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2006年11月24日

ショーシャンクの空に

起きてなさい。いつ主が戻るか判らない。

ショーシャンクの空に1994年(THE SHAWSHANK REDEMPTION)
製作国:アメリカ
監督:フランク・ダラボン
製作:ニキ・マーヴィン
総指揮:リズ・グロッツアー、デイヴィッド・レスター
原作:スティーヴン・キングの『刑務所のリタ・ヘイワース』
脚本:フランク・ダラボン
撮影:ロジャー・ディーキンス
音楽:トーマス・ニューマン

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ストーリー
1947年…妻と浮気相手の男を無残に殺害した件で、大銀行の副頭取であったアンディ・デュフレーン[No.37927](ティム・ロビンス)は、メイン州の法律に従い終身刑を言い渡され、ショーシャンク刑務所に送られました。

彼は人を避けるようにしていましたが、1ヵ月ほどたったある日、初めて刑務所の調達人として有名な囚人レッド[No.30265](モーガン・フリーマン)に話かけました。鉱物収集の趣味でロックハンマーが欲しいと言うのです。
依頼どおりレッドはロックハンマーを手に入れ、アンディに手渡しますが、彼は囚人ボグズたちに性的行為を強要されていました。
おかげでアンディは生傷が耐えないようになってしまうのでした。

それが一転したのは2年後のこと、工場の屋根を修理するために12人の囚人たちが選ばれたのです。レッドの賄賂の力もあって、レッドたちとアンディは、しばし仕事を変わることができたのです。
そんなとき監視役のハドレー刑務主任(クランシー・ブラウン)が遺産相続で悩んでることを知り、罰を受けることを承知で仲間にビールをもらう代わりに、彼に解決策があると話しかけに行きました。一時は激怒したハドレーでしたが、彼の解決策に納得すると、なんと12人の仲間にビールを振舞うのでした。
この事件をきっかけとして今まで仲間に馴染んでいなかったアンディは、囚人たちに一目置かれるようになっていきます。
さらにまたボグズに性的行為を強要されたときも、ハドレーがボグズを叩きのめし病院送りにしてしまいます。そのためアンディにちょっかいを出す囚人はいなくなりました。

彼のことを聞いたノートン所長(ボブ・ガントン)は、彼の能力を高く買い、図書係に回しつつも、実際には看守たちの財産や税金に関する相談役とさせました。
しかし徐々に所長は彼に、囚人たちの野外奉仕活動に関して賄賂のごまかしをさせるようにし始めます。

1965年…家宅侵入で捕まったトミー[No.46419](ギル・ベロウズ)が入所してきました。
そのトミーから、自分の妻と浮気男を殺害した真犯人が、別の刑務所にいたことを知ったアンディは、そのことを所長に言い再審をしてもらうように上申しますが、所長はそれを却下。しかもアンディを独房に閉じ込め、トミーをも…。
独房から出たアンディは、自分の房に戻ります。壁には貼られたラクエル・ウェルチのポスターがありました。
レッドが最初にプレゼントしてくれた女優リタ・ヘイワースのポスターは、モリリン・モンローを経て、今やラクエルに変わるほど年月が流れているのです。そのポスターを見る目に光るものは…そして次の日…。

映画レビュー
ちょっとオススメこれは、ネットで知り合ったある方から頂いたDVDで、観たい観たいと思っていたこの作品もようやく観ることができました。ありがとうございました。

キング原作ですが、ホラーではない作品です。
キング作品はどうにもホラーでない方が当たっているような気がしますが、この作品もそういうヒットした作品です。

年の経過と共に貼りかえられるポスター、リタ・ヘイワース、モリリン・モンロー、そしてついにカラー版のラクエル・ウェルチ(「恐竜100万年」です!)へのアイデアはよかったですね。
しかもこのポスターは原題にも使われるほど重要な役目を持っていました。

刑務所という閉鎖的、かつ極限まで追い込まれる精神的限界のある空間で得られる信用というものは、なにものにも代えがたいのかもしれません。うわべだけの薄っぺらな友情はそこには存在せず淘汰されていきます。
アンディとレッドの関係はそういうところに成り立っていてようです。アンディが次第に仲間たちに信用されていくところはなんとも言えず好きです。しかし同じ立場ではない主任とは、どうしても同位にいることができなかったのか、ボグズを叩きのめすところまでは「おおっ」と思っていて見直していただけに非常に残念です。

結局30年弱でしょうか。
確かにこれだけの年月を刑務所で暮らしていると、ブックスやレッドたちが感じる別世界というもの判ります。
刑務所だけで見たものや知識だけでは、とても生活はできなくなるでしょう。たとえ刑務所内では恐れられたり、尊敬されていても、外の世界ではただのどこにでもいる人、それ以下のちっぽけな人間になってしまうのです。しかもいい年をした大人が…出所したくなかったブックスの最期はある意味、悲劇的でした。それを同じ部屋で味わうレッドも…どうなることかと思いましたが、珍しく平和的に終わってよかったです。

アンディの知識が30年経っても有効だったことに驚きでしたが(結局刑務所内でも財産や税金対策に追われていたので、彼だけは最新の情報を仕入れていたのでしょうね)。

【一言いいたいコーナー】
・ストーリーに囚人番号を書いておきましたが、アンディが37927、約18年後のトミーが46419、ということは1年に500人くらいはここに送り込まれている計算になります。出て行って入ると思いますが何人収容できていたのでしょうかねぇ。
・同じ監督、原作、そして場面も刑務所ということでよく比較されてしまう作品として「グリーンマイル」がありますが、ジャンルがずいぶん違いますし、作品のスタンスも全然違うので、比較するのはちょっと難しいというか無理ですね。あまりいろいろなところで比較されていたので、てっきり不思議なことがあるのかと思っていました。(^^; 監督は同じなんですけどね。
Number285・井の中の蛙、大海を知らず…かも。
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上質な大人の「たしなみ」(熊さん)の「信念を貫く「ショーシャンクの空に」
子育て 時々 映画(マミイさん)の「どんな時にも希望を捨てちゃダメ!
 
ラベル:映画 DVD ドラマ
posted by 白くじら at 21:21| Comment(18) | TrackBack(1) | ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
これは・・・

こういう映画だったのですか!

題名は当時?もそれ以降も良く聞き、又、いい映画だ、いい映画だ、と聞いていたのですが、何故か私は自分探しか何かのロードムービー?みたいな映画だと思い込んでおり、触手がまったく動きませんでした^^;
多分、あのがけっぷち?に立って腕を広げているシーンとタイトルからそういうイメージを持っちゃったのかなぁ。
(人に「どんな映画?」って聞くのは、相手次第なのですがほとんど聞きません^^; だって、結末とか、ポイントになる所を先に言う人いるんだもーん)

それにしてもスティーヴンキングだったのか・・・
おどろき・・・
本は持ってるはずだが・・・(覚えてない

グリーン・マイルはやはり本の方が良かったですねー
でも映画も良かったけど。
日常を書き込むスティーブン・キングの特徴が良く出てましたー

これ、見ます!
相方が持ってたはず!
Posted by 葉山猫 at 2006年11月25日 12:40
名作ですねえ・・・最後涙で見れなかった記憶があります。ティム・ロビンスの、よくも悪くもぼーっとした雰囲気が生きた映画です。
唐突に「どんな映画がお勧め?」と聞かれた場合、まず奨めるのがこれ。もちろん相手の趣味もありますが、これとか、AIとか、スピルバーグものは安心して奨められますね。グリーンマイルも好きですが、処刑シーンとネズミ踏んじゃうシーン(小動物好きなので)がダメです。
Posted by pointdpo at 2006年11月25日 13:02
これ、好きでした。90年代は私、あまり好みの映画に出会えなかったのですが、これは、特にラストが良かったです。パァーと開放感があって、諦めなければ、人に不可能はないんじゃないか?と思わせてくれる物語でした。「グリーン・マイル」は、私的にはいまひとつなんですが、これもラストは良かったですね。両作品とも「時間の経過」について考えさせられます。一つは時間経過の「恩恵」でもう一つは「残酷さ」。裏テーマなのかな?と思いました。
Posted by c.mama at 2006年11月25日 18:25
こんばんは、葉山猫さん。

私は、ずーと長い間、これはホラー、ホラー、ホラーと思っていました。(^^;
このレビューには結構内容に触れていたけど、大丈夫だったのかな。

私はそういうホラーというのが頭にあって観てしまったので、あれ、出ないなーとやきもきしていました。
そういうところもあって残念ながらちょっと拍子抜けしてしまったところがあったのですが、それでもよかった作品の1つになりました。

またレビューが上がったらトラックバックさせてくださいね。
Posted by 白くじら at 2006年11月25日 21:18
こんばんは、pointdpoさん。

確かにぼーとしている感じはありますね。(^^;
スピルバーグものはあなりはずれはないので大丈夫そうですが、「AI」はラストが微妙すぎました。そこまではすごくよかったのですが…。

「グリーンマイル」は同じ刑務所のものでもかなり毛色が変わっていましたからねぇ。
あの中盤の処刑シーンは怖かったですねぇ。よくあそこまでやってくれるものです。
Posted by 白くじら at 2006年11月25日 22:54
こんばんは、c.mamaさん。

ラストはそこまでがあまりにも暗いシーンが続いていたこともあってか、かなりの開放感が感じられる作品でしたね。

この作品も「グリーンマイル」もホント、時間経過の恐ろしさがありました。
「残酷さ」の方がより強力に残ってしまったような気がします。
Posted by 白くじら at 2006年11月25日 22:57
こんにちは^^

再度返信しちゃいます^^;

>このレビューには結構内容に触れていたけど、大丈夫だったのかな。

大丈夫です!
何故か^^;  あはは

むしろ微妙な書き方が心がそそられます^^
過去にもないですが、もし「あ、やばそう!知りたくない!」ってなったら、即窓を閉じますヽ(´ー`)ノ

多分、映画を見る楽しみを判ってらっしゃるから、まだ見てない人にも優しい書き方になっているのでわ? (にやり
私の事は気にせず?、今まで通り面白くて楽しい記事を、そして微妙な?映画を発掘してください! (大にやり

Posted by 葉山猫 at 2006年11月26日 09:31
こんにちは、葉山猫さん。

大丈夫でしたか。
よかったです。
いつもきっちりとは書かずにぼやかすようにはしているのですが、書いているうちに我を忘れることが多いのです。

なんだかテレるようなコメントで焦りますが(^^;これからも変な映画を観続けて行くかと思います。
B級を観ていて面白い作品に出会ったときなんて、A級以上の感動があったりする場合もありますしね。(^^)/

大にやり…がなんだか怖いけど。(^^;
Posted by 白くじら at 2006年11月26日 11:12
この映画、劇場公開の時は大して騒がれなくてビデオになってから名作として認知されたような気がします。
ぼくもこの映画は人に「何か面白い映画は?」と聞かれた時に薦める1本です。
これにコメディが見たいという人には「いとこのビニー」、恋愛物なら「忘れられない人」を挙げておけば無難ですねえ。
Posted by 5011 at 2006年11月26日 19:50
こんばんは、5011さん。

ややや、そうでしたか。
確かに私もビデオ化されてから「よかったですよ」って言われていましたねぇ。DVDをいただいたのはさらにそれからかなり経ってからだったりしますし。(^^;

結構みなさん、この作品を薦めているようですね。
「グリーンマイル」は観る人をかなり選びそうですしねぇ。(- -)
Posted by 白くじら at 2006年11月26日 20:41
白くじらさん、コメントありがとうございます。
徐々に復活してきますね。

ターミナルよりこっちの映画が、大好きなんで…こっちに書かせてもらいますね。
この映画は、やたら評判がよくて、私も「お涙ものの感動」?かよっみたいな、多少ひねくれた気持ちで、初めて観た記憶があります。
もうひきこまれてしまいました。流れる時間もかなりの年月だけど、映画の時間も長いめですが、感じなかったです。
色んなエピソードも上手く入ってましたよね〜。
結局、春に購入しちゃいましたもん。いつでも観られるようにって。
最後の景色の明るさも好きです。
特に、今観たい気がします。持ってこよっと。
Posted by ちゃぴちゃぴ at 2006年11月28日 20:53
こんばんは、ちゃぴちゃぴさん。
そうですね、また元気な声(書き込み)を見せてくださいね。
少しでも落ち着かれたようでよかったです。

決して大泣きするような作品ではありませんでしたが、作品の中に引き込まれていくような魅力を持っていましたね。
あれほどの時間が流れてしまうとは思いませんでした。

ラストのあまりにも明るい雰囲気は暗く沈んだ気持ちを吹き飛ばすにはちょうどいいかも知れませんね。(_ _)
Posted by 白くじら at 2006年11月29日 20:21
こんばんは☆白くじらさん♪
ご無沙汰してました〜!何とか体調も持ち直してきました^^!
ブログにお祝いのコメントありがとうございました!!
とってもうれしかった♪♪
今日検診でしたが、2週間前にはできていなかった心臓が画面で動いているのが見えました…!
無事元気に育っているようです^^♪

といい加減自分のことはここまでにして…^^;

この映画大好きです♪!!
コメント書こう書こうと思ってこんなに遅くなっちゃった。。。
キング原作映画の中では「スタンド・バイ・ミー」の次に好きかも。「デッド・ゾーン」もなかなか。

この映画のラストの爽快感がたまらないですよね!
きっと誰が見ても、同じ気持ちになれるんじゃないかしら…。だから私もこれはよく人に勧めます♪♪
絶対見て損はないですもんね!!
これまで何度見たかわからないほど見てますが、ラストを知っていても同じ感動の涙があふれます…!
すばらしい映画ですね♪
Posted by なっちっち at 2006年12月11日 20:59
こんばんは、なっちっちさん。
元気になられたようでよかったです。
薬が飲めないので治癒能力だけでは大変ですね。(_ _)
心臓が動いているのが見えるんですね。凄い。元気に育っているようで、なによりです。(^^)/

この作品はキングっぽくはないような気がしますが、よかった作品でしたね。
私もあのラストの爽快感、そして開放感は、ほかの映画では味わえないと思います。
このラストのための積み重ねでしたからね。

まだ観ていない人は、一度観てみましょう!!
Posted by 白くじら at 2006年12月11日 23:03
白くじらさん、こんにちは。お久しぶりです。
このGWに、やっとこのDVDを観ました。(^^)/

刑務所の話では、最近海外ドラマの「プリズン ブレイク」にハマっているのですが、共通して思ったのは
『賢ければ、力が弱いものでも(刑務所内で)やっていける』ということです。

「プリズン ブレイク」の主人公、マイケル・スコフィールドも天才だし、この映画のアンディーも秀才、いや、
天才と言われていましたよね。
実際、若いのに銀行の副頭取だったわけだし。

まぁ、それだけではなく、『忍耐(不屈の精神)』も必要不可欠ですが。
どんなに酷いイジメを受けても、計画を実行するために、生きるために耐え抜いてますからねぇ。
映画(ドラマ)ならではなのかもしれませんが、凄いです!

観ていて一番ショックだったのは、トミーのことですね。
裏金溜め込むし、「所長、あんたこそが一番の悪党だ!」と私は言いたい(笑)

「ブックスの最期は、ある意味悲劇的」とありましたが、ホントそうですよね。ショックでした。(>_<)
50年も刑務所にいたということは、人生の半分以上刑務所で過ごしたと言うことでしょうから、
世の移り変わりにびっくりするだけでなく、ついていけないでしょうねぇ・・・
自分の住んでる街一つとっても、10年前と比べると変わったなぁ〜と思いますもん。

同じ部屋に通され、同じ仕事に就いたレッドも、あわや同じ結末に?と私も思いました。
結果的に、よい結末になってホッとしました。

うまく世の中を渡って行こうと思ったら、どんなことでもいいから、人より優れている(自信がある)ことや
能力を磨いた方がいいですね。^^
私にとっては、考えさせられる映画でした。
Posted by あいあい at 2007年05月08日 13:51
こんばんは、あいあいさん。
お久しぶりです。
ついに念願だったこの作品を観られたようですね。(^^)/

「プリズン・ブレイク」は私も一度観たいと思っています。いろいろのところで話題になっているようですね。
刑務所モノは結構好きなんです。って基本的に脱出モノが好きなのかもしれません。
これだけ長いと「パピヨン」を思い出してしまいますが、これはそこまで悲惨ではなく、知恵でいろいろな問題を解決していっているのが凄いですね。

ブックスやレッドたちの出所後には驚きでした。
確かにあれだけの年月が過ぎると、世の中あまりにも変わってしまって、まるで浦島太郎状態でしょう。刑務所の中なら生き生きと生きられていたのに、憧れの外の世界がこうなるとは…かわいそうでした。
ここでもアンディはうまく立ち振る舞いましたが、ここはおそらく仕事柄世の中のことを知っていたのではないかと思っております。どこでも、仕事はよく考えて選ぶべきですね。うーん。

ラストはあまりにも明るかったです。(^^)
Posted by 白くじら at 2007年05月09日 23:51
いい映画ですね。
↑のコメント数の多さを見ても、それがわかります(^o^)

多分、以前に白くじらさんにポスターの件を教えてもらっていたと思うので
今回は私もそこに注目して見ることができました。
子供と違って大人は10年やそこらじゃ大して外見に違いはないですから
周囲の環境の変化で時の流れに気づかされることって案外多いのかもしれません。
Posted by マミイ at 2009年04月09日 06:18
こんにちは、マミイさん。

これはなかなかよかった作品でしたね。
確かに子供の成長モノってすぐに判りますけど、大人はあまり変化しないので、周囲の小道具の変化も重要になってきますね。
このポスターは、知っているものだったので懐かしさもあって、とてもよかったとおもいます。(^^)

トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせていただきます。
Posted by 白くじら at 2009年04月12日 09:32
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