族の神が守る黄金があるという…この谷の秘密を守り黄金に触れなければアパッチ族の勢力は保たれるという伝説でした。
スペインの征服者たちが伝説の黄金を求めて、この土地にやってきましたが見つけられませんでした。
300年後にやってきたアメリカ人は、伝説に出てくる谷を「失われたアダムス」と呼びました。谷を見たという男、アダムスが由来でしたが、彼が谷を見ることは2度とありませんでした。アダムスはアパッチ族に両目を焼かれてしまったからです。多くの人はこの話を信じました。
1874年、黄金の谷「失われたアダムス」は新たな名前で呼ばれました…「マッケンナの黄金」と。
アメリカ、アリゾナの荒野を行く保安官マッケンナ(グレゴリー・ペック)は、突然年取ったアパッチに襲われます。
やむなく銃で応戦したマッケンナは彼を倒します。その老人はプレイリー・ドッグというアパッチのリーダーで、マッケンナが黄金を捜しているので狙ったと言いながら死んでいきました。確かにマッケンナは3年間探し回っていましたが、ついに黄金は無いと結論付けていました。老人が持っていた黄金の谷への地図も、彼には眉唾物としかうつらず焚き火で燃やしてしまうのでした。
そんな彼に襲いかかってきた一団がありました。
荒野のならず者コロラド(オマー・シャリフ)と若いアパッチたちです。彼らは黄金を求めてプレイリードッグを追いかけていたのです。地図が燃やされてしまったことを知ったコロラドは、マッケンナを生きた地図として一緒に連れて行くことにするのでした。


当時はイタリア西部劇のブームがおさまりつつあったころ、これは久しぶりの西部劇。しかも冒険モノ(特撮あるしー)だったようです。
とにかく広大なキャニオンを舞台にしている西部劇では、横に並ぶものがないのでは。
アパッチの襲撃、騎兵隊との戦い、馬が乗った筏での川くだり、揺れる岩の秘密、キャニオンのスペクタルなど息を付かせない流れは最高です。
グレゴリー・ペックとオマー・シャリフという二大巨頭の激突も見所の1つでした。さらにはテリー・サバラスまで登場しますし。
片や黄金を否定するグレゴリー・ペックの保安官マッケンナ、そして黄金は必ずあると信じているオマー・シャリフの悪党コロラド、長い旅では彼らの中に友情にも似た感情が時おり見られたりもします。
特にそれはコロラドに感じられ、心の奥底ではマッケンナを信じたいという思いがあるような気がします、それが「約束は守る」という言葉にも出ているのではないでしょうか。しかし現実では隙あらば逃げようとするマッケンナに苛立ちもあり、さらに生きた地図の彼を殺すこともできずそんな葛藤があったのかもしれません。
コロラドがアダムスの話を嬉しそうに聞き、踊りだすシーン、てれくさそうにマッケンナに黄金の使い道を話すシーン(ここは爆笑です)など、ただの悪人ではなくほっとさせ親密感を抱かせるキャラもその魅力の1つでしょう。
ホントはテリー・サバラスも持ち上げたいのですが、狡猾なわりには2人に比べるとちょっとアクが弱かったような気がします。とはいえほかの連中に比べると格段です、それに仲間殺しはやっはり最大級の犯罪なのでしょうね。
というわけでこれはグレゴリー・ペックよりはオマー・シャリフが気に入った作品でした。
【一言いいたいコーナー】
