フライドチキンと焼アヒルの商戦勃発!1988年(Chicken and Duck Talks『鶏同鴨講』) | 製作国:香港 | 監督:クリフトン・コウ | 原作: | 製作:ロニー・ユー | 製作総指揮:マイケル・ホイ | 脚本:クリフトン・コウ、マイケル・ホイ | 撮影:デレク・ワン | 音楽:リチャード・ユエン | amazon.co.jpで詳細を見る。 |
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香港のとある通りに老舗で味も極上な焼鴨を食べさせる店がありました。
しかし客は来るものの店は手入れは酷く、床は散らかしほうだい、スープにゴキブリが入っているなど何とも思っていませんでした。この店の主人ホイ(
マイケル・ホイ)は香港一のケチと噂されていましたが、そんなホイを支えているのが妻のギョン(
シルヴィア・チャン)でした。
従業員はリーダーのナマズ(
リッキー・ホイ)、味付けを盗もうとしているナム、レジ担当のパン(
イップ・ウィンチョウ)、ウエイターのナン、そして掃除婦のアリス。彼らは文句も言いますが、ホイの元でされなりに楽しく仕事をしていました。
ところがある日のこと…フライドチキンで有名なダニーズが真向かいに開店してしまいます。
清潔さと安さとでホイの店最大のライバル店となりたちまちホイの店には閑古鳥が!ホイは相手の戦略を真似して何とか挽回しようとするのでしたがすべて空回り。しかもナマズまでがダニーズに就職してしいます。
さらに諦めないホイの店に業を煮やしたダニーズは、ホイの店を休業に追い込むために悪だくみを開始するのでした。
「新Mr.Boo!」シリーズ終了後の作品です。もともと「Mr.Boo!シリーズ」は単独作品なので特についていようがついてなかろうがあまり関係はないかと思いますが…。(^^) なお、日本未公開のためか吹き替えは入っているものの
マイケルの声は
広川太一郎さんではなく
小島敏彦さんです。
リッキーの声も今までとはうって変わって実に渋かったりして…思わず字幕で観ることにしました(でもなにげにあっているような気がしました)。
昔気質の職人が、新しい技術を導入してきた会社と戦うといった感じの作品で、ホイの店の人情映画ですね。
ホイも香港一のケチとは言われつつも、全然悪い人間ではなく不器用ですが一生懸命生きています。これは周りで働いている人たちも一緒。みんな家族なんです。そういうところがクスリとした笑いと共に描かれていました。
ダニーズは圧倒的強さを誇りながら支配人が油断したら社長がたしなめるという…珍しく油断しない!と思っていたのですがやっぱり焦っていたのでしょうか。ラスト近くでの行動にはちょっと驚きました。エリートがつまずくとえてしてああいうものなのかな。
おそらく日本では伝統を重んじるのでこういう結末にはならないかもしれませんが、これはこれで香港のある意味気質なのでしょうか。
良いものは全て自分たちの物にしていくという、したたかさがそのままオチに直結していると思います。
こういうところ、日本の頑固さとは違うところでしょう。
【ここがいい!】・やっぱりホイのイマイチ素直になれないけど、みんなには感謝している表情。
・お互いのマスコットの着ぐるみで戦っているところは面白かったですね。建物から飛び降りるところなんてワイヤーだったようです。
・ダニーズの教育がそのまま身になっているところ。
・ナマズを許してもらうために髪の整髪を出してきたのはいい演出だと思いました。ナムなんて髪の毛ないのにするもんねぇ。笑ってしまいました。
・ホイのアヒルは本当に美味しかったようで、料理には手を抜いていなかったようです。炭火焼もじっくりと焼いてるシーンがあっていいです。
【ここは問題かな?】・本当にあんなに汚いのでしょうか。ネズミでなんとかという前に営業停止になっていてもおかしくないと思いますけど。布巾、箸、スープなど…序盤から食べ物が好きな人たちは引いてしまいそうですね。
・ダニーズもそうですけど、調理場の裏はあんなものなのかな(いろいろと噂は聞きますけど)。スピードだけを重視しているところを見ると、こういうシーンにも皮肉が込められていたのかもしれません。実際に生焼けとかのシーンもありましたし、見かけは清潔で割引もあって安かったけど味はイマイチだったのかな。なんかどっかみたい。(^^;
【一言いいたいコーナー】・相手の携帯がまるでトランシーバーのよう。まぁ、時代による機器の面白さですね。
・店内にハエトリ紙が!!これって日本にあったのと同じですねぇ。もう見かけませんけど。
・ダニーズの開店祝いに駆けつけるのが
サミュエル・ホイのようです。忙しそうにすぐに帰ってしまいますし、サングラスでよく判りませんけど。(^^;
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