1977年(ORCA) 製作国:アメリカ 監督:マイケル・アンダーソン 製作:ディノ・デ・ラウレンティス、ルチアーノ・ヴィンセンツォーニ 脚本:ルチアーノ・ヴィンセンツォーニ、セルジオ・ドナーティ 撮影:テッド・ムーア 音楽:エンニオ・モリコーネ |

カナダ東海岸で調査をしていた海洋学者レイチェル(シャーロット・ランプリング)は調査中サメに襲われます。
そこに通りかかったのはマイアミから来た捕鯨船バンポ号の船長ノーラン(リチャード・ハリス)、老船員ノバック(キーナン・ウィン)、操舵手ポール(ピーター・ホーテン)とその恋人アニー(ボー・デレク)でした。
彼らはサメの接近に気づき助けに向かおうとします。その船首を横切ってレイチェルの助手のケン(ロバート・キャラダイン)のモーターボートがレイチェルの元に…しかし逃げるときに今度はケンがバランスを崩し海に投げ出されてしまいました。
襲ってくるサメに誰もが駄目だと思った瞬間、サメの巨体が海上に飛びあがりました。次いで落下した体から鮮血が…こんなことができる生物はただ1つ、巨大に成長したオルカだけでした。
オルカにひかれたノーランは、オルカを捕らえようと出港しますが…メスのオルカを銛で撃ち捕らえ引き上げたとき、彼女は人間にも似た胎児を産み落とします。吐きそうになりながらも胎児を海に流し落とすノーランを、涙を流しながら燃えるような瞳で見つめるオスのオルカ。
その夜、オルカの襲撃で船が耐えれなくなったバンポ号は、吊るしてあったメスをやむなく海へ落としますが、その綱を切るためにバーに登っていたノバックは、浮上して来たオルカに食われてしまうのでした。
オルカはなんと10メールもジャンプすることができるのです。
オルカは血を流すメスのオルカを海岸まで押して行きました。
それはオルカが示したノーランへの宣戦布告だったのかもしれません。
やがてオルカの復讐が始まりました。
港の漁船が沈められ、パイブラインまでもが破壊され炎上、そして海岸に住んでいたアニーも…こうしてノーランは追い立てられるように港を出港し、オルカとの決着をつけるまで帰らない旅へと出たのでした。


最初スパックというのは、当時ハリウッドがこの新しい響きと共に生まれ変わろうとして作ったのかと思っていたのですが、どうやらこの言葉は配給会社が作った造語みたいですね。
S(サイエンス)P(パニック)A(アドベンチャー)C(シネマ)の頭文字を使って作られた言葉です。ただ2弾と用意していた作品がかけ離れたものになったためになくなり、その後も…。(- -;
人間よりも愛情が深いと言われるオルカを使うことによって、同じ海の傑作「ジョーズ」とは一線を画くしたと思われます。
「ジョーズ」は巨大なサメが襲いかかってきますが、そのサメ自体には特に性格付けなどはありません。ただ単に凶悪な怪物としてひたすら怖さが描かれていました。ジョーズ(顎)がタイトルになっている点も恐怖感を煽る1つでしょう。
片や「オルカ」では、オルカ側にノーラン(人間ではないところが重要!)に復讐するための動機付けが悲惨な出来事の上にあるのです。またそのことが「ジョーズ」以降の類似モンスターパニックとも違っているところでしょうね。
ただ逆に人間側にもう少しドラマがあってもよかったかなと思います。
特にあの思わせぶり的なエスキモーの教師ウミラク(ウィル・サンプソン)に活躍の場が欲しかったですね。
エンニオ・モリコーネの「愛よ、私たちは1つ」のせつな過ぎる曲にのって、生きとし生けるものの愛の感情を瞳の中に現している作品でした。
【一言いいたいコーナー】

・オルカはラテン語で「死を招くもの」という意味があるそうです。
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凄く家族愛の強い、生き物で復讐するまで追い続ける
って記憶が残ってます。これ続編も出てなかったかなぁ〜。ジョーズほどのインパクトは無かったのですが
この映画も好きだったと・・記憶してます。
「ジャガーノート」「カサンドラ・クロス」も好きです。
この映画も観ましたよ。最後が悲しかった記憶があります。
オルカはシャチの学名でラテン語です。
続編は知りませんが、「ジョーズ」と違って、オルカ側に感情移入してしまう、観るうえでの立場が180度違ったことが大きな特徴だったかも知れませんね。
私もリチャード・ハリスは好きです。
「ジャガーノート」「カサンドラ・クロス」それに「ワイルド・ギース」などがよかったですねぇ。
「ワイルド・ギース」は以前にレビューをあげました。「ジャガーノート」は今日。(^^;
「カサンドラ・クロス」はコレクションがないので探さないといけません。
「オルカ」のラストは物悲しかったです。
彼は果たしてあの地から脱出できたのでしょうか。
これは「ジョーズ」が当たった為に作られた割に娯楽性に乏しく、好きでした〜(笑)どちらかというと「白鯨」に近いでしょうか?オルカの瞳にノーランが映るシーンでは、家族を奪われた哀しみと怒りが伝わり「がんばれ!オルカ!」と応援してしまいました。
そうですねぇ、確かに「ジョーズ」からの影響を多分に受けているはずなのですが、娯楽性には乏しく、しかし動物たちの悲哀がものすごく感じられる作品でしたね。
私も人間側よりオルカよりに映画を観てしまっていました。(_ _)
はじめまして、大量にコメントしていただき、ありがとうございます。
おお、「オルカ」DVD出ましたか!
これはTVだけでしか観たことがなくって、おそらくいろんなところがカットされていたと思うんですよね。一度ノーカットで観てみたいものです。
オルカには敵対する人間が分かったのかもしれませんね。
でもレイチェルもあの状態でいったいどうやって帰ればいいのか…。(- -;
この作品はオルカの方へ感情移入するというモンスターモノとしては珍しい作品でしたね。あの妻と子供の死は本当に悲しかったです。
海のものだとフリー・ウィリーが好きです。これは結構シリーズが出てますね。まだレビュー上げていないので一度通して観たいものです。
海は神秘的で私も好きです。まだまだ人類が知らないことも多いような気がします。