![]() 製作国:アメリカ 監督:メル・ブルックス 製作:メル・ブルックス 脚本:メル・ブルックス、ロン・クラーク、ルディ・デ・ルカ、バリー・レヴィンソン 撮影:ポール・ローマン 特撮:ジャック・モロー 音楽:メル・ブルックス amazon.co.jpで詳細を見る。 |

ロサンゼルスの重症精神病院の医院長アシュレー博士が急死したために、精神病の権威リチャード・H・ソーンダイク教授(メル・ブルックス)が医院長として招かれました。
ところがこの教授、精神病の権威でありながら高所恐怖症、やっとの思いで飛行機から降り立つ彼を待っていのは、写真マニアの運転手ブロフィ(ロン・ケリー)でした。彼は病院に着く間に、あれは事故などではないとぼそり呟くのでした。
病院で彼を待っていたのは、自分こそが医院長になれると思っていたモンタギュー(ハーヴェイ・コーマン)、婦長のディーゼル(クロリス・リーチマン)、ウェントワース医師(ディック・ヴァン・パテン)、恩師であるリロルマン教授(ハワード・モリス)でした。
ソーンダイク教授が、まだ高所恐怖症であることを知ったリロルマン教授の治療を受けつつも、病院の患者を見て行くソーンダイクは、この病院には今まで見たことも聞いたこともないような症例が、目白押しであることに気付きます。が、それはモンタギューとディーゼル婦長の不当な治療費をとる陰謀だったのです。
さらにその陰謀から足を洗おうとしたウェントワースは殺害されてしまいます。
しかし事件を調べることもできない内にソーンダイクは、サンフランシスコで行われる学会に出なければなりませんでした。
後ろ髪を引かれる思いで、ブロフィとともにホテルに泊まることになった教授の部屋に、女性が押しかけてきます。
彼女の名前はビクトリア(マデリーン・カーン)、患者の1人である実業家ブリスベインの娘でした。話をしている内に、患者として紹介されたブリスベインが本人でなかったことに気付く教授。
一方、ブリスベインの一件がバレてしまったことを知った婦長たちは、教授を落としいれようと動きはじめます。
ホテルのロビーで白昼堂々と学会の人間を撃ち殺すソーンダイク教授!
偶然にブロフィの撮った写真は大きく新聞に載り、彼は指名手配となってしまうのでした…はたして。


邦題は「新サイコ」ですが、原題は「高所恐怖症」です。ちなみにソーンダイク教授(メル・ブルックス)が作品内で声を披露している歌も「高所恐怖症の歌」というそうです。
パロディは「めまい」「サイコ」「北北西に進路をとれ」「鳥」「ダイヤルMを回せ」など、数多くの作品がこれでもかというほどパロディされています。
特に公園で鳥の糞攻撃にさらされる教授や、ホテルのバスルームで「新聞持って来たぞー」のあのシーンなど抱腹絶倒でした。
しかも単なるパロディではなく、しっかりとカメラワークなども同じという凝りようで、監督のヒッチコックに対する拘りをうかがい知ることができます。
ストーリー的には敵も内容もよく判っていて、謎もあまりないのでパロディに集中することができるでしょう。でもあのどうして高所恐怖症になったのかという説明にはぶっとびでした(実際には落ちたことよりも、両親の問題だったようですが)。
笑いが欲しいときにはオススメな一本です。
【一言いいたいコーナー】

ギャグを楽しむ映画で、映画の出来としてはイマイチかな。
「高所恐怖症」の歌は勿論ブルックス本人の作詞作曲でシャワーシーンにでてくるのは後に監督になるバリー・レビンソンでした。
これはヒッチコックファン向けのハロディモノですから、いろいろなシーンを観て笑うのが楽しみ方ですよね。
にしても、よくこれだけ盛り込みながら1本の作品にしていると思います。
こういうものは「フライング・ハイ」「スペースボール」「ホット・ショット」なども同じですが、あれだけギャグをしつつ、ちゃんと話にまとめているのは凄いです。
バリー・レビンソンがあのボーイでしたか。
あのシーンは抱腹絶倒でした。(^^;