![]() 製作国:韓国 監督:アンドリュー・ラウ 脚本:クァク・ジェヨン 撮影:ン・マンチン 美術:ビル・ルイ 音楽:梅林茂 amazon.co.jpで詳細を見る。 |

オランダ、アムステルダムで暗殺者として暮らしているパクウィ(チョン・ウソン)は、最初の暗殺の後、田舎に隠れていたとき、橋から落ちる画家の卵ヘヨン(チョン・ジヒョン)を目撃します。
彼女をなんとかしてやりたいという思ったパクウィは、仲間と共に橋をかけました。
またやってきたヘヨンは、橋が架かっていることを知り、お礼にデイジーの絵を残しました。それはパクウィの手に、彼女の心と共に渡り、そのお礼なのかいつしか彼女の元にデイジーの花が送られるようになりました。
花は毎日4時15分に届けられ、ヘヨンはその花の贈り主を待ち続けるようになるのでした。
ある日のことヘヨンは4時15分にデイジーを持ち、自画像を描いて欲しいとやってきた男性ジョンウ(イ・ソンジェ)がその人ではないかと心を引かれ始めますが、彼はアジア犯罪組織を追跡中のインターポールだったのです。
運の悪いことに二人が会っていた広場で銃撃戦が始まり、ヘヨンは負傷し病院へ、ジョンウもまた大怪我をして帰国することに。
彼女を気の毒に思ったパクウィはついにヘヨンの前にその姿を現しますが…。

2006年「デイジー」
2006年「デイジー(アナザーバージョン)」


ヘヨン、ジョンウ、パクウィの順に語られる通常版と違って、最初からパクウィが出ているために、ジョンウと出会っているときに、背後からパクウィが狙っているシーンが最初から挿入されていたりと、カットを加えて再編集したようなものでしょう。
しかし、眉をひそめてしまうのが(-"-)言い回しが微妙に違っていたりするところですね。
たとえば、ジョンウが登場したときに通常版では「これでもとの世界に戻れる」とクールなことを言っていたのがアナザーでは「誰だ彼女を微笑ますのは」と嫉妬感あふれる言い回しになっていたり、雨が降ってジョンウを待つときの言い回し、ジョンウとパクウィが車で喋っていたときの会話、ヘヨンがパクウィの絵を贈っていたわけなど、根本を覆すような感じでした。
しかし逆に、これでよく判ったところもありました。
デイジーが届けられる時間が4時15分であったこと。このことにより、ジョンウの登場時間が重要な意味を持ってきます。これが通常版にはありませんでした。もっとも通常版では彼女への想いがつのったときに届けていたデイジーが、なんと毎日届けるようになっていましたが…船のデイジーなくならない?
また、パクウィの正体を知って詰め寄るヘヨンが急に倒れてしまったのは、これから暗殺に行こうとしていたパクウィが一服盛ったからだったようですね。ここも不思議だなと思っていたので、氷解したような気分でした。
ジョンウの一年後の墓参りでチャン刑事がヘヨンに黒いチューリップのことをいうシーンが追加されていましたが、これだと一発で判ってしまいますが。(^^;カットのままでクラシックの謎でよかったのに。
さて、問題のラスト、二人はいったいどうなってしまったのか。
予想通りといえば予想通りですが、パクウィに追加されているのはほんの数秒のシーンでした。と書けば判るかな。
ヘヨンに関しては、実は通常版では狙撃されたときに流れた歌詞に訳が付いていたのですが、アナザーにはそれがなく、逆にエンディングに歌詞訳があり、これを聞くことによってどうなったのかが判る仕組みになっていました。
実際に通常版でも同じ歌詞が流れていたのかどうかは、ハングル語が判らないのでなんともですが。
通常版に比べるとヘヨンの心情描写が極めて少なく、通常版を観ている人ならともかく、アナザーだけを観ると感動するのは難しいのではと思いました。
やっぱり切ない話なんですけどねぇ。
【一言いいたいコーナー】
・ラストの4人が顔をそろえている雨のシーン、アナザーには序盤の雨のシーンがないので、ちょっと意味不明かも。
・橋を直してくれたのを知ったヘヨンが手を上げて「サンキュー!」というシーンはカットしないで欲しかったなー。


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