![]() 製作国:フランス 監督:ロバン・カンピヨ 製作:キャロル・スコッタ、カロリーヌ・ベンジョ 撮影:ジャンヌ・ラポワリー 脚本:ロバン・カンピヨ、ブリジット・ティジュー amazon.co.jpで詳細を見る。 |

ある朝、フランスのサン=ルイ墓地から大勢の人々が町へ歩き始めました。
これは約2時間に渡り行われ、現れた人たちは全て死後10年以内の生前の姿のままの…死人たちでした。この町だけでも13,000人、全世界では7,000万人以上の男女があわられたのです。
その内、65%は60歳以上、25%は40〜59歳、残る10%は39歳まで…町では突然の死者のよみがえりに、集まって会議を行います。彼らをもとの住民として仕事を与えるのかいなか、居住はどうするのか。何者であるのか調べるだけでも膨大な時間がかかりそうでした。
市長(ヴィクトール・ガリヴィエ)の妻、戻ってきた子供を喜ぶ夫妻、そして死んだ夫マチュー(ジョナサン・ザッカイ)と出会い戸惑うラシェル(ジェラルディン・ペラス)…しかしやがて彼らは違和感を覚えるようになりす。
彼らは感情に起伏が感じられず、反応が著しく低下しており、言われたことはこなすものの時間がかかることが多かったのです。その違和感は次第に大きくなり、この対応に生人は疲れ、精神的に追い詰められていくのでした。
やがて死者たちは夜中に町を徘徊したり、ある建物に集まり「会議」を行うようになるのでしたが…。


序盤の大勢の死人たちの更新のシーンはあっけにとられて、これから一体どうなっていくのだろうと思っていましたが、物語は静かに進行し、最初は生き返った人々に喜んでいた生者たちも、生きていた頃とのギャップに翻弄され、疲れ苦悩していくさまは、今現実で介護していることもあって観る側の私の方まで精神的に参ってしまいました。
それは置いておき、死者たちの生活権を考えている議会は、まるでどこかの国が移民を受け入れているかのようです。しかも、能力の低さから、やがて疎ましい存在になり、悲劇は起こってしまいます。これらはリアルな現実と置き換えると怖いストーリーなのかもしれません。
タイトルの副題になっている「奇跡の朝」というは、最初の光景なのか、それとも、この決して相容れることなく起こってしまった悲劇の翌朝、そのどちらから付けられたのでしょうか。後者だとすると、なんとも悲しい結末だと感じられます。
とはいうものの、この現象はなぜ起こったのか、マチューはどうなったのか…消化不良を起こしてしまう作品でもありました。
【一言いいたいコーナー】
・リノタール薬や体温の感知する操作など、管理社会としては怖いものがありますが、実際にはそれ以下でもそれ以上の伏線にもなっていなかったことが残念です。

これは、ヒューマンドラマ入りゾンビ映画
のような感じですか?
何となく分かります、消化不良。
説明不足なんですね
ゾンビーノのようなお気楽系だと
笑って済まされるのですが、シリアスだと
逆に、中身重視して欲しいかも
ヒューマンはヒューマンでもかなり落ち着いた感じのもので、旧「ソラリス」みたいに坦々と進んでいきます。
原因に関してはまったく説明がありませんでしたし、その後の…も。
もう少し説明があればまだ納得できたような気がします。題材としては面白いと思うのですが。
「ゾンビーノ」観ましたよ。
こちらもゾンビの社会復帰が描かれていましたが、ステイタスが180度違うようですね。
なかなか楽しめました。