1969年 製作国:日本・アメリカ 監督:本多猪四郎 製作:田中友幸、ドン・シャープ 脚本:関沢新一 特撮:円谷英二 音楽:伊福部昭 amazon.co.jpで詳細を見る。 |
1969年春、世界最大と言われる日本の海洋観測船『富士』は、赤道直下を東に流れるクロムウェル海流の調査分析のために、ギルバート諸島の東沖、南太平洋で作業中でした。
航空機が高層のジェット気流を利用しているように、潜水艦のスピードアップに海流がどう利用できるかが調査の目的でした。
物理学と海洋学の権威である田代健博士(宝田明)、フランスの地質学者で潜水球調査のベテランジュール・アッソン博士(岡田真澄)、そしてトランス・グローブ通信のロートン記者(リチャード・ジャッケル)は、潜水球での調査中、突然の海底噴火の事故に遭遇。間一髪のところをクレイブ・マッケンジー(ジョセフ・コットン)と名乗る男の潜水艦アルファ号に救われます。
今の技術ではとても考えられない高水準の潜水艦に驚く暇もなく、もう一隻の潜水艦黒鮫号の襲撃を受けてしまいます。なんということか海底ではマッケンジーの宿敵であるマリク(シーザー・ロメロ)との戦いが繰り広げられていたのです。
攻撃をかわしたアルファ号は事故で重傷のジュールを救うために海底基地へと急ぎます。
そこは東経180度、緯度…ゼロ。
当時考えられる特撮の全てを盛り込んだ、夢の日米合作の大特撮映画です。
アメリカ側が倒産していまったために、版権の所在がわからなくなり今までDVD化されなかった、いわば幻の作品でした。
ストーリーが事故で世界水準を超えた潜水艦に拾われるあたり、まるで「海底二万哩(2万マイル)」を彷彿とさせます。
しかしマリクという宿敵を配し、同水準の黒鮫号を出したり、難攻不落のマリクのブラッドロック島に仕掛けられた、磁気、がけ崩れ、巨大ねずみ、毒ガスなどこれでもかというほどの罠を、特殊装備したマッケンジーが突破していくのは、子供なら誰しもわくわくのシーンでしょう。
特に最後に登場する鷲とライオン、そして脳改造をされたグリフォン。このような怪物まで登場するとは卒倒しそうですね。(^^; この改造シーン、当時子供に見せるには問題があったのではないでしょうか。かなりショッキングなシーンです。
さすがに今見ると特撮のアラはどうしようもありませんし、マリクたちの言動のおかしさも多いのですが、当時の出来としては最高でした。特撮好きな方にはオススメの一品です。
【一言いいたいコーナー】
・マリクのコントロール室にはショッカーのぷちエンブレムのようなものが。
・緯度0は磁気バリアのようなもので黒鮫号の侵入を阻んでいますが、マリクはTVカメラで内部を盗撮している模様。いったいどうやって仕掛けたのでしょう。
・マリク…作戦が失敗しても失敗しても笑って、ポジテブに次の手を考えます。ある意味すごい。
・ラストはどう考えたらいいのか難解ですが、どうやら監督は緯度0をパラレルワールドにしたかったらしく、それでこういうオチになっているのかも知れません。ほかにも写真には写っていたけれど、みんなに見せるときには写っておらず、後で見たらやはり…というオチも用意されていたとか。
・黒鮫号の艦長『黒い蛾』を演じていたのが黒木ひかる、妖艶でしたがなんとも報われない役でした。
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