1985年(BRAZIL) 製作国:イギリス/アメリカ 監督:テリー・ギリアム 製作:アーノン・ミルチャン 脚本:テリー・ギリアム 撮影:ロジャー・プラット 編集:ジュリアン・ドイル amazon.co.jpで詳細を見る。 |
完全管理体制と化している世界で、情報局に勤めるサムは夢を見ていました。その夢の中では彼は翼を持った騎士となり大空を舞っているのでした。
そういう思いは逆にたどれば、今の仕事への不満が映像化されていたのでしょうか…。
あるとき役所の人間が飛び回る虫を殺したことから、物語りは始まります。テロリストである「タトル」の手配書が、虫がタイプライターに挟まったことから「バトル」となってしまったのです。そのために善良な市民であったバトルが警察に捕まってしまいます。
情報局のサムは誤認逮捕を知ると、上司の代わりにバトルの家に…しかしそこで待っていたのは残された妻の叱責だけでした。
その場で夢で見た女性ジルを発見したサムは、彼女を追いますが…。
鬼才テリー・ギリアムの手による未来世界を描いた作品がこれ、未来世紀ブラジルです。
現実と幻想が交錯した世界、未来は決して明るいわけでもなく全ての情報が登録され、人々は情報剥奪局によって支配されています。昇進など考えてもいなかったサムは、ジルを救うためにやむなく剥奪局に入りますが、そこで彼を待っていたのは無気力な人間たちと不条理な世界でした。
ジルをつれて自由を求めて逃げようとした彼を待っていたものは、暗く悲しい現実でした。
ブラックユーモアを全編にちりばめながらも、痛烈に管理社会の怖さを説いた一品です。
【一言いいたいコーナー】
・タイトルにもなっているプラジルは、1940年ごろにアメリカで大流行したサンバ調の音楽ですが、この曲が作品に重みと悲しみを添えています。
・本物のタトル役にはロバート・デ・ニーロ…要所要所で登場する彼は、まるで忍者のような行動でサムの後押しをします。このキャラは私のお気に入りでもあります。(^^;
・情報剥奪局員必須のアイテム、YES/NO判断器…最近よく判断させられることが多いので私も欲しいです。
・この作品はアラン・スミシー監督になりかけたそうです。危なかったです。
ORGANIC STONE(pointdpoさん)の「必殺無許可ヒーター修理人参上:未来世紀ブラジル(1985)」
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これ映画館で見ました。
当時、予告編を見て、SFアクションかファンタジーと勘違いしてルンルンで見に行きました。彼氏引き連れて^^;
いつスカッとしたヒーローが出てくるのか?と思ってたのを覚えてますねぇ。
今となって覚えているのは、天井を突き破って部屋に進入するところ、ヒロイン?が入っていたお風呂がとても汚かった事^^;、レンガの地面が盛り上がる所、そして新聞紙に包まれた人が消えてしまうシーン。
だけど見終わった時、がっかり感や期待はずれ感はなかったんですよ。何故か。
当時の彼氏は到底この手の映画は興味なし!の人間だったのですが、2人共「なんか・・・訳わからんかったけど・・なんか悪くなかったね?」
と本人達も分からないけど不思議な感想を持った記憶があります。
後遺症としては、どの映画を見ても女性が西洋風のバスタブにつかっていると、薄汚れたお湯に入っていたこの映画のシーンがフラッシュバックする事ですか^^;
お湯に浮いていた黒い焦げカスみたいなのまで覚えてますよ^^;
見直してみるかな?
私も当時映画館で観ていますが、確かに、夢の世界とかあってSFファンタジーってところも多いですよね。
私の連れも観終わってから「確かに面白いところもあったけど、意味がわかんないよ」と言ってましたねぇ。
>天井を突き破って部屋に進入するところ、ヒロイン?が入っていたお風呂がとても汚かった事^^;、レンガの地面が盛り上がる所、そして新聞紙に包まれた人が消えてしまうシーン。
インパクトのあったシーンですね。
レンガのところは妄想のシーンで、主人公の精神的な足かせが具現化したような感じでした。行ってはいけないと言っていましたし。
ほかにずーっと記憶に残っているところとしては、やっぱり武者との戦いのシーンですが、変わったところでは隣の人と机の奪い合いをしているところです。二人で1つの机っていうのは吹き出してしまいました。
バスタブは確かに…それになんだか妙に広くって、どういう部屋なんだろうと当時思ったものです。
この後の「バロン」もぶっ飛んでいましたねぇ。
こっちも観たいな。
なんと言ってもデニーロが笑えましたね。「ヒーター修理テロリスト」。そんなことに命を賭けてどうするんだ?!こういうばかばかしい不条理ギャグが、受ける人と受けない人で評価が分かれるのですね、ギリアム作品は。
バスタブ、全然覚えていません。(横レスすみません)そんなに汚かったですか?
ホント、ちゃんとヒーターを直しているところが素晴らしいです。
余裕でほかの係りの人をとんでもない方法で倒す(?)ところもよかったですねぇ。
このころはまだやせていましたねぇ。
結構不条理なギャグは多いですが、その向こうにもう一つ大事な芯があるところが、観ていて物悲しくなるところでもありました。
ラストは悲しかったですね。
バスタブは…まぁ、その。(^^;
デストピアものって、「華氏451」とか「1984」(これうちに記事あります・笑)とか、悲惨だけど惹かれる作品が多いですね。本当にどうしようもなく悲惨なんですが、それが今現在の社会の本質かと思うと無力感にも苛まれますが(-_-;)。
新聞紙と一緒に消えてなくなっていったのは、デ・ニーロのヒーター修理人でしたね。
この映画見てると、自分がよく観る出口なし悪夢を思い出して、ハンパじゃなく怖いですわ。あちこちに仕掛けられてるブラックな笑いも、さすがモンティ・パイソン出身らしいです。この作品の製作裏話、「バトル・オブ・ブラジル」を読みましたが、ものすごい難産な映画だったそうですよ。ギリアム監督は企画を通すため、製作会社や投資者相手にとんでもないバトルを繰り広げたとか。
「1984」は未観ですが、「華氏451」は私もレビューしてみました。
同じように管理社会の恐怖を描いていましたが、ラストの本を読むシーンはSF界屈指のシーンでしたね。
当時「ブラジル」を観たときには、侍とラストの拷問器具がとんでもなく怖かったイメージがあって、悪夢を見てしまいましたが…。
豆酢さん…出口無しの悪夢をよく見るんですねぇ。むむ、なむなむ。
私はこのときにモンティ・パイソンの名を知って、逆に「ホーリーグレイル」などを観た口です。
この難産ですが…私も聞いたことがあるのですが、ラストをハッピーエンドにせよと、別バージョンまで用意されたそうですが、テリー・ギリアムはそんなことは許すまじと、ゲリラ的に公開してしまい、それが当たったために今のラストとなっているようです。
ハッピーエンド版だったら、監督名がアラン・スミシーになっていたのではと…。(^^;
私も記事上げたのでTBさせてください!
ギリアムっていつもいつも作品制作でバトルしてますね!
おお、もう上げられましたか。
トラックバックありがとうございました。
では、さっそく私も。(^^)/
いつもいつもバトルしているのですか!
んー、やっぱり想像力がほかの人とは違って周囲の人とは合わないんでしょうかねぇ。でも押し通しているのですね。(^^;
これ、私も映画館に観に行きました^^
見終わって、連れが一言。「オイシイなぁ、ロバート・デ・ニーロ。」と。
あの最後のお面の顔(しかも笑顔)がめっちゃ怖かった〜!!
そして映画館に小さく響く名曲ブラジル・・・怖すぎるっちゅーねん><
あの曲を聴くたびにこのラストシーンが頭に浮かんでしまいます☆
あ、『バロン』も好きです〜♪
私、最初ロバート・デ・ニーロってわかんなくって。(^^;; でもこのタトルはいい味を出していて面白かったですね。
あのオタフクのお面は夢の中でも被っていた人もいましたね。あの笑みは結構恐いです。なにしろやっていることが…ヒョットコだったらひょっとして…。(^^;
このラストに流れる曲は当時ハマっていました。
今でも思い出される曲ですが、悲しみに彩られています。ホントはもっと明るい曲なのに。
「バロン」は私も好きですよ。
あ、まだレビュー上げてないですが、もう一度観ないと細かいところが。