2006年(SILENT HILL) 製作国:アメリカ 監督:クリストフ・ガンズ 製作:サミュエル・ハディダ、ドン・カーモディ 製作総指揮:ヴィクター・ハディダ、山岡晃、アンドリュー・メイソン 原作:コナミ「サイレントヒル」 脚本:ロジャー・エイヴァリー 撮影:ダン・ローストセン 音楽:ジェフ・ダナ amazon.co.jpで詳細を見る。 |
2004年ごろ…9年前に養女として引き取った、娘シャロン(ジョデル・フェルランド)の夢遊病に悩まされていたローズ(ラダ・ミッチェル)は、夫クリス(ショーン・ビーン)にも黙ってシャロンと共に家を出ました。
目的地はシャロンが夢遊病時につぶやいていた言葉にもあったサイレントヒル。彼女はネットでサイレントヒルがウェスト・バージニアにあるゴーストタウンであることをつきとめていたのです。
深夜、ジープを走らせていたローズは、途中、白バイ巡査ベネット(ローリー・ホールデン)に詰問されますが、そのまま振り切りサイレントヒルへ…しかし街を直前にして前を横切った人影に驚き側道へ…。
気がついたとき、座席にシャロンの姿はなく、外は白い霧で覆われたような世界でした。
それは今なお地下で燃えている石炭の灰なのでしょうか。
ローズはシャロンを求めて、サイレントヒルへと足を踏み込みますが、そこには人外の生物の棲む呪われた街だったのです。
原作としてコナミのゲーム「サイレントヒル」を題材にしたホラー作品です。
残念ながらゲーム自体はしたことがないので、世界観もさっぱりわからずの鑑賞となりました。
しかし、随所にゲームらしくアイテム入手、それを使って次のエリアへというゲーム独特な演出が見受けられました。ちょっとやりすぎだったのは、トイレにいた死体の口から紙片を取るところ。ほとんどためらいもなく口の中から取るのは?でした。
同じゲームを題材にした「バイオハザード」ではスーパーウーマンというべき主人公が活躍していたので、なんだか変な感じでしたが、今回の主人公は単なる主婦です。
逃げ回るしか方法がありません。実際彼女って魔物に立ち向かっていなかったような気がします。(^^;
でも恐怖感を煽る意味ではこちらのほうが良いのですが…残念ながらそこまでの恐怖感はなかったようで、ただ異形の魔物はよく出来ていますし、残酷描写もありましたが、それに関して精神的に怖いというものはなく、どちらかというと、教団のような考えとその行為に関しては怖いものがありました。
これまた結局は人間の行為が一番怖いということですね。
特に白バイ巡査ベネット…うーん、そうなりましたか。彼女の言葉「母さん、そばにいて」が脳裏に焼きついてしまいました。
作中使われている「母は神」という言葉、それは立場こそ違えローズとシャロン、ダリアとアレッサ、ローズとアレッサ、ベネットとお母さん…と多くの関係が出てきていました。
この作品では4つの世界が入り混じり、ストーリーを追うことになります。
1つ目は現実世界、2つ目は生と死の狭間というべきサイレントヒル、3つ目はサイレンがなった後の魔物がうごめくサイレントヒル、そして最後は1974年のサイレントヒル。
これらは一目でそれと判るような光景であり、特筆すべきはサイレンがなった後の、世界が変わっていく様でしょうか。ホントの魔物が出てきてもおかしくないような変化を見せつつ、変貌していくのには驚きました。
意外と重要だったのはクリス(ショーン・ビーン)がいる現実世界。
生者である彼は基本的に何もできませんが、サイドから物語を解く重要な役目でした。さらに同じ位置関係にいるときにはローズの気配がわかるようです。
それゆえにラストの彼の存在は大きく、物語を締めくくるに相応しい悲哀を漂わせているのではないでしょうか。
あまりに物悲しいことです。
【一言いいたいコーナー】
・最初は異世界かと思っていたのですが、棲んでいる住人が死ぬことを嫌っており、さらに火災現場からは多くの死体が発見されていないというくだりがあるということは、やはりローズとベネットは最初の事件ですでに死んでいたのではと思っております。どうやら肉体は現実世界からはなくなるようですし。
・こうなるとそれを知らないローズは、決着後、家に帰っても魂のような存在で「全てを知っている」シャロンとともに「アザーズ」のような形で棲みついてしまうのでしょうか。
・サイレントヒルの住人は、あの中で殺されるとそれを自覚してホントに死んで(成仏して)しまうと思われるのですが、そうするとそのつど死体が?ひょっとしてラストの後、ゴーストタウンに行くととんでもないことになっているかもしれません!(- -;
・よく観直すと携帯と電話も実際には応答していないんですよね。最後、声が届いていたのかな?
・序盤でローズの携帯がなりましたが、あれはいったい?
・30年も燃え続けている石炭…結構何度も繰り返し言われているのですが、じっさいにそれの効果というものはありませんでしたねぇ。まぁ、灰が降っているといえばそれまでなんですが、地下に幾たびに今度こそと思ってしまいました。しかし見方を変えれば、あれは狂信者たちの儀式が今なお続いているということなのかも。
・あの3角頭…なにか特別な意味があったのかな?(^^;
小六のB級A画館(小六さん)の「サイレントヒル 「SILENT HILL」」
肉球シネマブログ(アニーさん)の「【 サイレントヒル 】」
晴れたらいいね〜(ちゃぴちゃぴさん)の「【 サイレントヒル 】」
小部屋日記(アイマックさん)の「サイレントヒル」
爆走特急 MovieFreak号が行く!!(shit_headさん)の「話題のホラー「サイレント・ヒル」を観ました!」
sailor's tale(starlessさん)の「サイレントヒル」
シェイクで乾杯!(shakeさん)の「サイレントヒル」
こわいものみたさ(とら次郎さん)の「サイレントヒル」
RETRAの奇妙な映画館(りとらさん)の「サイレントヒル Silent Hill (2006年)」
【関連する記事】
ゲームもんの割には、おもしろかったと思います。
逃げながら、あっちこっちへとすすんで行くのは、後から考えたらゲームですよね。アイテムもあったし。
S.ビーンが出てきて、「あっ世界が違うんだ」と気がついた時は、やられたなぁと思いました。
悲しい結末でしたけれど…。
TBありがとうございます。
そうですねぇ、ゲームもので当たりはなかなか難しいようですね。
一応の成功例としては「バイオハザード」「トゥームレイダー」くらい??両方とも私には微妙でしたけど。(^^;
アイテムが妙にあったのがやっぱりゲーム感覚かなって。
よく無くしてしましたし。
そう、いつまでも白いので変だなと思っていたら、ショーンが出てきた色があまりにも鮮やかで、あああ、と思ってしまいました。
悲しかったですね。
僕もゲームはやったことないけど、観にきました。
で、気に入りました。たぶんゲームものの中では成功した方なんでしょうね。原作ファンの間でも評判は悪くないみたいですし。
怨霊の造形が斬新でしたね。顔も腕もなくヘンな液出しながら徘徊するヤツとか三角形のヘルメット(?)被ってバカでかい刃物振り回す怪人とか。
荒廃した町も裏道とかも全部地獄そのもの。とにかく悪夢映像連発で大コーフンでした。
ショーン・ビーンがこの手の映画に出てるのが新鮮でしたね。
おお、観られていましたか!
そうですね。私も数ある原作ゲームの中でも成功した部類だと思います。
クリーチャーは独特なセンスがありましたね。なんだかちょっと謎な部分もありましたが。(^^; なかなかいけていました。
三角頭は謎の集大成でした。あの頭はいったい…どうしてあいつだけ巨大?いったい何ものー。
白灰の舞う街中もよかったですねぇ。ちょっと暗いところが多かったですが、映像的にはほぼ満足です。
ショーンが出てきたときにはびっくりしました。
まさか出ているとは。でも外部での重要な役には違いありませんでしたね。彼がいなければラストの悲哀はありませんから。
トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせていただきます。
相変わらずでいたが・・(-^□^-)
私は、ラストが曖昧で、死んでなくて、別次元の世界に
居るのかと、思ってました〜。
でも、死んでるが大多数意見みたいで、イイや、自己意見を貫きます・・・間違ってても、妙に意固地なんで(笑)
白くじらさんと一緒で、ちょっとオススメに私も同意見。
最近のホラーの中では、まれに見る、良い映画だったと
思います。
トラバさせていただきます。
ついに「サイレントヒル」観ましたかぁ〜
面白かったですよね。
わたくし、ゲームのファンだったので映画化大賛成でした。
一体どんな感じに仕上がるのか不安でしたが、世界観はバッチリ!
なんとなく続編を感じさせるラストのような気も…?
果たして続編もあるのか?
楽しみです!
では、また〜
どうもこの映画ネタバレしない方が面白そうですね・・
まだ見ていない私は、見てからじっくりレビューを拝見したほうがいいかもしれませんね!早くみなくちゃ!
微妙な怖さででしたねぇ。
直前に「ディセント」を観ていたからかもしれませんが。(^^;
私も最初は異世界かなって思っていたのですが、やはり死んでいるほうがしっくりくるような気がして。
でもこうやっていろいろと考えることができる作品って好きです。きっと映画館に行っていたら、後で連れとああでもない、こうでもないと談合できたことでしょう。
トラックバックありがとうございました。
ずいぶんと遅れてしまいましたが、ようやく。(^^;
私もゲームはするのですがRPG系が主で、サイレントヒルは名前くらいしか知りませんでした。
いろいろなシチュエーションがゲームと同じだったようですね。
こういうタイプの映画って、ゲームを知らなくても大丈夫なように作っているようですが、やっぱり知っているとニヤリとできるシーンがあって、ちょっと羨ましいです。
ゲームでは4まであるようですし、続編もあるのかも知れませんね。っていったいどう続けるんだろう。
トラックバックありがとうございました。
そ、そうですね。
まだでしたら私のレビューは読まないほうがいいです。
どうしてまだ観ていないのかと思ったら、pointdpoさんは悪人のショーンの方が好きなんですね。(^^;;そっかー
またレビュー書かれたら、トラックバックしに行きますね。
積もる(?)話はまたそのときに。
いつもどもです!
ゲーム系ホラーにしては完成度が高かったですよね。
やっぱり母子は死んでいるのですかね。
異次元にいると思いたい部分もあり。
惨いシーンは私はダメでした^^)ゞ
続編あるのかなあ?
映画館いった時、いかにもゲームおたくの方がちらほらいました(笑)
ですね。ゲームを題材にしても、元々がよければ映画にも耐えるという見本でしょうか。
ラストの解釈は人それぞれだと思いますが、私はやっぱり「死」かな…でも心の奥底では異次元にいて何とか戻る手段があって欲しいですね。
でないと、最後があまりにも物悲しいです。
惨いシーン…やっぱり子供に関する部分と巡査のシーンは嫌でしたねぇ。基本的に火あぶりを見せるのはやめて欲しい。
あはは、そういう人が多かったですか。
って一目でゲーマーって判る人っていったい。(- -;;
トラックバックありがとうございました。
ショーンに触れてくれてホントにありがとう!!他の方々もショーンに言及してくださってるみたいで、ショーン・フリークは泣けてきます。
彼がこんな普通のパパ役をやるようになったのは、最近ですものね。でも良かったでしょ?
映画ですが、私これ映画館でわざわざ観ました。ゲームやらないんで原作の方がどうとかさっぱりなんですけど、知ってる方に言わせると、ゲームとくりそつの映像だそうですよ。で、たいして怖くないよねっていうのが通説のようで…(^^ゞ。
私としては、あの三角男(笑)の身体が結構いいじゃんとか、冒頭のショーンの半裸はもっと明るいところで見せろやとか、いらんことばかり考えておりましたとさ。
なるほど、これは全く思い浮かばなかった解釈ですね。
・・・・・
アレッサが「善」と「悪」に分裂したとき、「善」をシャロンとして現実世界に送ると、「悪」はサイレントヒルを住人ごと現実世界から引きはがし、時の流れない異世界(だから石炭は30年燃え続けました)に留め置きました。復讐のためです。しかし住人は結界(?)をはり、抵抗しました。
現実世界と異世界はサイレントヒルの場所で接しているわけですが、通常は行き来はできないのでしょう。しかし半身が異世界にあるシャロンを触媒にして、3人はすり抜けてしまったのです(ひょっとして一般の人も行き来ができ、それを隠蔽するために現実世界の警察がサイレントヒルを封鎖していたのかも)。
復讐を果たした「悪」は「善」と一体化(「悪」がシャロンの瞳をのぞき込んだシーンが、この事を暗示しているような)して完全体として復活したアレッサ。しかし彼女の時は30年前で止まっており、もはや現実世界に彼女の居場所はない。アレッサはローズを伴って異世界にある(パラレルワールド?)ローズの家で暮らすのであった。
・・・・・
ローズは娘を連れて家に帰ったつもりだったけれど、娘は娘ではなく家は家ではなかった、というちょっとゾッとするエンディング、というのが私の見た「サイレントヒル」でした。
むむ、そう泣かないでも。(^^;
ショーン出番は少ないですが、いい役でしたね。彼がいなくてはラストの情景はありえませんでしたし良かったですよ。
劇場で観ると拡大画面と音響でまた怖かったかもしれませんねぇ。
ゲーム画面と同じというか、構成、カメラワークも同じという人もいらっしゃったようで、ゲームファンにはたまらない一品になったようですね。
三角男は…私がいらんことを考えていたのは、腕のあんなとこ撃ち抜かれて巨大武器振れるの?とか…。(^^;
豆酢さんところもトラックバックせねば、と思っていたのですが、なにやらの理由で削除されていたようですね。
どうしたのでしょう、残念です。
私も最初は異次元系かなと思ったのですが、死んでいることに気がつかないということから、死後の世界との狭間のようなところかなって思っています。
つまりあの火事のときにすでに死んでいるけど、あまりのことに死んだと思っていない。
いい人もいっぱい死んでいるようですが、その人たちが残りの人を引き吊り込もうしているかなんて、物騒なことを考えたり。(^^;
石炭は現実世界でも燃えているので、時間が止まっているのではないような気もします。
どの道、
>ローズは娘を連れて家に帰ったつもりだったけれど、娘は娘ではなく家は家ではなかった、というちょっとゾッとするエンディング、というのが私の見た「サイレントヒル」でした。
というラストは私も同じです。
娘は今までの娘ではありえませんし、夫のいる家でもありませんでしたね。
とかもどうもローズにはそれを認識する能力すら衰えているのでは…とおもえるような脱力感が宿ってしまっているように見受けられました。
ぞっとするとともに悲しいラストでした。
にしても、いろいろな解釈があるのは面白いですね。
トラックバックもありがとうございました。
コメントありがとうございました。
同じゲームを題材にしていますが、バイオハザードとは、かなり違った感じの作品になってましたね。
こちらの作品のほうが、いかにもゲームらしい感じがして不気味でした。
死体の口から紙を取り出すシーン、ありましたね。私にはそんな勇気ありません(笑)
こちらでははじめまして、来訪ありがとうございました。
「バイオハザード」はアクション主体となっていたので、同じ恐怖でも内容がずいぶん違っていたようですね。こちらの方が、精神的に恐い部分が多くあったように思えます。
ゲーム要素はコチラが強かったようですね。
死体の口のアイテムゲットは、ちょっと驚いてしまいましたよ。(^^;
トラックバックありがとうございました。
ゲームも映画も、ちょっと意味不明で敵キャラも不気味で怖いです。
精神的な怖さというところも。
あんな世界に迷い込んだら、ほんと逃げるしかないですね。
というか、怖くて生きていけないわ・・・。
リンクさせていただきました。
これからも、よろしくお願いします。
ゲームにあわせて作られているんですねぇ。私はそういうところが判らなくって、あの巨大な三角のモンスターが出てきたときも、なぜこんなのが?でした。(^^;
モンスターたちはかなり不気味で恐い存在でした。
確かに…もう逃げるしかないですね。
リンクありがとうございました。
こちらからもリンク処理をして相互リンクとさせていただきました。
今後ともよろしくお願いいたします。
白くじらさんの目の付け所、流石ですね。
そうそう、確かに色んな母と子の関係を描いてますし、
4つの世界がリンクしていて、尚且つ分かりやすい!
うーん、増々深い作品ですね。
ラストのラスト、
花壇を映している後には、乗ってきた筈のジープが無い・・。
やはり、最初の事故の時点で死んでたんですかね。
そして、霊魂の状態でサイレントヒルの町を彷徨ってたんですかね・・。
改めて素晴らしい作品!
そうですねぇ、この作品は後からいろいろと考えさせられる作品で、そういう作品は大好きですね。(^^)
まぁ、どうしても自分なりの解釈になってしまいますから…ゲームをプレイしているとまた違った感想になるかもしれません。
おお、ラスト、ジープがありませんでしたか!
ますますもって死んでいたのかもしれませんね。
いい、作品だったと私も思います。