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気が弱いウィラード(ブルース・デヴィソン)は仕事でもうまく立ち回れず、社長のマーチン(アーネスト・ボーグナイン)にどなられてばかりでした。
27歳の誕生日、母(エルザ・ランチェスター)と母の友人たちとのパーティでも、父が作った会社をマーチンに乗っ取られたのはお前がしっかりしないからだ、ホントなら副社長の身分なのに…と嫌味交じりに言われてしまいます。耐えられなくなったウィラードは裏庭に出、そこにいたネズミに食べ物のかけらを分け与え「ハッピーバースディ」と呟くのでした。
それをきっかけとして、ウィラードはネズミに餌を与え始めましたが、母は裏庭で見たネズミを殺すようにいいます。やむなくプールを使って殺そうとしましたが逃げ惑うネズミたちを見て、結局は助けてしまいます。
ネズミの中には真っ白いネズミが1匹いました。ウィラードはそのネズミをソクラテスと名付け可愛がるようになってきます。
やがて彼はなんとかネズミと意思疎通を図れないかと言葉を教え始めます。
そんな時、部屋のベルをリンリン鳴らすのが好きな、黒いネズミに目を奪われます。ウィラードはそのネズミをベンと名付けました。
ベンはソクラテスが気に入ったようで、すぐに地下室から抜け出てウィラードの寝室にまで入る始末。そんなベンをしかりながらも結局は許してしまうウィラードでした。
ネズミたちはネズミ算式に増え続け、ウィラードはマーチンの度重なる仕打ちに、彼が企画した記念式典に増えたネズミたちを乱入させて台無しにしてしまいます。彼にとってネズミたちは友人であり武器にもなっていたのです。
そんなある日、母が死にました。
残された遺産は抵当に入った屋敷のみ。たちまち金の工面に困るウィラード。
当てにしていた母の友人たちも金を貸してくれず、さらに追い討ちをかけるように屋敷を狙うマーチンのイジメ、会社で唯一仲がよくなったジョーン(ソンドラ・ロック)にもどうすることもできませんでした。さらに会社に連れてきていたベンとソクラテスが会社の女子社員に発見され、ソクラテスは無残にもマーチンに棒で突き殺されてしまいます。
何もできずにベンと家に帰ったウィラードは、ついにある決心をするのでした。
長年待っていた「ウィラード」と「ベン」がついにDVD化されました。
さっそく両方ともレンタルしてきて再観です。(^o^)/
孤独な少年の唯一の友人になり得たネズミ。
しかしその数はネズミ算式に増えて行きます。1匹では怖くなく、どちらかというば可愛い部類に入りながらも、それが群れで襲ってくると話は別です。ここに1つの動物パニックたる所以があります。
しかしこの作品は群れで来るだけに止まらず、そのネズミたちを可愛がる愛情、そして意思の疎通、信頼関係など、そして気に入らない相手に復讐するという恐怖があります。
ウィラードの周囲の人間は、彼女であるジョーンを除き、母親からマーチン、そして親戚、友人などほとんどが自分勝手な人物として描かれています。本当にウィラードが可哀そうになりますが、実は彼自身も自分勝手であり、それゆえにベンとの信頼関係が壊れてしまうのです。
本当に、人間って…。
刻一刻と変化するベンの表情は特撮だったのでしょうか、目を細めるところなどホントにウィラードに対する恨みが感じられ怖いところがあります。
【ここがいい!】
・人間の方はやはりアーネスト・ボーグナインの怪演が光っていましたね。こういう社長のいる会社では働きたくないですねぇ。(- -;
・実際に調教されたのはベンとソクラテスだったらしいですが、2匹の動きがなかなかいいですね。
【ここは問題かな?】
・ラスト近く、ウィラードがベンを毒殺しようとエサを混ぜている時、目を離した瞬間にベンが移動するのですが、食器棚にスタッフが映っており、ベンを別の場所に置いているのが映ってました。(^^; ちなみに「ベン」のプロローグでこのシーンは一瞬しか映らずカットされています。
【一言いいたいコーナー】
・ずーとモノクロだったと思っていたのですが…カラーでした。(^^;
・このヒットによってネズミのリーダーであるベンをタイトルにした続編「ベン」(1972年)が上映されました。
・後にリメイク版まで出てきました。ウィラードを演じているのは「チャーリーズ・エンジェル」での怪優クリスピン・グローヴァーです。
1971年「ウィラード」
1972年「ベン」
2003年「ウィラード」
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私も「ベン」よりも「ウィラード」派です。
ベンの音楽は好きなんですけどね。ベンの方はかなり子供向けになっていたように思えます。
これを観ていると上司との確執が震えるほど怖くなってきますね。