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ファンド・マネージャーであるソグ(コン・ユ)は、娘スアン(キム・スアン)の事を気にかけつつも、どうしても仕事優先になってしまっている、いわゆる仕事人間でした。娘の誕生日のプレゼントにも失敗した(5月に買ったことも忘れて同じ物渡した)ソグは、ソアンに欲しいものを尋ねます。
スアンの願いは「釜山に行きお母さんに会いたい」というものでした。
2人は翌朝のソウル発釜山行のKTX101列車に乗り込みます。
しかし、発車直前に乗り込んできた女性がいました。彼女は何らかの感染者であり、車内で倒れてしまったところを解放しに来た乗務員に襲いかかってきます。1度は死んだ乗務員もまた同じように発病し周囲の人間に襲いかかってくるのでした。
次々と襲われ感染していく人々から逃げるために別の車両へと逃げ出すソグたち。その中には、妊娠中の妻ソンギョン(チョン・ユミ)とその夫サンファ(マ・ドンソク)や高速バスの常務ヨンソク(キム・ウィソン)、高校生野球チームなどもいました。
列車のドアでなんとか隔離を行った一行は、途中のデジョン駅で下車することになるのでしたが…。
列車という閉鎖空間でのゾンビモノですが、場面、場面のテンポが速くて、ずーと緊張感が続くのがいいですね。
登場する人物たちがかなり自己中心的で、特にヨンソクの身勝手さには恐れ入りりますが、人間、極限状態になるとあそこまで卑劣になるのでしょうか。恐ろしいですね。ただ、この人の為に何人が犠牲になったことでしょうか、もっと、もっと罰を与えてほしかったと思います。
こういうタイプの作品では、どんどんと死んでいくものですが、韓国映画らしいベタの感動的演出から、ええっ、ここで死ぬの?というようなものまで、とにかく死ぬ人が多いので、いろいろなバリエーションがあって楽しめました。
【ここがいい!】
・とんでもない人格の人も多いのですが、それらはしっかりと罰を受けますし、他の頑張っている人たちが、この僅かな時間の間にちゃんと人間的に成長しているところがいいですね。ただ、ほとんどの場合、残念な結末になる事が多いのが悲しい。
・スアンが父の為に歌う歌が効果的に使われていますね。
・スアンにいろいろと学ぶことが多いです。
・窓をぶち破って雪崩出たり、重なり合って山のようになってしまう感染者たちは恐ろしすぎます。
・妊娠妻をもつ夫サンファが格好良すぎます。
・ファンドということで、その対象の会社を救ったことが…というくだり、もう何と言ったらいいのか。もう二度とできそうにないですね。
【ここは問題かな?】
・最初だけ感染速度が遅かったようですけど、その後は速かったですねー。
・暗くなると見えなくなる感染者たちですが、生者たちが行動できるくらいの明るさでも駄目なのがちょっと気になるところです。
・あれだけ血がかかっていると、傷がどうのという以前の問題のような。(^^;
【一言いいたいコーナー】
・釜山が最終目的地であるということは…もはやどうにもならないところまで感染が広がっているのかな。
・原題がシンプルながらに行先を示しているのに対して、邦題のなんというセンスの無さでしょうか。こういうのはいったい誰がつけているんでしょうね。
ほとんどB級のノリのタイトルには脱力感いっぱいです。ここだけ残念。
2016年「新感染 ファイナル・エクスプレス」
2016年「ソウル・ステーション パンデミック」
いやいやえん(makiさん)の「新感染 ファイナル・エクスプレス」
或る日の出来事(ボー・BJ・ジングルズさん)の「「新感染 ファイナル・エクスプレス」」
セピア色の映画手帳(鉦鼓亭さん)の「「新感染 ファイナル・エクスプレス」」
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とにかくマ・ドンソクさんが格好良くてたまらなかったです。
韓国映画ではおなじみの方ですが、
頼れる彼が、意外と早々にいなくなってしまうのも
悲哀を感じられるところですね
アロハオエって別れの歌なのでしょうか?
歌詞が、なんかそれっぽい感じでしたよね
この歌も効果的に使われてて、
最後までハラハラさせてくれる映画でした
ノンストップ、というのは、こういうのを言うのだなと。
ひねくれものとしては、あの悪役おっちゃんが好きっす。
とんでもない人格の人
>あそこまで「嫌われ者」をしっかり演じたのは、或る意味「天晴れ」なので、
僕の2017年映画決算では、マ・ドンソクと共に「印象に残った助演男優」に選びました。(笑)
スアン>上手な子でしたね。只、列車が動き出して暫くするまで「男の子」だと思ってました。(汗)
初だけ感染速度が遅かったようですけど、その後は速かったですねー
>監督の言い訳は「噛まれた箇所によって感染速度が違う」そうです。
が、殆ど皆、ドラキュラみたいに首筋噛まれてたような・・・。
マ・ドンソクさんは、とにかく格好よかったですね。
彼は主人公にとって人生の先生のような感じでしたね。もっと生きて活躍してほしかったです。
アロハオエは悲哀を感じさせる歌でしたね。
まさか、あのシーンで歌われるとは、なかなかよかったと思います。(^^)
ダジャレタイトルは嫌いではないんですけど…B級にはこういうのが多くって、B級好きの私には嬉しい限りです。
でも、一級品の作品にはそれなりのタイトルがやっぱりいいです。(^^)
あの悪役の人は、悪役に徹してましたね。
まったく成長しない人とはこの人だ!
>印象に残った助演男優
確かに、この人の存在は大きかったですね。
一度は死んだかと思った後も生き延びていましたし、とにかくとんでもない死に方を期待していましたが…もう少し酷い死に方を希望したかったです。(^^;
スアンは私も最初男の子?って思ってました!
噛まれた位置によって感染速度が違っていたんですね。極端なことをいうと、手噛まれても腕を切り落とせれば助かったかもしれませんね。
首筋という事はやっぱり心臓の近くなのかな。もう一度観た方がいいですね。(@o@)