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2006年12月28日

ビッグ・フィッシュ

人に釣られない奔放な魚が川で一番になる。

ビッグ・フィッシュ コレクターズ・エディション2003年(BIG FISH)
製作国:アメリカ
監督:ティム・バートン
製作:ブルース・コーエン
製作総指揮:アーン・シュミット
原作:ダニエル・ウォレス
脚本:ジョン・オーガスト

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ストーリー
決して釣れない魚がいます。
力や動きの問題でなく、そういう特別な魚なのです。
100ドルのルアーであっても釣られないアラバマの怪魚として、エドワードが生まれたときにはすでに伝説となっていました。
60年前に川で溺れた泥棒ヘンリー・ウォレスの化身であるという噂もあれば、白亜紀の恐竜の生き残りであるという人もいました。

エドワード(アルバート・フィニー)は、息子ウィルが生まれたときに、金の指輪をエサにしてその怪魚を釣り上げたと言います。
彼はこのように数々のお伽話で有名になった人物でした。
しかし、息子であるウィルは大人になっても真実を語らず、あくまでも御伽話を通じて自分に話す父が嫌いになっていました。
自分と自分の妻になる女性の大事な場でも…おなじみの怪魚の話をして主人公のように受けている父の姿を見て、ついにウィルは怒りを爆発させてしまうのでした。

3年が過ぎました。
あれからエドワードとウィルはすれ違いの日々、一言も話をすることもありませんでした。
そんなウィルでしたが、母からエドワードの容態が悪化したことを聞かされ、妻とともに実家に戻ることにします。
帰る途中、そして実家に帰ってからも思い出される父エドワードの語ってくれた物語…その中で若き日のエドワード(ユアン・マクレガー)は、冒険を心から楽しみ、自分の最期を観ることのできる魔女の目を覗き、巨人と話をし共に旅をし、恐怖の森の奥にあった美しい町を訪れます。
そして…家に残されていたガラクタからウィルは、その物語の中に真実の父の姿をあることに気付き始めるのでした。

映画レビュー
ちょっとオススメ序盤の魚のシーンはともかく、序盤の出だしではあまりティム・バートン風ではなかったのですが、なかなかどうして、この作品の大半が過去の話、父エドワードが語る話、そして息子ウィルが思い返す話で、それがティム・バートンの独特の感性の中で開花しているのです。

この子供に話すようなお伽話、いい方が悪くなればホラ話は子供や初めて聞く人にはいいかも知れないけれど、息子は子供のころから1000回も聞かされているのでオチも判っているし、そんな話よりも本当の父の姿を見たいと思っています。
子供は親の背を見て大きくなります。
ところがウィルはその背に、ふざけた物語しか映らなかったのでしょう。どれだけホントの父の姿を見たかったことでしょうか。
しかしその話の中にこそ、父の姿が隠されていることを知った、彼の複雑な思い、それらがよく現されていました。

各物語もラストに近づくにしたがって、パズルのように繋がっていきました。
このような見せ方は最近では「穴 -HOLES-」でありました。これほど複雑ではありませんが、このようなストーリーは好きなタイプです。
しかもそれがティム・バートンの幻想的な世界観で味わえるとは…なかなかの一品でした。

Number312今日の教訓『父の背に見えるものを信じよ』

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sailor's tale(starlessさん)の「ビッグ・フィッシュ
 


posted by 白くじら at 21:51| Comment(8) | TrackBack(1) | ファンタジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
これはティム・バートン監督の作品だったんですね!
知らなかった・・オビ・ワンが出てるのは知ってたのだすが、どうも手の伸びない1本でした。

そっかぁ〜、ティムワールドなんですね〜。
私、ティムワールド・・・理解不能な凡人なんでよ(-^□^-)・・によって、無理ポッ (_"_;)。。。シュン
Posted by アニー at 2006年12月28日 22:18
この映画は、あらすじを読んだときは、う〜んかもって思いながら観た記憶があります。
ユアン(オビ)が目当てで観ようかって考え…(笑)
でも、独特のティムワールドに、どっぷりはまりました。
わたしは、わりかしティムワールドは相性がいいようですわん。
Posted by ちゃぴちゃぴ at 2006年12月29日 01:25
この映画の評価は、結局のところ父の考えを「理解できる」かではなく「共感できる」かにかかってくるのでしょうね。
ですから見る側の年齢や境遇に左右される面が大きいかなと感じます。
人生に行き詰まりを感じるような年代にさしかかった頃に見ると、得るものがとても多いような映画かもしれません。
Posted by starless at 2006年12月29日 09:53
白くじらさまこんばんは!

この映画、見たかったんです。一見面白くなさそうな(失礼!)雰囲気なのですが、バートン先生ですから、きっと面白い展開になりそうだな、って思っていました。白くじらさんの記事を読んで、やっぱり早く見たい!

今年は白くじらさんには大変お世話になりました!!「ダーククリスタル」のご縁ですね!映画の題名等いろいろ教えていただき、感謝しております。これからも分かりやすいレビュー、参考にさせていただきますね。来年もよろしくお願いいたしますです。

それでは、ちょっと早いですが、よいお年をお迎えください!
Posted by pointdpo at 2006年12月30日 21:57
こんばんは、アニーさん。

このジャケ写だけではティム・バートンというのは判りにくいのですが、実はこの花が咲いているシーンも作中では実にティム・バートンらしい世界観でした。

彼の世界は独特ですから、苦手な人にはオススメが難しいですね。(T T)
Posted by 白くじら at 2006年12月30日 23:54
こんばんは、ちゃぴちゃぴさん。

ちゃぴへちゃぴさんはティム・バートンの世界、おっけーなようですね。
私も普通に好きなのですが、あまりにやりすぎているのはちょっと駄目かな。ワールドが大爆発している「チョコレート工場」などは微妙でした。(^^;

ユアン・マクレガー目当てな方は多かったようですね。
Posted by 白くじら at 2006年12月30日 23:59
こんばんは、starlessさん。
お久しぶりです。

さすが奥深い観方をしていますね。
確かにこの作品では今の状態に左右されそうなところが大きいですね。
私ももうそういう年ですからねぇ(^^;こういう作品には、教えられるところが多かったです。しみじみ。

トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせていただきます。
Posted by 白くじら at 2006年12月31日 00:05
こんばんは、pointdpoさん。

実は私もしばらくこれには手を出さなかったのですが、その理由が単にジャケ写がラブロマンスのようだったから…に過ぎませんでした。
ところがひょんなことから手に取ったときにティム・バートンのものだということがわかって、借りてしまいました。(^^;

そういえば「ダーク・クリスタル」からでしたか。
こちらこそ、いろいろと教えられており、感謝しております。
来年もまたよろしくお願いいたします。(_ _)
Posted by 白くじら at 2006年12月31日 00:08
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Excerpt: エドワード・ブルームが語る彼の人生の物語は、いつも周りの人々を楽しませてきた。しかし一人息子のウィルにとって、父の「法螺話」が不満の種。どこまでが「真実」でど
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Tracked: 2006-12-29 09:54
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