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第2次世界大戦も5年目の1944年…ヒトラーのドイツ軍はヨーロッパの大半を占領していました。しかしDディ…6/6にアイゼンハワー指揮下の連合軍はノルマンディ上陸作戦を敢行しました。7月には反攻も本格化し、8月にはパリも解放することに成功しました。とろこが、その速度、そして長く延びた補給線の為に燃料弾薬が不足して足止めされてしまうのでした。頭痛の種はもう一つ、南部軍司令官パットン将軍と北部軍司令官モントゴメリー将軍は仲が悪く、ベルリン進行を狙っているどちらに補給を優先するか…そんな時、モントゴメリー将軍が大規模な作戦を発案。政治的な圧力もありアイゼンハワーも了承したこの『マーケット・ガーデン作戦』は、クリスマス前に戦いを終結させるためのものでした。
『マーケット・ガーデン作戦』は、3個空挺師団がオランダの主要な橋近くに降下し占領(マーケット作戦)、地上部隊の第30師団が駆け抜けて行き(ガーデン作戦)、一気にドイツに迫ろうとするものでした。
モントゴメリー将軍から指示を受けたブラウニング中将(ダーク・ボガード)は、テイラー少将(ポール・マクスウェル)に第101空挺師団を率いてアイントホーフェンに、ギャビン准将(ライアン・オニール)に第82師団を率いてナイメーヘンへ、そしてロイ・アーカード少将(ショーン・コネリー)に第1師団を率いてアルンヘムに降下するように指示をします。
一方、地下組織の親子からドイツの戦車がいることを知った本部は、現地を低空飛行することによって撮影に成功します。しかしブラウニング中将は、老人と子供しかいないはずだという上層部の指示通りに、その報告を握り潰し、ついに作戦は決行されるのでしたが…。
「タワーリング・インフェルノ」「エアポート」シリーズのような有名俳優たちの豪華共演です。
これは実際に行われた作戦の1つを実写化した作品ですが、この作戦はモントゴメリー将軍最大の汚点としても有名であり、すっきりするような作品ではありません。
作戦では軽量な空挺師団が拠点と橋を抑えている間に、戦車などの機甲師団を通過させるという電撃的な速度がものをいう作戦でしたが、落下地点や天候、そして必要だった物資の都合、そして最大の誤算はドイツのSS師団がいたことなどで、手間取ってしまったことでしょう。
特に激戦になったのはもっとも奥地であるアルンヘルムであり、空挺部隊だけでSS師団を抑えることは非常に難しかったのです。
上司が自分の体面などを考えて、大事なことを黙殺してしまうことは今の現実世界でもよくある事であり、それが大問題に発生することもあり、職によれば何人かが移動になったり、首になったりと、こんな戦争の場合だと死ななくてもよかったと思える何千人もの兵士の命が…しかし最前線での血は上層部まで届かず、さらに別の作戦が…ここに戦争の悲劇の一端が垣間見えます。
また、この作品ではドイツ軍が決して悪として描かれているわけではありません。
善悪ではなく、お互いに祖国の為に戦っている様子が描かれ、どちらかというと双方に上層部の無茶と言っていい命令がのしかかっているのがもの悲しいです。
正直、ラストでブラウニング中将の言葉を聞いたアーカード少将がブチ切れるかと思いましたが、そうもいかないでしょう。しかし、この言葉にこそ、上層部が今回の作戦、そして戦争をどう考えているのかが現されており、痛烈な反戦へのメッセージにもなっていると思います。
【ここがいい!】
・なんと言っても軽快な曲でしょうか。これはOPとEDにも流れている好きな曲なのですが、同じ曲であっても受ける印象が全く違う事にも驚きです。
・序盤の輸送機やグライダーが発進するところ。そしてその大編隊からパラシュート部隊が降下するシーンは圧巻です。これほどの物量作戦をCGなど使われてなかった時代に見せてくれるのに圧倒です。
・後半にポーランドの空挺師団が舞い降りますが、待ち構えるドイツ軍に着地前に射殺されてしまいます。無残この上ないです。
【ここは問題かな?】
・第82所属のクック少佐(ロバート・レッドフォード)が恰好いい。ですが、あまりヒーローしているのも、こういう作品にはどうかなって感じですね。
・SS師団の爆弾が爆発しなかったのはなぜ?(@@)
・場面がどんどん変わるんですが、いったいここが何処なのかわかりずらかったです。(- -;
【一言いいたいコーナー】
・上映中は確か故小森のおばちゃまの映画紹介で紹介されてましたね。「モアベターよ」が懐かしいなー。
・オードリー・ヘプバーン、スティーブ・マックイーンにも出演依頼があったそうですが、残念ながら出演料の問題で実現しなかったとか。
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そして、白くじらさんも仰るよおに、場所もホイホイ変わるからついていけなかったです。
>この言葉にこそ、上層部が今回の作戦、そして戦争をどう考えているのかが現されており、痛烈な反戦へのメッセージにもなっていると思います。
肝心のセリフをわすれてしまいましたが、本当に戦争の虚しさ、反戦の気持ちは湧いてくる作品でしたね〜。
いういう、じっくり顔を見ないと分からくなってましたね。序盤はまだ顔がきれいなのでいいんですけど、戦闘が激化していくと…。(^^;
場所が分かりなくくなっていたのは、致命的だったかもしれません。地名や距離、方角が入っているときも行ったのですが…地理的にもイマイチよくわかってなかったりして。(@@)
最後のセリフは「あの橋はちょっと遠かったね」とサラっと。(T_T#)
随分前に拙ブログにコメントを投下していただきまして、ありがとうございました。先日久々にブログを開いたらコメントに気付いた次第で、全く失礼いたしました。
さて、最近は映画ってものをほとんど鑑賞できていないだけでなく、白くじら様の記事を見てみても、この映画くらいしかタイトルを知らず、まさに「だめだこりゃ」状態。でもこの映画の内容については、詳細な記事のおかげで何を描いているのかは大体把握できました。ありがとうございます。
しかし、久々に古きよき?戦争映画を見直してもいいかも?と思えました。あの時代の映画は実物(または似せて作ったもの)が出て来るところが迫力満点ですので。(それ以外はダメなところが色々あると思いますが)久しぶりに「史上最大の作戦」でも見てみようかな(検討中です)。
それでは今後もよろしくお願いします。
いやーどうされたのかなって思っていましたが、お元気そうでなりよりです。(^^)/
私も全然アクセスできずに、コメントが来ていることに気付かないことが多々あって、来たらメールで知らせるようにしました。(_ _)
この作品は、当時から今まで観てなかったので、ほとんど忘れていました。(^^;
「史上最大の作戦」も子供の頃に観たっきりで、覚えているのは落下傘で降りた兵士がどこかで吊るされたまま降りられなって、その下にドイツ兵が来るというシーンしか覚えていません。一度観直してみたいですね。