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2016年01月28日

無防備都市

希望を捨ててはいけない。何があっても。
無防備都市 [DVD]
1945年(ROMA,CITTA,APERTA/OPEN CITY)製作国:イタリア
監督:ロベルト・ロッセリーニ原作:セルジオ・アミディ、アルベルト・コンシリオ
製作:ペッピーノ・アマート製作総指揮:
脚本:フェデリコ・フェリーニ、セルジオ・アミディ、ロベルト・ロッセリーニ撮影:ウバルド・アラータ
音楽:レンツォ・ロッセリーニamazon.co.jpで詳細を見る。

ストーリー
第2次世界大戦末期、イタリアは連合軍に全面降伏。しかし北部にあるローマなどは同盟国であったドイツによって占領されてしまうのでした。
反ナチ解放戦線の幹部であるマンフレディ(マルチェロ・パリエロ)は、山にこもる同士500人のための補給活動を行っていましたが、秘密警察(ゲシュタポ)率いるベルグマン少佐(ハリー・ファウスト)の追跡から逃れる為に、フランチェスコ(フランチェスコ・グランジャッケ)の家にかくまってもらうことに。その隣の部屋にはフランチェスコとの結婚を控えたピナ(アンナ・マニャーニ)と息子が住んでいました。
こうしてマンフレディは神父ドン・ピエトロ(アルド・ファブリーツィ)に資金調達を頼むことになります。

しかしフランチェスコとピナとの結婚当日、アパートはドイツ兵に囲まれ、フランチェスコたちは囚われてトラックに乗せられてしまいます。2人目の夫を亡くすと思ったのかピナは半狂乱でトラックを追いかけますが、無情にも彼女は射殺されてしまうのでした。
フランチェスコたちを乗せたトラックは、途中レジスタンスの手により襲撃され解放に成功します。その後、アンフレディとフランチェスコは、マンフレディの恋人であり女優のマリナ・マリ(マリア・ミーキ)の元に身を寄せて今後の動きを計画しますが、彼らの動きはある人物によって筒抜けになっていたのです。そして…。

ブログ DE ロードショー

映画レビュー
ちょっとオススメ映画鑑賞の記録のmiriさん発祥、現、忘却エンドロールの宵乃さん主催の「ブログ DE ロードショー」に参加、その2です。この企画は映画を決めて、その期間中にみんなで観ようというもので、通常は1本決めてから観るのですが、今回は同じテーマということで特別企画です。
企画名は、
一緒にイタリア・ネオリアリズム作品を観ませんか?」です。
お題の発起人はクリスタルの断章のポール・ブリッツさんです。
おそらく見ることがなかったであろう作品でしたが、観る機会を与えてくれた企画に感謝です。(^^)

なお、同じ企画の1本目としては「自転車泥棒」を鑑賞しました。

映画レビュー

この作品は、イタリア・ネオリアリズムの始まりと言われており、当時を生きた人々にとって大きな影響を与えたことでしょう。中でも衝撃を受けたイングリッド・バーグマンロッセリーニ監督にに手紙を書き、それがきっかけで…という話もあったそうですね。

数人の俳優を除いて素人を使い、なかなか手に入らないフィルムをつなぎ合わせたり、この情勢下でのロケなど、それらの苦労がリアルに映像に反映されています。
ただ、同じリアリティ追及の「自転車泥棒」と比べて、ゲシュタポの少佐や女性はあまりにも美しく、それでいて悪魔のような所業で逆に作られた演出のような感じを受けました。またゲシュタポの酔った1人が教訓めいたことを言ったのも若干興ざめでした。まぁ、ゲシュタポも人間、こういう風に感じた人間もいるとは思いますけど。

死ぬ前の神父の一言「死ぬことは難しいことではない、生きることのほうが難しい」。この言葉は、ラストで肩を落として立ち去る、これからを生きる子供たちにこそ、届いてほしいと思います。

チェックポイント
【ここがいい!】
・神父さんの表情がとてもいいです。子供と玉蹴りしてたり、裸体彫刻を動かす時、拷問されている時を観る時とか。
・拷問シーンは怖いですね。さらに怖いのは、取り調べ室のすぐ横であり、さらにその奥では酒を飲みながら談笑している将校たちがいるところでしょうか。
・生きるためには恋人であっても売ってしまうマリナ…しかしマンフレディが死んだところを見て気絶するところはまだ良心が残っていたのでしょう。しかし、さらに無慈悲に報酬として渡していた毛皮を取るゲシュタポの女性…マンフレディがいなくなったことでもう利用価値がなくなったということでしょうか。とことん冷たいです。

【ここは問題かな?】
・ピナがトラックを追うシーンは名シーンですが、あそこまで狂乱していたのは過剰な気もしました。ただ、2人目の夫が結婚当日に捕縛という状況下では無理もなかったのかもしれません。違和感を感じたのは確か。
・どうして椅子に座らせて銃殺させたのかな?

【一言いいたいコーナー】
・銃殺兵たちはイタリア人なのかな…アパート包囲の時にも1人いたけど…同国人で2種類の人間がいるのはつらいです。
Number833・続く「戦火のかなた」「ドイツ零年」と合わせて3部作とも言われているそうですが、両方とも見当たらず、パックになった商品を購入した方が手に入れるには楽そうです。

コメントとトラックバックをさせていただきました。
忘却エンドロール(宵乃さん)の「一緒にイタリア・ネオリアリズム作品を観ませんか?
クリスタルの断章(ポール・ブリッツさん)の「「無防備都市」再見
newしずくの水瓶(しずくさん)の「それでも目をそらさずに 『無防備都市』
或る日の出来事(ボー・BJ・ジングルズさん)の「「無防備都市」

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posted by 白くじら at 16:59| Comment(16) | TrackBack(3) | 戦争 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも有難うございます☆

「無防備都市」鑑賞されたんですネ〜!
私は2年少し前に見たけど「ドイツ零年よりは多少マシ」と思ったくらいで(笑)
2度と見たくなかったけど、こちらのチケットの魔力には勝てませんわ☆☆☆

もしかしたら、再見するかも〜?
もし再見したら、お邪魔させて頂きますね♪


.
Posted by miri at 2016年01月28日 18:59
こんばんは、miriさん。

先日何かないかと物色していたら、本作がありました。「ミラノの奇蹟」「殺人カメラ」とか観たいんですけどね。

チケットの魔力!
全作、チケットだけ作っていたら面白かったかも。(^^;

これで2作鑑賞しましたけど、個人的には「自転車泥棒」の方が好みでした。
これは、観ててちょっと辛いですね。
Posted by 白くじら at 2016年01月28日 19:10
これは、バーグマンが…という興味もあって、見てみたい映画なんですよ。
ただ、見るためには、わざわざレンタルを探さないといけないので。
今月中ですねえ、うむむ。
Posted by ボー at 2016年01月28日 19:20
こんばんは、ボーさん。

この作品は調べていると、いろいろな出来事が絡んでいるようですね。
実際にこの作品だけでどれほどの感銘があったのかは、その時代に生きていなければ計り知れないでしょうけど。

さぁ、すぐにレンタル屋さんへごーごー!
何か、あるある。(^o^)
Posted by 白くじら at 2016年01月28日 19:40
おはようございます。
人間って自分に近いテンションのものに触れると心が落ち着くらしいから、当時はこんなに重い作品が受け入れられるほど、みんな暗い気持ちを引きずっていたということなんでしょうか…。
そう思うと、この作品が”重い”と感じられるのはいいことかもしれませんね。
2作品目もご参加ありがとうございました♪
Posted by 宵乃 at 2016年01月29日 07:55
思えばたまたま図書館で借りたこの映画のDVDが始まりで、わたしは大好きな作品です。

ナチの将校たちですが、当時のイタリア人の目に映った、その映りかたから見れば「リアル」なものなのかもしれませんね。

ピーナが射殺されるシーンでは、演出もカメラワークも神がかっていて息を呑んでしまいましたが、冷静に考えたらピーナの狂乱ぶりは、お腹に子供がいる女性としては激しすぎたかもしれません。でも、ベリッシマでもアンナ・マニャーニは激しい母親を熱演してましたから、あの人の芸風なのかなあ。

 
>宵乃さん
>>人間って

…………(^_^;)
Posted by ポール・ブリッツ at 2016年01月29日 12:00
こんにちは、白くじらさん!

>ゲシュタポの少佐や女性はあまりにも美しく、それでいて悪魔のような所業で逆に作られた演出のような感じを受けました。

ネオリアリズム作品としては「自転車泥棒」の方が合っていると感じました。好みでもあります。
観終わって何だかわからないけれど、悪意あるどんでん返しのサスペンス物を観た時に抱くエンタメ性をも感じました。
調べている内にロッセリーニが聞いたり新聞で知った4つのエピソードを組み立てて練り上げたと分かりました。それぞれに登場人物はモデルとなった人らが実在しても、劇的な話を創り上げたら、偶発的にというより創作され過ぎ妙にテンション高い作風になってしまったのでは?
と考察したりも・・・。

ピーナがトラックを追うシーンが名シーンなのは、鑑賞後初めて知りました。
それほどまで彼女の存在はあまり私には響かなかった・・・。妊娠している上に男の子も居るのだったら、むしろ母親としての行動が望まれたのでは?「恋すれば女性は変わる」と云わせていますが、勝手な男の願望と疑っちゃいたくなります(笑)。
同性愛に対する偏見もかなり見えましたね。

>銃殺兵たちはイタリア人なのかな…アパート包囲の時にも1人いたけど…同国人で2種類の人間がいるのはつらいです。

AP包囲に居たイタリア警官は少なくともゲシュタポ寄りではなかったですよね。
実際当時は生きるためにどちら側につくかのつらい選択を迫られたと思います。

今回、白くじらさんと同じ2作を鑑賞できて嬉しかったです。
チケットも素晴らしい!
TBさせて下さい。

Posted by しずく at 2016年01月29日 16:23
こんばんは〜^^

レンタルショップに行って「自転車泥棒」も無くて、
あっさり撃沈ですが、「無防備都市」も良さそうです。
白黒だとなかなか長時間集中が難しいのですが、美女揃いならば....大丈夫かも?と思ってしまいました。^^
Posted by かえるまま21 at 2016年01月29日 22:17
魔力に導かれ、とうとう見(てしまい)ました☆
2年以上経っていたけど、ほぼ(詳細はともかく)全編・流れを覚えていて、確かめる感じでした。

>ゲシュタポの少佐や女性はあまりにも美しく、

多分、本当に美しい人もいたと思います・・・人間は見た目の良い人に弱いですからね〜笑。

>またゲシュタポの酔った1人が教訓めいたことを言ったのも若干興ざめでした。

ドイツ軍人にもいろいろと居たと「ワルキューレ」以来思うようになりました。 あぁいう人も居たのかもしれませんね???

>さらに怖いのは、取り調べ室のすぐ横であり、さらにその奥では酒を飲みながら談笑している将校たちがいるところでしょうか。

アウシュビッツの所長とかは、家庭では美しい花を育て、妻に優しく、音楽とお酒に満たされた生活のようでしたね〜。 絶叫ばかり聞いては変になりますものね〜。 

>しかしマンフレディが死んだところを見て気絶

好きだったのでしょうね〜。

>しかし、さらに無慈悲に報酬として渡していた毛皮を取るゲシュタポの女性

気持ち良いくらい徹底していましたね〜汗。

>・ピナがトラックを追うシーンは名シーンですが、あそこまで狂乱していたのは過剰な気もしました。

あの時の彼女は、母親ではなく「女」であったのでしょうね〜。

>・どうして椅子に座らせて銃殺させたのかな?

あれはリアルだと思いました。
きっと見た人がいるのでしょう。
私は「そこに壁がなかったから」だと思いました。

>・銃殺兵たちはイタリア人なのかな…アパート包囲の時にも1人いたけど…同国人で2種類の人間がいるのはつらいです。

銃殺兵はドイツ人だと思いますが・・・思いたいというか?

>続く「戦火のかなた」「ドイツ零年」と合わせて3部作とも言われているそうですが、

「戦火のかなた」は名作なので、いつか是非と思います☆
長々と失礼いたしました。 


.
Posted by miri at 2016年01月30日 19:25
こんばんは、宵乃さん。

なるほど!それはまた目から鱗状態の解釈ですね。
それだけ当時の人たちが重く、悲惨な状態であったのかもしれませんね。

今の世の中に住んでいると、やっぱり計り知れない状況だと思います。
でも、この世の中には住みたくないですけど。(^^;
子供の頃から生きていればまだしも、タイムスリップでこの時代に行くと、即死しそうです。

今回の企画は2本でしたが、重厚な経験したと思っています。
ありがとうございました。(^^)/
Posted by 白くじら at 2016年01月31日 20:30
見ました!
はじめのうちは、どういう人間関係なのかわかりづらかったのですが、途中からはOK。
ちゃんとした俳優さんも出ているし、劇的演出(?)もあるしで、商業映画的でもありますね。
本作は戦争が直接にテーマにあるので、「自転車泥棒」などのほうが身近に感じられるものかもしれません。
Posted by ボー at 2016年01月31日 22:51
こんにちは、ポール・ブリッツさん。

まさに一期一会な出会いをされたのですね!
私もこの企画がなければ「無防備都市」「自転車泥棒」とは巡り会わなかったと思います。私が好きになったのは「自転車泥棒」の方でしたが。(^^;

ドイツ将校たちに関しては、当時のイタリア人がゲシュタポに対するイメージだとすると、確かにリアルな描写だったと思います。
それにしても、とことん冷たく、それでいて美しかったですね。怖い。

ピナは妊娠と2人目の夫を無くすという無情に狂乱したのもうなづけますが、役者さんだと芸風だったかも。(^^;

トラックバッさせて頂きますね。
Posted by 白くじら at 2016年02月02日 13:48
こんにちは、しずくさん。

私も「自転車泥棒」の方が好みでした。
日常生活からの、戦争の長い悲惨さがよくあらわされていましたね。

この作品が4つのエピソードから成り立っていたことは知りませんでした。
別のエピソードを組み合わせて作るのは凄いですけど、やっぱりそこには辻褄を合わせるために何らかの仕掛けを施さなければなりませんから。
オムニバス形式でもよかったかもしれませんね。

ピナのシーンは、やっぱり母であり、妻であるからこその狂乱だったと思いますが、他の人たちがあまりにも落胆しているのか、何もしないので、かえって違和感を感じていました。ただ、元々行動的な女性という事も序盤にはありましたから、それが真だったのかもしれませんね。

恋する女性、彼、同性、そしてお金や生活に…これらは女性だけでなく男性もやっぱり同じですよね。
こういう世界で生きていくためには、やはり何かに縋ったり、安心できる所を求めてしまうのでしょうか。そしてそれを守るために…。

トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせて頂きました。
Posted by 白くじら at 2016年02月02日 14:02
こんにちは、かえるままさん。

あらら「自転車泥棒」はありませんでしたか。
名作とはいえ、やはり古い作品でしすから…私が後で行ったレンタル屋さんには、「無防備都市」は発見できたのですが、逆に「自転車泥棒」がありませんでした。(^^;

私は白黒の方が集中してそうです。(^^;;
えっ、かえるままさんは美女美男ではなくって、スキンヘッドがお好みだったのでは?(@@)
Posted by 白くじら at 2016年02月02日 14:22
こんにちは、miriさん。

あや〜、観られましたか。(^^)
私は2年間もあれば、全てを忘れている小鳥頭です。(^^;;

ゲシュタポの将校たちに関しては、いろいろな人がいたと思います。
特に同性愛の女性は強く美しくなければ付いてこないでしょうし。まさしく、ゲシュタポの象徴みたいな感じでしたね。

最近の殺人鬼モノでは、普通の家庭を持ち何食わぬ顔をしながらも、地下には拷問施設があったり…裏表がある人間が多くて恐ろしいですね。
双方で精神のバランスを取っていたのかな。

>私は「そこに壁がなかったから」だと思いました。

確かにそうです!
丘での処刑でしたから…ああいう状態にしないと、初弾で倒れて次が当たりませんからね。
銃殺兵は、全員かどうかはわかりませんけど神父を撃たず地面などを撃って外していましたから、イタリア人ではないかと思います。ドイツ人の中にも神父を殺したくない人もいるかもしれませんけどね。拳銃で撃ったのはゲシュタポでしょうね。

「戦火のかなた」や他の作品は、私もまた目に触れることがあれば観てみたいですね。(^^)
Posted by 白くじら at 2016年02月03日 10:07
こんにちは、ボーさん。
おお、ボーさんも観られましたか!

実は私、しばらくマンフレディとフランチェスコの顔の区別がついてなかって、あちこちで観直してました。(^^;

やはりあちらこちらで演出があるような気がして、これがネオリアリズムと言われていなければ気にしなかったのですが、今回はちょっと気になりましたね。

「自転車泥棒」が身近に感じられたのは同感です。

トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせて頂きます。
Posted by 白くじら at 2016年02月03日 10:59
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Tracked: 2016-01-29 07:25

それでも目をそらさずに 『無防備都市』
Excerpt:
Weblog: newしずくの水瓶
Tracked: 2016-01-29 16:25

「無防備都市」
Excerpt: イタリア・ネオリアリズムの映画として有名な一作。
Weblog: 或る日の出来事
Tracked: 2016-01-31 22:38
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