2007年(PLANE DEAD) 製作国:アメリカ 監督:スコット・トーマス 脚本:スコット・トーマス 撮影:マーク・エバール 音楽:ネイサン・ワン amazon.co.jpで詳細を見る。 |
ロサンゼルス発のコンコード239便は、嵐の夜を一路パリへと飛行を続けていました。
若いカップルやプロゴルファーのフリーマン夫妻、容疑者フランク(ケヴィン・J・オコナー)を護送中のトルーマン刑事(デヴィッド・チザス)、運輸保安局員ポールなどが乗り込み、それぞれが旅を楽しんでいましたが、この機には『国家レベルの積荷』と言われて積み込まれていた特別貨物が、気密スーツを着込んだ武装した護衛とともに貨物室に積み込まれていたのです。
折りしも外は大荒れの天候…振動する機体に特別貨物の留め金が外れてしまいます。
中から出てきたのは女性…が、何を思ったのか護衛は手にしたマシンガンで女性を撃ち殺してしまいます。しかし次の瞬間、死体となって転がった女性の姿は消え、護衛は目前に迫った彼女の狂喜の表情を目撃するのでした。
乱射されたマシンガンで機が不安定になった機長は、副操縦士に荷の様子を見に行くように指示を出します。副操縦士は責任者であるベネット博士の指示で、セバスチャン博士とソープ博士と貨物室へと潜り込みますが…。
一方、ワシントンDCでは、CIAとFBIの合同チームがロスのメドコン本社を押さえたが、4名の重要人物が行方不明になっている、という報告を受けていました。
その一人ベネット博士はレトロウイルスの研究に従事し、合成生物学の権威でした。彼はベトナムの蚊のDNAから新種のマラリア菌株の開発をしており、殺傷能力に優れつつも、その破壊された臓器を再び使用可能にする菌を開発成功していたのです。
そして…今や4人に増えてしまった感染者たちは、貨物室から客室へと標的を移し始めたのです!
なかなかの掘り出しもののホラーでした。
ふと後で考えてみると、外部、つまり飛行場やワシントンの建物の外などの映像がいっさいなかったりします。そもそもすでに飛行状態から始まります。(^^; つまり飛行機内部のセット、建物の中のセットだけで作られているという普通なら安上がりな作品(実際そうなのかもしれませんが(^^;)のようですが、その中を隅から隅まで利用してのバトルは作り手のこだわりを感じさせてくれます。
本来飛行機内部というかなり狭い閉鎖空間を、床の下から引き込んだり壁の中から出てきたり、上から落ちてきたりと、かなり立体的に空間を作っていて、観ていて飽きさせないのもいい出来でした。
感染者たちもいい造形でした。結構怖いシーンもありますし、そこらのゾンビが裸足で逃げていきそうなくらい。
ちょっとしたお遊びも入っていて、感染すると理性がなくなりちょっとお馬鹿になるようで、シートベルトを自分ではずせない奴(意外とオチまであった)、フランクを噛んだおばあちゃんは実は(たぶん)入れ歯だったとか、傘を刺されて向こう側でOPEN(ちょっと無理)とかも…うーん、これは微妙かな。
この作品に登場する感染者(ゾンビ)たちは、今までのゾンビと違って2度殺しても死なないようです。どうやら菌が破壊された臓器を蘇らせているようですねぇ。さすがに千切れてしまったりしたときは復帰できないようですが、おかげでしぶといしぶとい。いいですねぇ、こういう連中。ただどうしてこんなに好戦的に襲ってくるのか、仲間同士は襲わないのか、知能はかなり低くなってそうなのはなぜ?とかいろいろと疑問はありますが、まぁ、こういう映画の場合あまり考えないで楽しむのが○ですね。そもそも『国家レベルの積荷』を民間機で運んでいるくらいですからね。
最近観たフライトものの「スネーク・フライト」もいい味を出していましたが、あればまだまだ生き残りがいましたが、こちらはもう死ぬ、死ぬ。しかも誰が主人公なのかわかり難いので観ていてハラハラしてしまいます。こういうところは「13日の金曜日」のような感じで、いい演出だと思います。
最後に意外といい味を出していたのが運輸保安局員のポール、最初は『むむ』だったのが結構格好よかったり。
【一言いいたいコーナー】
・飛行機とか戦闘機は模型だったのでしょうか。(^^;
・機内で銃撃ちまくり、爆発物までというのも凄いけど、一番驚いたのは貨物室で撃った弾丸が床を貫いたときですね。ここで「おおっ」と作品に対する姿勢が変わりましたからね。
・フランク役のケヴィン・J・オコナーは「ヴァン・ヘルシング」のイゴール、トルーマン刑事役のデヴィッド・チザスは「24」の役者さんのようです。
・あのバラバラと落ちていったゾンビたち…あの後はどうなったのでしょう。絶対に生きていますね。
年がら年中爆走するブログ!!(shit_headさん)の「今度はヘビじゃねーよ!ゾンビだよ! 「デッド・フライト」」
いやいやえん(ヨヨさん)の「デッド・フライト」
今夜も酔いどれ映画感!(shimanemanさん)の「デッド・フライト」
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最近、年のせいか、ホラーに対する耐性が低くなっちゃってるような気もしますが、これはちょっと見てみたいですねえ。密閉状態ですから、細部の描写まできちんと考えていないと、トンデモ映画になってしまいますものね(^^ゞ。
拙宅の新アドレスをお知らせにあがりました。まだ記事全ての移転は終わってないのですが、作業に飽きてしまいました(^^ゞ。なので少し早めに。
「豆酢館」http://blog.goo.ne.jp/mamesumaldini
今後は新アドレスでよろしくお願いします。
最近はなぜかフライトものが人気ですね〜☆
無理な設定でも面白く作ってある映画て
こうやってたくさんあるもですね♪
...なんか空飛ぶサメの映画てありましたっけ?
今思い出しましたw。
ただいまレスが遅れております。
真に勝手ながら、後回しであります!!(爆)
これはホント拾い物でした。そうですね。セットを隅から隅まで駆使して、空間的な広がりを出していました。低予算ですけど、演出センスが良かったので、飽きずに観れました。
コリャ買うしかないですよ。
みなさん地味でしたけど、熱血ゾンビ演技に感動しました。
これはなかなかよかったですよ。
密閉状態の場合、やることが限られてくるのですが、うまく立体的に演出しており、オチを含めてよかったです。まぁ、それでもおかしいところはいろいろとありますが、目をつぶりましょう。
ゾンビファンは観るべし!でした。
移転、お疲れさまでした。
こちらのリンクも直しておきますね。
「スネーク・フライト」がヒットしたからなのでしょうか。
そう、まさしくらんまるさんがおっしゃっているとおり、「無理な設定」にも関わらず「面白い」のです。(^^;
こういう作品があるから、B級発掘はやめられないですねぇ。
空飛ぶサメの映画ですか…むむ、なんだろう。
空飛ぶくじらならいましたねぇ。「フライング・ハイ」の冒頭で雲を海に見立てて垂直尾翼がサメのように…というのもありましが。
お互い遅れに遅れているのかも。(_ _) お忙しいところ申し訳ないです。
おそらくあれだけのセットだったので、低予算ではないかと考えられますが、その限られた中を何倍にも活用しての、この出来だったのではないかと思えます。
こういう人たちに、ちゃんと予算を渡して作って欲しいですね。(^^;
トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせていただきました。